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脱税の時効は何年?5年・7年の違い、申告漏れ・節税との違いを解説

読了目安時間:約 6分

脱税は、納税の義務に反する違法行為です。そのため、脱税が発覚した場合は重いペナルティが課されます。しかし、その他の犯罪に時効があるように、脱税にも時効があるのではないかと思っている人もいるでしょう。不正行為と知りながら正しく納税をしていないという自覚がある人の中には、時効が訪れるタイミングを心待ちにしている人もいるかもしれません。

脱税の時効は、5年や7年といわれることもありますが、実際、時効は何年になるのでしょうか。また、実際に脱税の時効は成立するのかという点も気になるところでしょう。

そこで今回は、脱税の時効や申告漏れ、節税など、類似したキーワードとの違いなどについて分かりやすく解説します。

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脱税とは

脱税とは、税を抜け出すと書くように、意図的に納税を逃れる行為です。

脱税の具体的な手口

脱税は、正しく納税を行わない行為です。税金の負担を低く抑える手法としては、売上を低く装うか、経費を多く見せるか、いずれかの方法が取られることが多くなります。

以下は、よくある脱税の手口です。

・売上の一部を隠して、収入を低く見せかけた

・現金で受け取った売上を計上しなかった

・売上金額を実際よりも低く計上した

・架空取引の領収書を偽造し、経費に計上した

・プライベートな支出を経費として計上した

・従業員に支払う給与を外注費として計上した

脱税と申告漏れの違い

脱税と似た言葉に「申告漏れ」があります。脱税も申告漏れも、納税額が本来の税額より少ないという点は共通していますが、脱税は意図的に税の負担を逃れようとする行為であるのに対し、申告漏れは過失によって申告額が低くなったという点が大きな違いです。例えば、申告時の計算間違いや売上の計上漏れ、経費の二重計上など、悪意のない、単純なミスによって申告額が少なくなってしまったケースは、申告漏れに該当します。

申告漏れの場合、納税額を操作しようとしたわけではないため、課されるペナルティも脱税ほど厳しいものにはなりません。

脱税と節税の違い

脱税と一文字違いの節税は、税制ルールに則って合法的に税金の負担額を減らす行為を指します。例えば、出張日当の支給、決算賞与の支給、少額減価償却資産の特例の活用などによって税負担の軽減を図る行為が節税に該当します。

しかし、節税をしているつもりが、税務署から脱税とみなされてしまうケースもあります。そのため、節税対策を実施する際には税理士に相談しながら適法に対応でき、リスクの少ない対策を実施することが大切です。

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脱税の時効は何年?

脱税は、税務署や国税局による税務調査によって発覚するケースが一般的です。一定の期間が過ぎた場合、税金を課す権利が消滅します。この権利が消滅する期間を除斥期間といい、除斥期間を税務調査の時効と表現するケースが多くなっています。したがって、ここでは脱税の時効を税務調査の時効として捉えたうえで、解説を進めていきます。

脱税の時効には、5年と7年があります。

時効が5年となるケース

まず、税務調査では通常、過去3年分についての調査を行います。しかし、調査の結果、申告漏れが多く見られる場合や、申告をしていない無申告状態が発覚した場合は、5年分を遡った調査が行われます。したがって、脱税ではなく、申告漏れの場合の時効は5年になると考えておくとよいでしょう。

この際、ペナルティとして課される付帯税は無申告加算税または過少申告加算税です。

時効が7年となるケース

税務調査によって、意図的に所得額を低く抑える不正行為が見られた場合、つまり脱税が発覚した場合は、7年分を遡った調査が実施されます。

また、脱税とみなされた場合は、調査対象期間が7年に延びるだけでなく、課されるペナルティも重くなります。脱税と判断された場合に課されるペナルティは、重加算税です。

法人と個人事業主で脱税の時効は違う?

法人の場合は法人税法や会社法、個人事業主の場合は所得税法が適用されるため、法人と個人事業主で脱税の時効は異なるのではないかと思われるケースもあるようです。しかし、法人税も個人事業主の所得税も、脱税の時効に変わりはありません。いずれも、申告漏れが発覚した場合には5年、脱税と判断された場合には7年の調査が実施されます。

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脱税の時効は成立しない?

