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更正の請求書はどうやって書く?払いすぎた税金を取り戻す「更正の請求」の進め方

読了目安時間:約 6分

確定申告書を提出した後で、「医療費控除の領収書を入れ忘れた」「ふるさと納税の寄附金控除が反映されていない」「経費を計上漏れしていた」と気づくことは少なくありません。そんなときに、国に対して「税金を納めすぎてしまったので、正しい金額に直して返してください」と申し出るための公式な手続きが「更正の請求」という仕組みです。

ただし、手続きをするための書類に不備があったり、証明するレシートが足りなかったりすると、せっかくの申請が認められないこともあります。今回は、初めての方でも迷わずスムーズに進められるよう、手続きの基本ルールや書類の書き方、提出の流れを分かりやすく丁寧に紐解いていきます。

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「更正の請求」の基本ルール

会議費と交際費の違いは税務調査や確定申告でも確認されやすい

確定申告が終わった後に内容を訂正する手続きには、実は2つの種類があります。自分がどちらの書類を使うべきなのか、まずはその違いから整理していきましょう。

「税金が戻ってくる」のが更正の請求

訂正の手続きは、「税金を減らす(返してもらう)手続き」と「税金を増やす(追加で払う)手続き」で、使う書類も名前も異なります。

税金を多く払いすぎていて返してほしいときに使うのが、今回ご紹介する「更正の請求」です。逆に、収入を少なく見積もってしまっていて「もっと税金を納めなければならなかった」というときに、追加で支払うために行うのが「修正申告」です。

それぞれの特徴を一覧表にまとめました。

手続き 税金はどうなるか 期限 主なケース
更正の請求 税金が減る(戻ってくる) 本来の締め切りから5年以内 控除の入れ忘れ、経費の計上漏れなど
修正申告 税金が増える(追加で払う) 時効まで(原則5年) 収入の報告漏れ、経費の引きすぎなど
期限後申告 申告していなかった税金を払う 通常5年(悪質な場合は7年) 締め切りまでに申告していなかったとき

このように、手続きの方向性がまったく逆になります。もし間違えて逆の書類を用意してしまうと、せっかく苦労して作った書類をすべて作り直すことになってしまいます。まずは自分のケースが「更正の請求」であることを確認してから、準備を始めましょう。

参考:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁
関連記事:修正申告とは?税務調査で申告の誤りを指摘されたときの修正申告方法もご紹介

どんなときに使える?よくある「うっかりケース」

更正の請求は、申告内容にミスがあったせいで、本来よりも税金を多く計算してしまっていた場合に利用できます。日常のなかでよくある、具体的なシチュエーションをいくつか見てみましょう。

特に多いのが、体調を崩して病院にかかった年の「医療費控除」の領収書を、うっかり自宅の引き出しに眠らせたまま申告を終わらせてしまったケースです。他にも、複数の自治体を応援した「ふるさと納税(寄附金控除)」のデータを一部反映し忘れていた場合や、マイホームを購入した初年度に「住宅ローン控除」の申請自体を忘れてしまっていたというケースも、この手続きでしっかりと税金を取り戻せます。

また、プライベートだけでなく仕事に関わる部分でも使えます。例えば、結婚して養う家族が増えたのに「扶養控除」に含めるのを忘れて計算していた場合や、フリーランスや個人事業主の方が、事業で使ったパソコンの購入費やカフェでの打ち合わせ代などの「経費」を一部計上し忘れて申告してしまった、というケースも対象になります。

参考:国税通則法第23条|e-Gov法令検索

タイムリミットは5年!いつまで遡れる?

