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税務調査は法人に限らず、個人事業主も対象となりますが、税務調査の対象として目をつけられる金額の目安などはあるのでしょうか。
この記事では、個人事業主が税務調査にあう確率が高まる基準や、税務調査になりやすい個人事業主の特徴、税務署から目をつけられないための対策などについてわかりやすく解説しています。
目次
個人事業主が税務調査にあう金額として、明確な線引きがあるのかについて解説します。
結論から言うと、個人事業主が税務調査にあう際に「いくら以上から」という明確な基準となる金額は存在しません。税務署や国税庁が「〇円以上は税務調査の対象」や「〇円以下は税務調査されない」等の公表をしていないため、個人や法人を問わず、すべての納税者が税務調査対象となる可能性があります。
税務調査では「納付するべき税金が正しく計算されているか」「税金が遅れずに納付されているか」などをチェックされます。
所得税の場合、売上から必要経費や各種控除を差し引いた所得に対して課税されます。例えば、2025年度の事業所得について確定申告する場合、売上から必要経費を差し引いた額が基礎控除の95万円に満たない場合、原則として所得税は非課税となります。青色申告やe-Taxによる申告、医療費控除などのその他控除がある場合、95万円を超える所得があっても非課税となるケースもあるでしょう。
また、給与所得以外に副業として事業所得を得ている場合は、事業所得が20万円を超える場合には確定申告が必要となります(条件あり)。
所得税が非課税の場合、確定申告の必要はありませんが、非課税であったことを証明するためにも、確定申告しておくのがおすすめです。
今はよくても、将来的に売上が大きくなった際、税務調査で無申告を指摘される可能性もあります。個人事業主であれば所得額に関わらず、毎年確定申告をしておいた方がよいでしょう。
「いくら以上なら税務調査される」「いくら以下ならされない」といった目安の金額はないものの、税務調査の対象となりやすいケースがあるのも事実です。過去の実績などから、税務調査されやすいといわれるいくつかのパターンについて見ていきましょう。
過去の税務調査の傾向や税務調査の統計などから「税務調査で目をつけられやすい」と考えられるパターンについて解説します。
一般的には、個人事業主として申告している収入が多ければ多いほど、税務調査の対象となりやすくなります。
その理由として、事業の規模に比例して、過少申告の規模も大きくなりやすい点が挙げられるでしょう。取引の数が多ければ、それだけミスや申告漏れが発生するリスクも高まります。
税務調査では、事業者がミスや申告漏れをしていないかをチェックし、適正な申告・納税へと導く目的で実施されるのが一般的です。
特に「収入が大幅に増えた」「前年度と比較して売上が急激に伸びた」といった場合には、税務調査の対象となりやすい場合があるでしょう。
売上が1,000万円を超えた場合、原則としてその2年後から消費税の課税事業者となります。そのため、売上が1,000万円に近いラインでは「消費税の課税事業者であるのに免税のまま申告していないか」「消費税を免れるために意図的に1,000万円を超えないようにしていないか」といった観点から、税務調査の対象とされやすい傾向にあります。
2026年現在、インボイス制度の導入により、売上が1,000万円に満たない場合でも消費税の課税事業者となるケースがあります。それでもなお、売上1,000万円あるかどうかは、税務調査対象として目をつけられる目安のラインとして意識しておいた方がよいでしょう。
売上が1,000万円を超える個人事業主は一定以上の売上規模があるとみなされ、適正な申告と納税ができているかをチェックする対象として、国税庁の管理システム(KSK)などで重点的にチェックされやすくなります。
1,000万円にわずかに満たない売上が数年続いている場合も、意図的に売上を少なく申告していないか疑われやすいため注意が必要です。
「売上額に対する利益率が低い」「売上に対して経費の額が多い」など、売上や経費のバランスがおかしい場合も、国税庁の管理システム(KSK)で重点的にチェックされやすくなります。
KSKシステムでは全国にある税務署の情報を一元的に管理しており、過去の膨大なデータから同業者、同程度の売上の事業者等と比較して売上や経費のバランスがおかしい申告をピックアップできるようになっています。
売上高の額だけでなく、必要経費が多い理由や利益率が低い理由なども、税務調査で追及されやすい点の1つです。
現金による取引をメインにしている場合、銀行などを経由しないため履歴がわかりにくく、実際より少ない額を申告している可能性を疑われやすくなります。
海外取引が多い場合には、消費税の免税や為替換算、租税条約など税制に関する複雑な取り決めがあり、意図的でなくとも申告漏れが起きやすい傾向があるため、税務調査の対象となりやすいでしょう。
国税庁では、税務調査で1件あたりの申告漏れが高額である業種について毎年公表しています。2025年12月に発表されたデータによると、高額の申告漏れが多かった上位10業種は以下のようになっていました。
事業所得を有する個人の1件あたりの申告漏れ所得金額が高額な上位 10 業種
1位:キャバクラ
2位:馬鈴薯、甘しょ作農業
3位:コンテンツ配信
4位:バー
5位:ブリーダー
6位:酒場
7位:ガラス工事
8位:解体工事
9位:冷暖房設備工事
10位:防水工事
参照:国税庁「令和6事務年度所得税及び消費税調査等の状況」
こうした業種と同業に従事している場合、他の業種に比べて税務調査の対象とされやすい傾向にあります。
1件あたりの申告漏れが高額だった業種は毎年同じではありませんが、バーやキャバクラなど例年上位に位置する業種もあります。直近数年の上位業種を確認し、自身と同じ業種が含まれていないかチェックしてみるとよいでしょう。
