• 税務調査

追徴課税とは?種類と計算方法・払えない場合の対処を税理士が解説

追徴課税とは?種類と計算方法・払えない場合の対処を税理士が解説のアイキャッチ画像

読了目安時間:約 7分

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ
Youtubeでも様々な内容を解説しています!Youtube

導入文

「追徴課税とは何を支払うものなのか」「不足していた税金以外に、いくら上乗せされるのか」と不安を感じていませんか。税務署から連絡を受けたものの、最終的な負担額が見えず、今後の対応に迷う方も少なくありません。

追徴課税は独立した税目ではなく、申告漏れや計算ミス、期限後申告などによって後から納める税金の総称です。通常は、不足していた本税・加算税・延滞税の合計を指します。

ただし、申告の誤りに気づいた時点や税務調査の進行状況により、加算税が課されるかどうかや適用税率は変わります。誤りに気づいた後、できるだけ早く適切に対応することが重要です。

この記事では、追徴課税の種類と計算方法を具体例とともに整理し、負担を抑えるための対応や、すぐに支払えない場合の対処法まで税理士の視点で解説します。実際の取扱いは申告状況などによって異なるため、判断に迷う場合は税理士へ相談しましょう。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

追徴課税とは?追加で納める税金の内訳

追徴課税とは、申告漏れや計算ミスなどが判明した際に、後から追加で納める税金の総称です。法律上「追徴課税」という一つの税目があるわけではありません。

税務調査で指摘された場合だけでなく、自主的に修正申告や期限後申告をした場合にも追加納税は生じます。所得税・法人税・消費税・相続税など、幅広い税目が対象になり得ます。

追徴額の基本的な内訳は「不足していた本税+加算税+延滞税」です。

内訳 内容
本税 本来納めるべき税金の不足分
加算税 申告漏れや無申告への行政上のペナルティー
延滞税 納付の遅れに対する利息相当の税金

延滞税は原則として不足していた本税に対してかかり、加算税にはかかりません。そのため、追徴額を見積もるには、本税だけでなく申告状況や納付までの期間も確認する必要があります。

追徴課税と罰金・刑事罰は異なる

通常の申告漏れや計算ミスに伴う加算税は、刑事罰としての罰金ではありません。ただし、事実の隠蔽や仮装を伴う悪質な脱税では、重加算税に加えて刑事告発や罰金などにつながる可能性があります。

どの税金が加算されるかは個別事情によって異なります。不安がある場合は、申告書や帳簿を整理したうえで税理士に確認することが大切です。

追徴課税を構成する本税・加算税・延滞税の関係図
電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

追徴課税が発生する主なケース

追徴課税とは、申告漏れや計算誤り、期限後申告などにより、本来の税額との差額を後から納めることです。主に次のケースで発生します。

申告した税額が本来より少なかった

売上・所得の計上漏れ、経費の二重計上、私的支出の経費算入などが代表例です。所得控除・税額控除の適用ミスのほか、消費税や相続税の計算誤りでも不足税額が生じます。

期限までに申告しなかった

確定申告を忘れた場合や、副業、不動産、暗号資産による所得を申告していなかった場合です。法人の決算申告が期限に間に合わなかったケースや、相続税の申告が必要だと知らなかったケースも含まれます。

源泉所得税を期限までに納付しなかった

給与や税理士報酬などから源泉徴収した税金を納付していなかったケースです。給与などから預かった源泉所得税は、原則として所定の期限までに納付する必要があります。

隠蔽・仮装があると判断された

売上除外、架空経費の計上、二重帳簿、帳簿の改ざん、虚偽資料の作成などが該当し得ます。単純なミスと意図的な隠蔽・仮装では、適用される加算税が大きく異なります。

当事務所に寄せられるご相談の傾向として、税務署から届いたお尋ね・お知らせを放置し、事態が動いてから相談される方が少なくありません。書面の段階で対応したほうが取れる選択肢は多いため、判断に迷う場合は早めに税理士へ相談しましょう。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

追徴課税で課される加算税の種類と税率

追徴課税とは、不足していた本税に加算税や延滞税を加えた追加負担の総称です。加算税の種類は、期限内申告の有無や隠蔽・仮装の事実などによって異なります。

加算税 主な対象 2026年時点の原則税率
過少申告加算税 期限内申告の税額不足 10%・15%
無申告加算税 期限までに無申告 15%・20%・30%
不納付加算税 源泉所得税の納付遅れ 10%
重加算税 隠蔽・仮装がある 35%・40%

過少申告加算税|期限内申告の税額が少なかった場合

期限内に申告したものの、本来の税額より少なかった場合に課されます。原則、追加本税のうち「当初申告税額または50万円のいずれか多い額」までが10%、それを超える部分が15%です。

税務調査の事前通知前に自主的に修正申告すれば原則として課されず、通知後でも更正を予知する前なら原則5%・10%に軽減されます。

無申告加算税|申告期限までに申告しなかった場合

2024年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税では、追加本税50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下は20%、300万円超は30%です。調査通知前に自主的な期限後申告をすれば、原則5%に軽減されます。

