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確定申告の期間が過ぎたらどうすればいい?対処法やリスクを解説

読了目安時間:約 6分

確定申告は、決められた期間のうちに申告をし、納税を済ませるルールです。しかし、何かと忙しくしていると、うっかり確定申告をしないまま期間が過ぎてしまうケースがあるかもしれません。万が一、確定申告の期間が過ぎたら、どのように対処すればよいのでしょうか。

今回は、確定申告の期間が過ぎたらすべき対処法や確定申告書を提出しないまま放置した場合のリスクなどについて解説します。

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確定申告の期間とは

確定申告の期間といえば、2月中旬から3月中旬をイメージするケースが多いでしょう。しかし、所得税の確定申告の期間と消費税の確定申告の期間は異なる点に注意が必要です。

所得税の確定申告期間

所得税の確定申告の期間は、原則として2月16日から3月15日までです。この期間中に、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得について申告をし、納税を行います。

ただし、開始日や終了日が土・日・祝日に重なることがあれば、開始日、終了日はそれぞれ翌月曜日にずれます。2026年は3月15日が日曜日であったため、確定申告期間は2月16日から3月16日まででした。

所得税の確定申告が必要になるのは、以下のような人です

  • 個人事業主として一定額以上の所得がある人
  • 年収が2,000万円超となる会社員
  • 副業として年間20万円を超える所得を得ている会社員
  • 2箇所以上から給与を受け取っている人
  • 会社で年末調整を受けていない会社員 など

消費税の確定申告期間

個人事業主を対象とした消費税の確定申告期間は、原則として1月1日から3月31日までです。この期間に前年1年間の消費税について申告と納税を済ませる必要があります。消費税の確定申告期間も開始日や終了日が土・日・祝日にあたる場合は、翌月曜日が期限となります。

消費税の確定申告が必要になるのは、消費税の課税事業者です。個人事業主の場合は、インボイス発行事業者として登録をしているケースや基準期間の課税売上高が1,000万円を超えているケースなどが消費税の確定申告の対象者となります。

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確定申告の期間が過ぎたらどうする?

確定申告期間は決められていますが、申告期間が過ぎたからといって納税の義務が免除されるわけではありません。そのため、確定申告の期間が過ぎたことに気が付いたときには、できるだけ早く確定申告を行う必要があります。

期限後申告をする

期間が過ぎてから行う確定申告を「期限後申告」といいます。期限後申告のやり方は、期限内申告のやり方と変わりません。

国税庁のホームページから対象年度分の確定申告書をダウンロードするか、確定申告書作成コーナーなどを利用して申告書を作成します。紙で作成した場合は、税務署の窓口に持参をするか郵送で提出をし、確定申告書作成コーナーを利用した場合は、e-Taxを利用して提出します。提出先も、期限内に確定申告書を提出する場合と同じく、納税地を管轄する税務署となります。

また、期限後申告の際は、申告書を提出するだけでなく、税金を納付することも忘れないようにしましょう。

期限後申告でさかのぼれる期間は5年

期限後申告として、確定申告の期間が過ぎた年分の申告を行えるのは過去5年分です。また、納税のためではなく、還付を受けるために行う確定申告についても、さかのぼれる期間は過去5年分となります。

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確定申告の期間が過ぎたらどんなリスクが生じる?

確定申告の必要がありながら申告をせず、確定申告の期間が過ぎた場合、納税を怠っている状態となります。したがって、確定申告期間内に納税を済ませないときには、次のようなリスクが生じます。

無申告加算税の加算

期間内に確定申告を済ませなかった場合、法律で定められたルールを守っていないこととなります。そのため、ペナルティとして無申告加算税が課されますが、無申告加算税の税率は、納税のタイミングによって変わってきます。

まず、税務調査で無申告状態が発覚した場合に課される税率は納税額が50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%です。

また、税務調査の事前通知を受けてから、調査の実施前までに期限後申告を行った場合、税率は少し軽減されます。この場合の税率は、50万円以下の部分は10%、50万円超300万円以下の部分は15%、300万円超の部分は25%となります。

さらに、税務調査の事前通知を受けたわけではなく、納税者が自主的に期限後申告を行った場合、無申告加算税の税率は税額に関わらず一律5%と、大きく軽減されます。

確定申告期間から長い時間が経過するほど、税務調査の対象となる可能性は高まると考えられます。そのため、無申告加算税の負担リスクを最小限に抑えるためには、確定申告の期間を過ぎたことに気が付いたタイミングで、できるだけ早く期限後申告を行うことが重要です。

延滞税の加算

無申告加算税は、期間内に申告をしなかったことに対して課されるペナルティですが、延滞税は期間内に納税を済ませなかったことに対して課されるペナルティです。

延滞税は、法定納期限の翌日から納付が完了する日までの日数に応じて課されるという特徴があります。

また、法定納期限の翌日から2か月までとそれ以降では税率が大きく異なります。納期限の翌日から2か月を過ぎて以降の税率は跳ね上がり、納税が遅れれば遅れるほど延滞税の負担額は大きくなるのです。この点からも、確定申告の期間を過ぎたことに気が付いた際には、迅速な期限後申告が必要になるといえます。

重加算税が加算される場合も

重加算税とは、うっかり確定申告の期間を過ぎたのではなく、確定申告の必要性を理解していながら意図的に所得を隠すなど、悪質な不正行為が見られた場合に課される加算税です。

重加算税の税率は最も重く、無申告状態において重加算税が課される場合の税率は40%となります。

重加算税が課される際にも当然、延滞税の納付も求められるため、無申告期間が長くなればなるほど、負担すべき税額は大きくなります。

青色申告特別控除の適用額が減額される

確定申告の期間内に申告を済ませないと、加算税のペナルティが課されるだけではありません。

青色申告承認申請書を提出している青色申告者は、青色申告特別控除を受けることができます。青色申告特別控除とは、確定申告の際に所得額から最大65万円を差し引くことができる節税制度です。