そもそも確定申告をしていない無申告状態も、税務調査の対象となりやすいため注意が必要です。
「確定申告していなければ調べられることもないだろう」と考える方がいるかもしれませんが、国税庁ではあらゆるルートから無申告状態の情報を把握しています。
銀行の取引履歴やクレジットカードの利用履歴などからバレる場合もあれば、取引先の税務調査で発覚する場合やSNSへの投稿で高額な買い物などをチェックされる場合、第三者からのタレコミなど、さまざまな理由から無申告はバレてしまいます。
税務調査で無申告であることが発覚した場合、最長で7年まで遡って追徴課税の対象となる可能性があります。現在無申告にしている年度がある場合は、早急に確定申告を行い、無申告を解消するようにしましょう。
税理士へ顧問を依頼しておらず、自力で確定申告をしている場合、専門家からのアドバイスなどを受けておらず、間違った理解で申告している可能性を疑われやすくなります。
税務調査の対象となりやすいだけでなく、実際に誤った理解のまま申告漏れや計算ミスなどが生じ、税務調査で追徴課税を受けるケースも少なくありません。
また、税務調査に同席してくれる税理士がいないと、取引への疑いについて税制の観点から毅然と説明することができず、ペナルティが大きくなる可能性もあります。
個人事業主のもとへ税務調査がやってくる時期や頻度について解説します。
税務調査は、年末年始や確定申告・決算の多い4月頃までを避け、春に実施される人事異動が落ち着く7月頃から11月頃にもっとも多く実施されています。そのため、確率としては夏から秋にかけて税務調査を受けるケースが多いと予想されますが、決して12月~4月に実施されないわけではない点に注意が必要です。
件数は少ないものの、繁忙期や年末年始にも税務調査が入るケースはあります。国税庁でも「いつ頃に実施する」と具体的には公表していないため、いつ実施されてもよいように準備しておくことが大切です。
一般的に、個人事業主が税務調査にあうケースは5~10年に1度といわれています。法人が3~10年に1度の頻度といわれているので、個人の場合は法人より頻度が低い傾向にあります。
ただし、これも国税庁から頻度について具体的な回数は公表されていないため、5年経たずに税務調査がやって来るケースや、10年以上調査を受けないケースなどもあるでしょう。
個人事業主で頻繁に税務調査を受けるケースとしては、上記で挙げた税務調査されやすいパターンにあてはまる場合のほか、過去に税務調査で不正が発覚したことがある場合にも、長く間をあけずに調査が入る可能性が高くなります。
個人事業主が税務調査に備えて取っておくべき対策について解説します。
急に税務調査となっても慌てないように、税務調査の流れについて把握しておきましょう。
一般的な税務調査は、事前に調査がある旨の連絡を受けて進められる「任意調査」となります。
任意調査では、税務調査を実施する日時や調査の目的などについて電話などで説明を受け(事前通知)、税務署の調査官からの訪問を受けて実施されるケースが一般的です。
調査日は事前通知から数週間後の日程であることが多く、調査期間は1~2日程度となります。
調査当日は事業に関する質問を受けたり、決算書や請求書などの書類やデータの提示を求められたりしながら、気になる点について質疑応答する形で進められます。
顧問税理士がいる場合には、事前通知も税理士のもとへ連絡があり、調査当日も税理士が同席して対応してもらうことが可能です。
税務調査が来る段階で無申告期間がある場合、そのことを知った上で税務調査対象となっている可能性が高く、納付するべき税金に加え、多額のペナルティが課せられることとなってしまいます。
税務調査が来る前に自主的に確定申告した方がペナルティは軽くなるため、無申告の期間がある場合には、できるだけ早めに解消しておくことを強くおすすめします。
税務調査では、最低でも直近3年間の帳簿や書類についてチェックされます。場合によっては5年、最長で7年まで遡って調査対象とできるため、対象期間に該当する書類はすぐに提出できるようまとめておき、月別、科目別に見やすく整頓しておくようにしましょう。
すぐに書類を出せない場合や、雑然とまとめている場合、調査に時間がかかったり、何か隠しているのではないかと疑われたりする原因にもなるため注意しましょう。
所得税や消費税など、各種税金に関する法律は毎年見直され、社会情勢なども考慮されつつ、新しい制度が増える、控除が廃止となる、要件が変更されるといった改正が実施されています。
古い情報しか知らないと、間違った内容で申告してしまう可能性もあり、過少申告などの原因になりかねません。
最新の税制についてはこまめにチェックし、何が改正されるか、施行されるのはいつからかなどについて確認しておくようにしましょう。
税理士法人松本では、個人での確定申告や税務調査への対応などに多数の実績があり、お客様より喜びの声も多くいただいています。税務調査のスポット対応や過去の申告漏れに関する相談、無申告期間の申告サポートなどもご相談可能です。
相談予約は全国どこからでも、フリーダイヤルやメールフォームのほか、LINEからのご予約にも対応しています。ぜひお気軽にご相談ください。
個人事業主で税務調査になりやすい明確な金額はないものの、一定のラインや従事している業種、過去の申告状況などによっては目をつけられやすいケースもあります。自身が税務調査対象となりやすいケースに該当する場合は、税理士への相談も検討しつつ、早めに税務調査対策を取ることをおすすめします。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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