一定期間内に無申告を繰り返した場合などは、税率が加重される可能性があります。

不納付加算税|源泉所得税を納付しなかった場合

給与などから預かった源泉所得税を期限内に納めなかった場合などに課され、原則税率は10%です。税務署から納税告知を受ける前に自主納付すれば原則5%となり、一定の要件を満たす場合は課されないこともあります。

重加算税|隠蔽・仮装があった場合

重加算税は、売上除外や架空経費、帳簿改ざんなどの隠蔽・仮装があった場合に、通常の加算税に代えて課される重いペナルティーです。原則税率は、過少申告・源泉所得税の不納付が35%、無申告が40%です。

過去の無申告加算税・重加算税の賦課状況などにより、さらに10ポイント加重される場合があります。税額が高いだけで自動的に重加算税になるわけではなく、隠蔽・仮装の事実が重要な判断要素です。適用税率は申告時期や通知の有無などで変わるため、税理士へ確認することをおすすめします。

過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税の比較表
電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

追徴課税はいくら?計算手順と具体例【読む価値:早見表・計算例】

追徴課税とは、通常、不足していた本税・加算税・延滞税の合計を指します。金額は次の手順で計算します。

  1. 本来納めるべき税額を計算する
  2. 申告・納付済みの税額を差し引き、不足本税を出す
  3. 該当する加算税の種類と税率を確認する
  4. 納付が遅れた日数に応じた延滞税を加える

過少申告加算税の計算例

期限内申告後に追加本税100万円が判明し、当初申告税額が50万円未満だったケースでは、50万円までが「50万円×10%=5万円」、超過部分が「50万円×15%=7万5,000円」です。したがって、過少申告加算税は合計12万5,000円となります。

ただし、実際の計算は当初申告税額や修正申告の時期によって変わります。

延滞税の基本的な計算方法

延滞税=不足本税×延滞税率×経過日数÷365が基本式です。2026年1月1日から12月31日までの原則税率は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月経過後が年9.1%です。

2か月をまたぐ場合は期間を分けて計算します。税率は毎年変わる可能性があるため、納付時点の国税庁情報をご確認ください。

状況別の追徴額早見表

申告状況 加算税 税率(原則/自主対応) 別途発生
期限内申告後、自ら修正 過少申告加算税 10%・15%/通知前0% 不足本税・延滞税
事前通知後に修正 過少申告加算税 10%・15%/5%・10% 不足本税・延滞税
申告期限後に自主申告 無申告加算税 15%・20%・30%/5% 不足本税・延滞税
無申告を調査で指摘 無申告加算税 15%・20%・30%/なし 不足本税・延滞税
隠蔽・仮装あり 重加算税 35%または40%/なし 不足本税・延滞税

表は2026年時点の原則で、無申告加算税の段階税率は2024年1月1日以後に申告期限が到来する国税が対象です。重加算税は一定の場合に10ポイント加重されることもあります。

端数処理や延滞税がかからない期間などが関係する場合があるため、掲載額は概算です。正確な追徴額は税理士へ確認することをおすすめします。

追徴課税の計算手順と加算税別の概算を示す図表
電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

追徴課税を受けたときの流れと負担を抑える方法

追徴課税とは、不足していた本税に加算税や延滞税を加えて納めるものです。負担を抑えるには、誤りに気づいた段階で速やかに対応することが重要です。

自分で申告漏れや計算ミスに気づいた場合

  1. 帳簿、申告書、領収書などの証拠資料を確認する
  2. 不足税額を計算する
  3. 修正申告または期限後申告を行う
  4. 本税と延滞税などを納付する

税務調査の事前通知前に自主的に対応すれば、加算税が免除・軽減される可能性があります。納付が早いほど、法定納期限の翌日から計算される延滞税の日数も短くなります。税額や手続きの判断が難しい場合は、税理士または税務署へ相談してください。

税務調査の連絡を受けた場合

慌てて帳簿を書き換えたり、資料を破棄したりしてはいけません。調査対象の税目・期間・必要資料を確認し、指摘に疑問があれば、契約書や請求書などの根拠資料を整理して説明します。

調査通知後の修正申告でも、その時期によって加算税率が変わる可能性があります。高額な追徴や重加算税が想定される場合は、早めに税理士へ相談することが大切です。

加算税が課されないことがあるケース

  • 事前通知前に自主的な修正申告を行い、過少申告加算税の免除要件を満たす場合
  • 申告・納付の遅れに正当な理由がある場合
  • 不納付加算税の一定の免除要件を満たす場合

ただし、単に「知らなかった」「忙しかった」という事情だけでは、正当な理由として認められにくいため注意が必要です。適用要件は申告時期や通知の有無などで異なるため、最終的な判断は税理士または税務署へ確認しましょう。

申告の誤りを発見してから修正申告と納付を行うまでの時系列図
電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

追徴課税を払えない場合の対処法

追徴課税とは、不足していた本税に加算税や延滞税を加えた負担を指します。一括で払えないと分かった時点で、放置せず、所轄税務署の徴収担当へ早めに相談することが重要です。

