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延滞税の計算方法とは?税率や修正申告時の注意点なども併せて解説

読了目安時間:約 6分

納期限までに正しく税金を納めていない場合「延滞税」と呼ばれる税金を納めなければなりません。延滞税の税率は毎年変動するうえ、延滞した日数によって適用される税率も変わるため、延滞税の計算は複雑です。また、延滞税は納期限から遅れた日数に応じて加算される性質があるため、税金の納付が遅れれば遅れるほど税負担が大きくなる点に注意しなければなりません。

そこで今回は、延滞税が課されるケースや延滞税の計算方法、税率、修正申告をする際の注意点などについて分かりやすく解説します。

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延滞税とは

税金は、納付期限が決められています。そのため、期限までに国税を支払わなかった場合にはペナルティが課されます。それが延滞税です。延滞税は、実質的には納税が遅れたことの延滞利息のような意味を持ち、法定納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で税率が大幅に上がるという特徴があります。

また、延滞税には原則として、納期限の翌日から納付が完了する日までの日数に応じて課される計算方法が用いられているため、納付が遅れるほど延滞税の額は膨らんでいきます。

延滞税が発生するケース

延滞税が発生するのは、主に次の4つの状況です。

  • 申告期限までに申告や納税を済ませなかった場合
  • 期限までに申告と納税はしたものの、税額が不足していた場合
  • 税務調査で何らかの指摘を受けて、税額が変更された場合
  • 口座振替の残高が不足していた場合

申告期限までに申告や納税を済ませなかった場合

法人の場合は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に法人税や消費税の申告と納税を済ませなければなりません。また、個人事業主の場合は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに所得税の確定申告と納税を、消費税は原則3月31日までに確定申告と納税を済ませる必要があります。この期限までに、申告と納税を完了させていなかった場合、延滞税が課されることとなります。

ただし、期限までに申告をしていない場合に課されるペナルティは延滞税だけではありません。延滞税のほか、期限内に申告を行わなかったことのペナルティとして無申告加算税も課される点に注意が必要です。

期限までに申告と納税はしたものの、税額が不足していた場合

申告期限までに納税と申告をしたものの、納税した額が本来納めるべき税額よりも少なかった場合も、延滞税が課される可能性があります。また、この場合は、申告していた税額が不足していたことのペナルティとして、延滞税のほか、過少申告加算税も課されることとなります。ただし、税務調査の事前通知を受ける前に、自ら申告額の不足に気付き、自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税は課されません。

税務調査で指摘を受けて、税額が変更された場合

税務調査によって申告漏れの指摘を受け、更正や決定の処分が下された場合も延滞税が課される可能性があります。

また、この場合も延滞税だけが課されるのではなく、申告状況に応じて、無申告加算税や過少申告加算税などの付帯税も加算されることとなります。

口座振替の残高が不足していた場合

申告書を提出した後は、対象となる税金を納付しなければなりませんが、納付方法には口座振替も利用できます。しかし、口座振替の場合、指定口座の残高が不足していたために引き落としができず、期限内に納税ができないというケースもあるかもしれません。また、登録した口座番号に誤りがあったケースや届出書の提出が遅れたケースなどでも、期日までに納税が完了しない可能性があります。そのような場合でも、税金の納付が遅れたという事実が発生するため、延滞税の納付を求められる可能性があるのです。

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延滞税の計算方法の注意点

延滞税を計算するうえでは、延滞税は法定納期限の翌日から完納する日まで課され、法定納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で大きく税率が異なる点を理解しておく必要があります。また、延滞税の計算期間には特例についても併せて確認しておきましょう。

  • 法定納期限の翌日から完納する日まで課される
  • 法定納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で税率が異なる
  • 延滞税の計算期間には特例がある

法定納期限の翌日から完納する日まで課される

無申告加算税や過少申告加算税など、正しく申告や納税をしなかった場合に課されるペナルティは、追加で納付する額にそれぞれの税率を乗じる形で算出します。例えば、確定申告が必要であるにもかかわらず、申告をしなかった場合は、無申告加算税が課されます。税務調査で無申告が発覚し、税額が50万円であった場合に適用される税率は15%です。その場合、無申告加算税の計算方法は50万円×15%となり、不足分の税額に加え、75,000円の無申告加算税の納付を求められます。

この場合、税率をかける対象は不足分の税額であり、納税が遅れた期間については計算に考慮されることはありません。過少申告加算税についても、追加本税×税率で税額は決定され、無申告加算税と同様に、納付が遅れた期間によって税額が変動することはないのです。

しかし、延滞税を計算する際には、法定納期限の翌日から完納する日までが反映されます。したがって、他の加算税とは異なり、延滞税は日割りで計算されるという点に注意しなければなりません。

法定納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で税率が異なる

延滞税は、毎年税率が変わります。これは、銀行などの貸出金利の変動に合わせて、延滞税の税率も変動する「特例基準割合」と呼ばれる仕組みが導入されているからです。延滞税特例基準割合とは、各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で割り、各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合のことです。また、税率は、法定納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で大きく変わる点にも注意が必要です。

例えば、令和3年1月1日以降の場合、延滞税は次のようになります。

(1)納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで

納期限の延滞税の税率は原則として年「7.3%」となります。しかし、実際には7.3%が適用されるのではなく、年7.3%と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合が適用されます。

具体的に適用される延滞税の税率は次のとおりです。

・令和8年1月1日~令和8年12月31日までの期間:年2.8%

・令和4年1月1日~令和7年12月31日までの期間:年2.4%

・令和3年1月1日~令和3年12月31日までの期間:年2.5%

(2)納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後

納期限の翌日から2ヶ月が過ぎてからの税率は、原則として年「14.6%」です。ただし、納期限の翌日から2ヶ月までの場合と同様、実際に年14.6%の税率が適用されるわけではありません。令和3年1月1日以後の期間については、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合が適用されます。具体的な税率は次のとおりです。