払いすぎた税金を返してもらえる権利には、5年という有効期限があります。この期限を1日でも過ぎてしまうと、どれだけ確実な証拠があっても税金を取り戻すことができなくなってしまうため、古い年度のミスを見つけたときは早めの対応が必要です。

具体的にいつまで間に合うのか、近年のスケジュールを例にして表にまとめました。

対象となる年 本来の確定申告の締め切り 更正の請求ができる期限
令和3年分(2021年) 令和4年3月15日 令和9年3月15日まで
令和4年分(2022年) 令和5年3月15日 令和10年3月15日まで
令和5年分(2023年) 令和6年3月15日 令和11年3月15日まで
令和6年分(2024年) 令和7年3月17日 令和12年3月17日まで

例えば、過去の書類を見返していて「令和3年分の申告で大きな経費を忘れていた」と気づいた場合、令和9年の3月15日までであれば、まだ手続きが間に合います。「もう何年も前のことだから」と諦めずに、まずはカレンダーや過去の控えを確認してみましょう。

参考:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

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どうやって書く?必要な書類と準備のポイント

セクキャバで働く人が確定申告をする際のポイント

更正の請求を進めるためには、専用の用紙と、「本当にそのミスがあったこと」を証明するための客観的な資料が必要になります。

  • 書類の準備とおすすめの作成方法
  • 記入する5つの主要項目
  • 添付する根拠資料

書類の準備とおすすめの作成方法

更正の請求書は、税金の種類(所得税、法人税、消費税など)ごとに用紙が分かれています。一般的な会社員やフリーランスの方の所得税であれば、「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」という専用の書類を使います。

この用紙は、税務署の窓口でもらえるほか、国税庁のホームページからPDF形式でダウンロードすることもできます。

ただ、一番おすすめなのは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使ってネット上で作成する方法です。画面の指示に従って数字を入力していくだけで、過去に提出した申告書のデータを引き継ぎながら、自動で正しい差額を計算してくれます。手書きに比べて計算ミスや記入漏れが圧倒的に少なくなるため、スマホやパソコンをお持ちの方はネットでの作成にチャレンジしてみるのがスムーズです。

参考:所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続|国税庁

書類に記入する5つの主要項目

更正の請求書の本体には、5つの主要項目を記入します。提出年月日と請求理由は特に重要で、税務署の審査担当者が請求の妥当性を判断する材料になります。

項目 記入内容
①基本情報 住所・氏名・個人番号・提出年月日
②対象の申告書 対象年分・申告書を提出した日
③請求の理由 誤りの内容・気づいた経緯
④更正前後の数字 所得金額・控除額・税額の前後比較
⑤還付振込口座 本人名義の銀行口座(支店名・口座番号)

ミスを証明する「根拠資料」

更正の請求書には、誤りを訂正する根拠となる客観的な資料を添付します。資料がないと請求が認められないため、対象の控除・経費に応じた書類を揃えるのが基本です。

  • 医療費控除:医療費の領収書、医療費控除の明細書
  • 寄附金控除:寄附金受領証明書、ワンストップ特例の申請有無
  • 住宅ローン控除:住宅借入金等特別控除額の計算明細書、登記事項証明書、借入金の年末残高証明書
  • 扶養控除:扶養親族の所得証明書、関係を示す住民票
  • 事業所得の経費:領収書、請求書、契約書
  • 譲渡所得の取得費:購入時の契約書、領収書

これらの資料はコピーでも受け付けてもらえることが多いですが、後から税務署から「本物を見せてください」と連絡が来ることもあります。そのため、提出する前に手元に必ずコピーを1部残しておき、いつでも確認できるようにファイルにまとめておく運用が安心です。

参考:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁
関連記事:税務調査での更正の請求とは?必要な書類や修正申告との違いについても解説

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提出する方法は3つ


書類と証拠が揃ったら、あなたのお住まいの地域を担当している税務署へ提出します。提出ルートは「ネット」「郵送」「窓口」の3つから、やりやすい方法を選んでください。

  • e-Taxによる電子提出
  • 郵送による提出
  • 税務署窓口での提出

e-Taxによる電子提出

マイナンバーカードとスマートフォン(またはカードリーダー)があれば対応可能で、入力から送信まで30分から1時間ほどで完了することも多いです。一緒に提出する領収書などの証拠書類も、スマホのカメラで撮影してPDFや画像データとして一緒にアップロードすれば良いので、わざわざ紙を印刷したり郵送したりする手間がかかりません。

参考:e-Tax|国税庁

郵送による提出

ネットでの操作が少し苦手という方は、紙に印刷した請求書と、集めた証拠書類のコピーを封筒にまとめて、税務署へ郵送する方法がおすすめです。
送る先は、その年の1月1日時点で住んでいた場所を管轄する税務署になります。大切な書類ですので、普通郵便ではなく、郵便局の窓口から「簡易書留」や「特定記録郵便」など、配達の記録が残る方法で送るのがマナーであり安全です。ポストに投函した日、または郵便局で受付をした日の消印が「提出した日」として扱われるため、期限ギリギリのときは消印の日付に気をつけましょう。
参考:申告書の提出|国税庁

