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税務調査で申告の誤りを指摘された場合、修正申告の必要が出てくることでしょう。修正申告の経験がないと、どのように手続きすればよいのか分からない点も多いのではないでしょうか。 ここでは、修正申告とは何か、その概要に加え、申告後に誤りを指摘された場合の税金やその対応方法について解説しています。税務調査による修正申告についての基礎知識としてお役立てください。 もっと詳しく知りたいという方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。
目次
修正申告とは、確定申告書を提出した後で、税額を少なく申告していたことに気付いたときは、修正申告をして正しい税額に修正する手続きのことです。税務調査で指摘を受けて修正申告するケースもありますが、税務調査によらず、納税者が自主的に修正箇所を発見し、修正申告をする場合も少なくありません。 自主的に修正申告を行う場合、納税額が少なくなる、もしくは還付が発生するケース(※還付の場合は更正の請求と言います。)もありますが、税務調査で指摘を受けて修正申告となる場合は、追加で納税する税金が発生することとなるでしょう。 また、税務調査の事前通知(税務調査で訪問する旨の連絡を事前に受けること)により、調査が入る前のタイミングで修正申告を行うパターンもあります。
税務調査で修正申告となる際は、どのような流れで進むのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
税務調査で修正申告となる流れを見る前に、一般的な税務調査の流れについても確認しておきましょう。
ほとんどの税務調査では、税務署から調査で訪問する旨の連絡を事前に受けてから実施されます。この連絡は税務調査の「事前通知」と呼ばれ、調査日時や期間などについて口頭で説明を受けるものです。 事前通知がいつ頃来るのかについては、税務署で明確な案内が出ていないためケースバイケースとはなりますが、目安としては以下のようになることが多いようです。 事前通知:調査日の2週間前頃 調査時期:税務署の繁忙期、人事異動時期などを避けた夏から秋頃 調査期間:2~3日程度
調査時間は午前10時前後から午後4~5時頃までとなり、お昼には1時間程度休憩時間を挟むのが一般的です。 また、出張や繁忙期などにより税務調査当日に時間が取れない場合は、事前通知の際に日程調整を申し出ることが可能です。 会社の場合も個人事業主の場合も、税務調査となった場合に生じるリスクは同じです。正しい申告ができているか、修正が必要な点や、納税に関する思い違いがないかなどを調査し、間違いがあれば指摘して修正を促すのが税務調査の目的となります。
税務調査では、以下の書類を準備しておきましょう。 ・過去7年分の申告書及び帳簿類 ・会計ソフトのデータ ・請求書、領収書 ・雇用関連書類 ・預金通帳 ・登記簿謄本及び定款
帳簿類は決算書類から売上・仕入などの各種台帳に加え、契約書や在庫確認表など、営業に関わる書類は全て提出できるように準備しておきます。 基本的には過去3年分の調査を受けることとなりますが、場合によってはそれ以上遡って指摘を受けるケースもあるため、パソコンのデータを含む7年分はいつでも閲覧できる状態にしておきましょう。 事前通知を受けてから行う任意調査では、テレビなどで見かける物々しい雰囲気ではなく、穏やかに調査が進んでいくことが多いものです。 履歴やデータの閲覧についても勝手に行われることはなく、事前に同意を得てから確認作業が進んでいくでしょう。
税務調査では、全ての結果で必ず修正申告となるわけではありません。税務調査が進んだ際の結果として、以下の3つに大きく分けることができます。
税務調査で誤りの指摘を受けるなどして、納税者自らが申告の修正を行うケースです。
税務署の調査官から受けた指摘に納得せず、修正申告をしなかった場合に税務署が誤りを正すケースです。
申告内容について特に誤りがなかった、というケースです。
ただし、税務調査の結果が申告是認となるケースはごく稀です。ほとんどの場合、何らかの指摘を受けて修正申告を求められると理解しておいた方がよいでしょう。
税務調査で指摘された誤りについて、多くの場合は納税者が認めるかたちとなり、自主的に修正申告を行って税務調査は終了となります。 しかし、なかにはどうしても納得のいかない指摘を受ける可能性もあるでしょう。そうした場合には無理に納得せず、修正申告を行わないことも可能です。その場合、税務署が指摘した税額を確定する「更正処分」へと進みます。 修正申告と更正処分では、納税者が自主的に修正するか、税務署が修正を確定してしまうのかという点が異なるだけで、税額の結果としては同じとなります。 ただ、更正処分で確定した税額を不服として、裁判所へ異議申し立てを行うことができるため、納得がいかない場合は更正処分になるまで修正申告をしないという選択もできるのです。 異議申し立てや審査請求などをしても最終的に異議が認められなかった場合には、延滞税や重加算税などの追徴課税を支払わなければならない点も理解しておきましょう。
修正申告でペナルティとして支払う追徴課税には、以下のような種類があります。 延滞税:期日までに納付していない場合に課税(7.3~14.6%) 過少申告加算税:過少申告を行い、その後修正申告や更正があった場合に課税(10~15%) 無申告加算税:期日までに申告をしておらず、納税があった場合に課税(15~20%) 不納付加算税:源泉徴収した所得税を期日までに納税しなかった場合に課税(10%) 重加算税:仮装隠ぺいや偽装などがあった場合に課税(35~40%)
重加算税は、過少申告加算税または不納付加算税に代えて支払う場合には35%、無申告加算税に代えて支払う場合には40%となります。
もし税務調査の事前通知を受けた場合、調査日までに税理士へ相談することをおすすめします。指摘されそうな部分に対しての受け答えや対策など、準備を整えられるだけでなく、修正申告に応じるべきか、異議を申し立てるべきかといった判断基準についてもアドバイスを得ることが可能です。 調査官も、税務のプロと話をすることで早期に解決できるため、税務調査をスムーズに進められることでしょう。
修正申告とは、既に申告が終わった内容について税額を少なく申告していたことに気づいたときに修正を行う手続きのことです。 基本的には、納税者が自主的に税務署へ申し出て行うものとなりますが、税務調査の指摘に納得がいかない場合は、指摘に従わずに更正処分とし、後日異議申し立てをするといったケースもゼロではありません。 税務調査には、万全の対策で挑みたいもの。不安な場合は税理士のサポートを受けて、税務調査や修正申告に臨むようにしましょう。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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