・令和8年1月1日~令和8年12月31日までの期間:年9.1%

・令和4年1月1日~令和7年12月31日までの期間:年8.7%

・令和3年1月1日~令和3年12月31日までの期間:年8.8%

延滞税の計算期間の特例

延滞税は、納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で税率が異なります。また、納期限は申告の種類や申告書を提出したタイミングなどによって変わります。

・期限内に申告をした場合:法定納期限

・期限後申告または修正申告をした場合:申告書を提出した日

・更正・決定の場合:更正決定等の通知があった日の翌日から1ヶ月以内(または通知のあった日から起算する)

また、重加算税が課される事態を除き、延滞税には一定期間を延滞税の計算期間に含めないという特例が用意されています。特例が適用されるのは次のようなケースです。

・期限内に申告書を提出し、法定申告期限後1年を経過してから修正申告や更正の決定があった場合

・期限後に申告書を提出し、申告書を提出してから1年を経過してから修正申告または更正の決定がある場合

・確定申告書を提出した後に減額更正がされ、その後さらに修正申告または更正があったとき

つまり、納期限から完納までに時間がかかった場合でも、一部の期間は延滞税の計算から除外することができるのです。これは、税務調査が実施されるタイミングは納税者によって異なるため、税務調査を受けた時期が遅くなるほど負担する延滞税の額が大きくなり、不公平が生じることが関係しています。ただし、重加算税が課された場合は、特例は適用されないため、本来の法定納期限から完納するまでの期間すべてに対して延滞税が課されることとなります。

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延滞税の計算方法

延滞税はどのような計算式で算出するのでしょうか。ここでは、延滞税の計算方法と延滞税の計算ツールについてご紹介します。

延滞税の計算式

延滞税は、納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降に分けて、それぞれの額を合算して計算します。

  • 納期限の翌日から2ヶ月までの計算式

納付すべき本税の額(10,000円未満の端数切り捨て)×延滞税の税率×日数(納期限の翌日から2ヶ月を経過する日)÷365(日)

  • 納期限の翌日から2ヶ月を経過して以降

納付すべき本税の額(10,000円未満の端数切り捨て)×延滞税の税率×日数(2ヶ月を経過する日の翌日から完納する日)÷365(日)

  • ①の額と②の額を足した数が延滞税の額(100円未満の端数は切り捨て)

延滞税の計算ツール

国税庁では、所得税と個人事業主の消費税・地方消費税についての延滞税計算ができるツールを紹介しています。令和8年3月現在は、令和7年分、令和6年分、令和5年分について延滞税を計算できるページが用意されています。それぞれ、期限内申告分、期限後申告分修正申告分の3つに分けて計算することが可能です。

参照元:国税庁「延滞税の計算方法」令和7年分の延滞税令和6年分の延滞税令和5年分の延滞税

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延滞税の計算シミュレーション

では、実際に延滞税がどの程度の額になるのでしょうか。先ほどご紹介した計算式を用いて、令和7年分の確定申告書を期限内に提出したものの、30万円の税金の納付が納期限から120日遅れた場合で計算をしてみます。

  • 納期限の翌日から2ヶ月までの延滞税

30万円×2.8%×60日÷365日=1,380円

  • 2ヶ月経過後の延滞税

30万円×9.1%×60日÷365日=4,487円

  • 合計額:1,380円+4,487円=5,867円

100円未満は切り捨てるため、納税すべき延滞税の額は5,800円となります。

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修正申告をしても延滞税がかからないケースがある?

修正申告をすれば、延滞税がかからないケースがあるといわれる場合があるようです。しかしこの情報は決して正しい情報ではありません。

修正申告をしても延滞税はかかる

修正申告をした場合、追加の納税が発生すれば延滞税はかかります。ただし、修正申告を行う場合は、納期限から1年を経過した日以降の延滞税は計算から除外される特例が適用されます。そのため、修正申告をすれば延滞税はかからないといった誤った情報がネット上などに流れているケースがあるようです。

修正申告で延滞税がかからないケース

修正申告で延滞税が発生しないのは、ごく限られたケースとなります。例えば、修正申告をしても、所得額や税額が変動せず、追加で納付する税額が0円だった場合は、延滞税も発生しません。

また、修正申告によって追加で納める税額がごくわずかだった場合も延滞税がかからないケースの一つです。延滞税の計算をした結果、延滞税の額が1,000円未満となった場合は、納付をする必要はありません。

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まとめ

延滞税は、納税が遅れた場合に課される税金です。延滞税の税率は、毎年変動し、納税が完了する日数に応じて税額が変わってきます。さらに納期限の翌日から2ヶ月以内とそれ以降で税率は大きく変わる点に注意しなければなりません。

延滞税の計算方法をご紹介しましたが、国税庁ではWeb上に延滞税を簡単に計算できるページを用意しています。もし、税金の納付が遅れているようであれば、今回ご紹介した延滞税の計算方法のページを使って税額がどの程度になるのか、計算をしてみるとよいでしょう。

ただし、延滞税が発生する場合、無申告加算税や過少申告加算税も課される可能性が高くなります。税務調査が入る前に自主的に期限後申告や修正申告をすれば、無申告加算税の税率は軽減されます。さらに、過少申告加算税は課税されません。

延滞税が発生するリスクがある場合は、できるだけ早めに修正申告や期限後申告を行うようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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