控除額は要件によって65万円、55万円、10万円の3つに分けられていますが、65万円と55万円については、期間内に申告していることが一つの要件となります。したがって、確定申告をせずに期間が過ぎたときには、65万円と55万円の青色申告特別控除は適用除外となり、10万円の青色申告特別控除だけが適用されます。

青色申告特別控除の適用金額が小さくなると、その分課税所得が大きくなるため、所得税の納税額は増加します。さらに、課税所得は住民税や社会保険料の算出にも影響を与えるため、税金や社会保険料の負担額が増大することとなります。

赤字でも繰越還付が受けられない

青色申告者が赤字となった場合、前年が黒字であれば、当該年分の損失を前年分にさかのぼって相殺し、前年に納めた所得税の還付を受けられる制度があります。繰越還付の制度では還付金を受け取れるため、赤字の際には、資金繰りの改善に役立てることができます。しかし、期間内に確定申告を行っていない場合、繰越還付を受けることはできません。

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やむを得ない理由で確定申告の期間が過ぎたらすべき対処法

期間内に確定申告をしなければならないことが分かっていても、自然災害などのやむを得ない事情によって申告ができない場合もあるかもしれません。そのような場合は、申請を行うことで期限の延長が認められる場合があります。

地域指定による期限延長

自然災害などによって、都道府県の全域または一部の地域にわたって、期間内に申告や納付ができない人が多数生じたと認められる場合は、地域と期日を指定し、申告と納付の期限が延長されます。この場合、指定の地域の納税者は、手続きをすることなく、申告と納付の期限が延長されます。

対象者指定による期間延長

確定申告の際に使用するe-Taxなどが申告や納付の期限間近に使用できないなどの状況が発生した場合も、申告と納付の期限が延長されます。対象者の範囲や期限については国税庁長官が指定し、指定された範囲に該当する納税者は、申請手続きをすることなく、申告や納付の期限が延長されます。

個別指定による期限延長

地域指定による期限延長などに該当しない場合でも、やむを得ない理由によって期間内に申告や納付ができない納税者は、納税地の所轄税務署に申請をすることで、申告と納付の期限の延長が認められる場合があります。昨今では、納税者や税務代理を行う税理士が新型コロナウイルスに感染し、期限までに申告や納付を行うことが難しい場合などに、個別指定による期間延長が認められています。個別指定による期限延長を申請し、承認された場合に延長される期間は、その理由がやんだ日から2か月以内の範囲です。

期限の延長申請については、e-Taxで申請書の作成と提出ができるほか、国税庁のホームページから申請書をダウンロードし、納税地を所轄する税務署長に提出することもできます。

国税庁:C1-15、H1-22 災害による申告、納付等の期限延長申請

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確定申告の期間までの納税が難しい場合の対処法

確定申告の期間までに申告はできても、納税が間に合わない場合もあるかもしれません。そのような場合は、納税の猶予や換価の猶予などの救済措置を利用できるケースがあります。

納税の猶予と換価の猶予

「納税の猶予」と「換価の猶予」は分納や財産の売却・差し押さえなどが1年間猶予され、猶予期間中の延滞税の全部または一部の免除を受けることができる制度です。

それぞれ猶予を受けるためには、所轄の税務署長に申請書や財産収支状況書の提出が必要になります。

納税の猶予

期間内の納付が難しい場合に申請することで、原則として1年以内の分割納付を認め、延滞税の免除や軽減をする制度です。

納税の猶予が認められるのは、以下の4つの要件すべてに該当する場合です。

  1. 次の(1)から(6)までのいずれかに該当する事実があること。

(1) 財産について、災害を受けたり、盗難にあったこと。

(2) 納税者や家族が病気にかかったり、負傷したこと。

(3) 事業を廃業したり、休業したこと。

(4) 事業について著しい損失を受けたこと。

(5) 上記の(1)から(4)に類する事実があったこと。

(6) 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと。

  1. 猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること。
  2. 申請書が提出されていること(上記1(6)の場合は納期限までの提出)。
  3. 原則として、担保の提供があること。

参照元:国税庁「No.9206 国税を期限内に納付できないとき」

換価の猶予

滞納による換価(差し押さえ財産の売却)を猶予し、延滞税の軽減と分納を認める制度です。納期限を過ぎて、滞納処分のおそれがある場合に利用できる制度となります。

換価の猶予が認められるのは、次の5つの要件にすべて該当する場合です。

  1. 国税を一時に納付することにより、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
  2. 納税について誠実な意思を有すると認められること。
  3. 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
  4. 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。
  5. 原則として、担保の提供があること。

担保の提供について

猶予の申請時には原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供が必要です。しかし、以下のいずれかに該当する場合は担保を提供する必要はありません。

  1. 猶予を受ける金額が100万円以下である場合
  2. 猶予を受ける期間が3か月以内である場合
  3. 担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合
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まとめ

確定申告には期限が決められており、期限内に申告と納税を済ませない場合は、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されます。また、青色申告特別控除の適用額が10万円に限定されたり、赤字の場合の繰越還付が利用できないといったリスクも生じます。

確定申告の必要がある場合には、期間内に正しく申告をすることが大切ですが、うっかりしていたために期間が過ぎたら、できるだけ早く期限後申告を行うとペナルティが軽減されます。期限後申告のやり方が分からない場合などは、ペナルティを軽減するためにも税理士に相談するなどして、税務調査で指摘を受ける前に適切に対処することが大切です。

 


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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