税務署窓口での提出

記入に不安がある場合は、所轄税務署の窓口で直接提出できます。税務署の受付時間内という制限はありますが、税務署の職員の方にその場で簡単な確認をしてもらうことができます。初めての更正の請求でどうしても1人で進めるのが怖いという方にとっては、とても心強い選択肢になるはずです。

ただし、確定申告の真っ最中である2月中旬から3月中旬の時期は税務署が混雑するため、もし行くのであれば、その前後の比較的落ち着いている時期の午前中を狙うのがスムーズです。無事に受け付けられると、その場で受領印が押された「控え」をもらうことができます。

参考:税の相談|国税庁

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提出後の流れ

更正の請求書を提出してから、還付金が振り込まれるまでの流れを3つの段階で確認します。

  • 税務署による審査
  • 還付加算金の上乗せ
  • 認められなかった場合の対応

税務署による審査|通常1〜3か月

更正の請求書が提出されると、税務署が請求内容と添付資料を審査します。書類に不備がなく、根拠が明確なら認められて還付決定となる流れで、審査期間は通常1〜3か月です。

もし提出した書類に不備があった場合は、税務署から「ここについて詳しく教えてください」「追加の書類を郵送してください」といった電話や手紙が来ることがあります。

審査が無事に完了すると、自宅に決定の通知書が届き、そのあと1〜2週間ほどで指定した口座にお金が振り込まれます。

利息のような「還付加算金」がプラスされることも

更正の請求が認められてお金が戻ってくる際、ただ税金が返ってくるだけでなく、「還付加算金」が上乗せされることがあります。これは、「国が本来よりも多く税金を預かっていた期間」に対して支払われる、いわば利息のようなものです。

その時々の世の中の金利(令和7年〜8年現在では年1%~2%前後が目安)に合わせて日割りで計算され、過去に遡って請求した期間が長ければ長いほど、この上乗せされる金額も少しずつ大きくなります。

手元に届く通知書には本来返ってくる税金の額とは別に、この加算金の額がいくらになったのかが明記されています。なお、この還付加算金は雑所得になるため、金額によっては翌年の確定申告の際に報告が必要になるケースがあることだけ、知識として覚えておくと良いでしょう。

参考:国税通則法|e-Gov法令検索

認められなかった場合の対応

更正の請求が一部または全部認められなかった場合は、更正をすべき理由がない旨の通知が届きます。納得できない場合は、再調査の請求や国税不服審判所への審査請求といった不服申立ての手段を使って、もう一度判断を仰ぐことができます。通知を受け取ってから3か月以内に、税務署長に対してもう一度調べてほしいと伝える手続きや、さらに専門の機関である「国税不服審判所」に審査をお願いするルートがあります。

この段階になると、法律の専門的な知識が必要になってくるため、もし納得がいかない結果になってしまった場合は、1人で悩まずに税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

参考:国税不服審判所
関連記事:修正申告の延滞税がかからないケースとは?確定申告を修正する方法やペナルティを解説

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まとめ

税務調査 売上

確定申告のあとに見つかったうっかりミスや忘れていた控除は、「更正の請求」という正しい手続きを踏めば、5年前の分までしっかりと国から返してもらうことができます。

「手続きが難しそう」「税務署に書類を出すのがなんとなく怖い」と感じてしまうかもしれませんが、ネットの作成画面を使ったり、必要な領収書をしっかりと揃えたりすれば、決して超えられない壁ではありません。毎月の生活やこれからの事業のために、心当たりがある方はリミットが切れてしまう前に、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

税理士法人松本では、確定申告の実務支援から税務調査対応まで、個人事業主・法人のお客様をサポートしています。申告の進め方だけでなく、将来のリスクを減らす帳簿づくりや、税務署とのやり取りの考え方までご案内可能です。「申告が不安」「過去の処理が正しかったか心配」という段階でもお声掛けください。

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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