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高級車を社用車として使っていると、税務調査で指摘される?

税務調査では、高級車の経費処理を巡ってトラブルが生じるケースがあります。高級車を社用車として使う場合、何が問題になるのでしょうか。
今回は、高級車の経費の取り扱いを巡り、税務調査で指摘されやすい事項についてご説明します。
すでに税務調査が入り対応に困っている方は税理士法人松本までお気軽にご連絡ください。
目次
高級車を社用車にするメリット
社用車として利用されることが多い車には、レクサスやベンツ、BMWなどの高級車があります。社用車として扱えば、法人名義で車を契約することができます。法人名義で車を購入する場合は、減価償却費として6年にわたり経費に計上でき、車検の費用やガソリン費用、駐車場代などの維持費用も経費に計上することができるため、節税対策になります。また、高級車を使用していれば、取引先に対しても企業の経営状況が良好であることをアピールできるといったメリットがあります。
このような理由から、高級車を社用車に利用している企業は少なくありません。しかし、会社組織で利用する車である社用車であるにもかかわらず、税務調査では高級車が社用車として認められないケースがありました。
税務調査で高級車の経費計上を認めた事例
かつては、社用車として用いられる高級車の中でも、ランボルギーニやフェラーリ、ポルシェなどのスポーツカーは経営者の趣味で選ばれている可能性が高く、社用車としてはふさわしくないという考えがありました。そのため、高級車の取得価格や維持費用を経費に計上した場合に、税務調査で否認されるという事例が少なくありませんでした。しかし、1995年10月に税務署が税務調査で否認したイタリアの高級車フェラーリを国税不服審判所が社用車として認める事例が発生しています。
税務署が高級車を税務調査で社用車として否認した理由
税務調査では次のような理由から、フェラーリの社用車としての経費計上を認めないと税務署側は主張していました。
・高級外車のスポーツカーは事業内容や社会常識から考えて個人の趣味の範囲内であると考えられる。
・同族会社であることから多くの権限が代表者に集中しており、個人の趣味に基づき取得した車は事業用資産ではなく個人資産であると考えられる。
以上の理由から、税務署は社用車としての経費の計上を否認し、会社と代表者に対して課税処分を行いました。代表者は、この税務署の主張を不服とし、国税不服審判所に審査請求を行いました。
審判所は高級車を社用車として認めると判断
審判所では、走行距離の状況からフェラーリは代表者の通勤や支店巡回時の交通手段として使用されていることが認められ、旅費や通勤手当なども支給されていないことから事業用に使用していると考えられるとしました。また、代表者は個人として別の高級車も複数台所有しており、それらの費用は経費には反映されていないことも確認されていたため、税務署の判断を覆し、フェラーリを社用車として認めるという判断が下されました。
この判断以降、仕事に使用していることが証明されれば税務調査時に高級車の取得費用や維持費用が経費として認められないというケースは減ってきています。
税務調査で高級車の私的利用が疑われるケースは
上に紹介した事例は、代表者が個人として使用する車も所有しており、フェラーリは仕事のためだけに利用していたことが証明できたために、高級車であっても社用車として認められた事例です。しかしながら、全てのケースにおいて高級車が社用車として認められるわけではありません。次のようなケースは、税務調査時に社用車としての損金算入が認められない可能性があります。
代表者が個人では車を所持しておらず、走行距離が長い場合
代表者が社用車として高級車を使用している場合、仕事だけに使用していれば問題はありません。しかし、個人では車を所有しておらず、業務内容や出張の履歴などと走行距離を鑑みた場合、走行距離が長すぎる場合には、私的に利用しているとみなされる可能性があります。
買い替えのサイクルが早い
社用車であれば、頻繁に買い替える必要はないはずです。しかし、高級車を頻繁に買い替えている場合も、個人的趣味のために利用しているのではとみなされる可能性があります。
社用車として購入しても、使用実績がない
法人名義で高級車を購入し、社用車として経費に計上していても、ほとんど使用している実績がない場合は、業務上不必要な車であると判断され、社用車として認められない場合があります。
高級車をプライベートで利用していたことが税務調査時でバレたらどうなる?
社用車として経費計上している車を実際には代表者がプライベートで利用しているのではと、税務調査で指摘されることもあります。そのような場合は、車の取得費用はもちろん維持費用も経費として取り扱うことはできず、代表者には所得税が課せられることになります。また、会社に対しても法人税の追徴課税が行われます。
税務調査時の社用車の取り扱いに不安がある場合は税理士法人松本にご相談を
社用車として購入したものの、実際にはあまり事業用に使用していない高級車があるという場合や、事業用だけでなくプライベートでも社用車を利用しているというケースもあるのではないでしょうか。そのような場合、税務調査で指摘を受けると、追徴課税がなされる可能性があります。
税理士法人松本は、年間約100件の税務調査に対応している税務調査に強い税理士法人です。税務調査の豊富な経験から、社用車の取り扱いで指摘を受けやすいケースなどの対応ノウハウも保有しています。税務調査にご不安を感じているようであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
中小企業などでは、社用車として高級車を購入し、事業用ではなくプライベート用として利用するケースがあります。そのため、税務調査では高級車の購入費用や維持費用を経費計上している場合、本当に業務のために使用している車であるのかどうかを細かくチェックします。税務調査の結果によっては、社用車として認められないケースもあるでしょう。そのような場合は追徴課税がなされてしまいます。
高級車を社用車として保有しているけれど、税務調査で否認されてしまうのではないかとご不安に思っている場合は、お早めに税理士法人松本までお問い合わせください。初回のご相談は無料で承っております。
この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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