収支や資産状況を示して納付方法を協議する

自己判断で少額ずつ支払うのではなく、収入・資産・支出・事業状況を説明し、納付方法を協議します。相談時には、次の資料を準備すると状況を伝えやすくなります。

  • 預金残高が分かる資料
  • 月々の収支表
  • 売掛金・借入金の状況が分かる資料
  • 病気・災害・事業不振などを証明する資料

猶予制度を検討する

一括納付によって生活維持や事業継続が困難になる場合、一定の要件を満たせば換価の猶予を申請できる可能性があります。認められると財産の換価が猶予され、分割納付となる場合がありますが、原則として申請期限があるため早めの確認が必要です。

災害・盗難、本人や家族の病気や負傷、事業の休止・廃止、著しい事業損失がある場合は、納税の猶予も検討できます。適用要件や担保の有無は個別事情で異なるため、国税庁の猶予制度を確認し、税務署や税理士へ相談してください。

滞納を続けるリスク

納付せずにいると督促状が送付され、延滞税が増えるほか、預金・給与・売掛金・不動産などが差し押さえられる可能性があります。資金繰りや事業運営にも影響するため、早期対応が欠かせません。

なお、猶予制度は税金そのものを免除する制度ではありません。猶予中も原則として分割納付が必要であり、最終的な対応は個別事情を整理したうえで税理士に確認しましょう。

追徴課税を一括納付できない場合の相談先と猶予制度の分岐図
電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

よくある質問

Q. 追徴課税は何年前までさかのぼりますか?

追徴課税とは何年前までさかのぼるのかは一律ではなく、一般的な申告漏れと、無申告や偽りその他不正の行為がある場合とで期間が異なります。税目や申告状況によっても扱いが変わるため、税理士への個別確認が必要です。

Q. 自分から修正申告しても延滞税はかかりますか?

自主的な修正申告により加算税が課されない場合でも、延滞税は原則として発生します。延滞税は法定納期限の翌日から完納日までの日数に応じて計算されるため、早く申告・納付するほど負担を抑えやすくなります。

Q. 追徴課税は経費として計上できますか?

法人税・所得税・加算税・延滞税などには、原則として損金や必要経費へ算入できないものがあります。一方、消費税など本税の種類や会計処理によって扱いが異なるため、自己判断せず税理士へ確認しましょう。

Q. 税務調査の連絡後でも自主的に修正申告する意味はありますか?

事前通知を受けた後でも、修正申告の時期によっては加算税率が軽減される可能性があります。ただし、「更正を予知した後」に該当するかどうかは個別判断となるため、申告前に税理士へ相談することが大切です。

Q. 追徴課税は分割払いできますか?

分割払いが自動的に認められるわけではありません。一括納付が難しい場合は放置せず税務署へ相談し、換価の猶予や納税の猶予を利用できるか確認してください。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

まとめ

追徴課税とは、申告漏れや計算ミス、期限後申告などによって後から納める税金の総称です。通常は「不足していた本税・加算税・延滞税」の合計を指し、当初の不足税額だけでなく、申告や納付の状況に応じた負担が加わります。

加算税には、過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税があります。どの加算税が適用されるか、税率がどの程度になるかは、申告状況、税務調査の事前通知の有無、対応した時期などによって異なります。

誤りや無申告に気づいたときは、税務調査の事前通知を待たず、修正申告または期限後申告と納付を進めることが重要です。早めに対応すれば、加算税が免除・軽減される可能性があり、延滞税の負担が増える期間も短くできます。

一括納付が難しい場合も放置せず、所轄税務署へ相談し、換価の猶予や納税の猶予を利用できるか確認しましょう。一定の要件を満たせば、分割納付や差押えの猶予などが認められる場合があります。

税務調査への対応は、初動によって結果が変わる可能性があります。税額が大きい場合、重加算税を指摘された場合、税務署の判断に疑問がある場合は、早い段階で税務調査に強い税理士へ相談することをご検討ください。

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上

  • 現在、税務調査が入っているので困っている
  • 過去分からサポートしてくれる税理士に依頼したい
  • 税務調査に強い税理士に変更したい
  • 自分では対応できないので、税理士に依頼したい
といったお悩みを抱えている方は、まずは初回電話無料相談をご利用ください。
税務調査の専門家が対応させていただきます。

税理士法人松本の強み

  • 税務署目線、税理士目線、お客様目線の三方良しの考え方でアドバイス
  • 過去の無申告分から現在まですべて対応可能
  • 査察案件から税務署案件までの経験と実績が豊富にあります
  • 顧問税理士がさじを投げた案件も途中から対応できます

30秒で完了かんたん税務調査リスク診断

あわせて読みたい記事

税務調査ブログをもっと見る

税務調査は対応次第で結果が大きく変わります!

税務調査お悩み解決しませんか?
いますぐ電話1本で相談できます!

専門家があなたの税務調査に関する不安を一つ一つ丁寧に解決。
初回有料相談は返金保証付きで、どんな小さなご相談も全国から承ります。

税理士法人松本代表税理士 松本 崇宏

30秒で完了かんたん税務調査リスク診断