脱税の時効は、7年です。では7年間、税務署の目をかいくぐり、税務調査を受けなければ脱税の時効は成立するのでしょうか。

時効が成立すれば脱税が発覚せず、税金を納付せずに済むと思う人もいるかもしれません。しかし、脱税の時効が成立するケースは極めてまれだといえます。つまり、脱税の時効が成立するケースはほとんどないのです。なぜ、脱税の時効は成立しないのでしょうか。その理由について解説します。

税務署ではあらゆるルートから情報を得ている

税務署では、全国の国税局や税務署をネットワークで連携したKSKシステム(国税総合管理システム)によって、全国の納税者の申告内容や資産の状況を把握しています。KSKシステムでは、確定申告の情報はもちろん、給与支払報告書や相続の情報、不動産登記の情報など、複数の情報を一元管理しています。

また、2026年9月にはKSK2と呼ばれる次世代システムに移行されることが発表されています。税務署でもDXを推進しており、新たなシステムでは、税目別、事務系統別のデータベースやアプリケーションを統合し、縦割りシステムが解消される予定です。さらに、調査先などからもシステムを経由してその場で情報を参照できるようになるほか、外部データを取り込む機能なども組み込まれるといいます。

また、BIツール・BAツール、AIなどを活用して膨大なデータを分析し、脱税をしている可能性が高い納税者を予測する機能も搭載されることが、国税庁の資料で発表されています。

今後、これらのデジタルツールの活用によって、精密な分析が進められると、申告漏れや脱税が疑われる納税者の抽出はさらに進むでしょう。つまり、刷新されるKSKシステムによって実現できる名寄せによって、脱税容疑のある納税者に対してはより厳しい調査が実施されると予想されます。

これまでも、脱税で時効が成立するケースは極めてまれでしたが、今後はさらに時効成立は難しくなるでしょう。

参照元:国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像 2023-

時効の更新と完成猶予

民法では、時効の成立を防ぐ時効の更新と完成猶予と呼ばれる制度が整備されています。時効の更新とは、かつては時効の中断と呼ばれていた制度で、債務の承認や差し押さえ、支払いの督促などが行われると、時効の進行がリセットされる制度です。

脱税の場合は、税務署から督促が行われた場合、その時点で時効の更新がなされ、再度、時効のカウントが0から始まることになります。つまり、時効の更新がなされると、申告漏れについては5年、脱税については7年の時効期間が再びスタートするのです。

また、時効の完成猶予とは時効の完成を先延ばしにする制度です。時効の更新とは異なり、時効期間が振り出しに戻ることはなく、時効の進行が停止した状態となります。

国税庁では、国税の徴収権の時効について、次のような場合、完成猶予や更新が適用されるとしています。

  • 裁判上の請求があった場合には、訴訟が終了するまでの間、時効は完成しない
  • 催告書、差し押さえ予告通知書の送達等による納付催告については、時効の完成猶予が適用される
  • 滞納処分による差し押さえについては、強制執行等による時効の完成猶予及び更新の規定が適用される
  • 差し押さえのための捜索をしたが、差し押さえるべき財産がないために差し押さえができなかった場合は、捜査終了時に時効が更新される
  • 納税者が納期限の延長や納税の猶予・換価の猶予などの申請を行った場合、徴収権の時効は新たに進行する
  • 国税の一部額が納付されていた場合は時効が更新される

参照元:国税庁「第72条関係 国税の徴収権の消滅時効」

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脱税が発覚した場合に課されるペナルティとは

脱税が発覚した場合は、厳しいペナルティが課されます。脱税は所得税法違反や法人税法違反に該当する犯罪です。そのため、脱税が疑われる場合は、刑事裁判にかけられ、有罪が確定した場合は、刑事罰が科されます。また、刑事罰とは別に行政法上のルールに違反した罰として行政罰も課されることとなるのです。

脱税に対する刑事罰

脱税の罪が確定した場合には、10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

また、脱税額が1,000万円を超える場合は、脱税額と同額の罰金が科される恐れがある点に注意しなければなりません。例えば、脱税額が5,000万円であった場合は、罰金の上限が増額され、5,000万円以下となるケースもあるのです。

脱税の行政罰は重加算税と延滞税

脱税が発覚した際に課される行政罰は、重加算税と延滞税です。

重加算税

重加算税は、過少申告加算税や無申告加算税などに代わって課される加算税であり、加算税の中でも最も重い税率が設定されています。

無申告状態で重加算税が課された場合の重加算税の税率は40%です。また、意図的に売上を操作するなどして、過少に申告していた場合の重加算税の税率は35%となります。さらに、過去に重加算税や無申告加算税の支払いを命じられている場合は、重加算税がさらに10%加重される点にも注意しなければなりません。

延滞税

延滞税は、納付期限までに税金を納めなかった場合に課される税金です。延滞税は、納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で税率が大きく変わります。延滞税の税率は毎年変更されますが、令和8年1月1日~令和8年12月31日までの税率は以下のように定められています。

  • 納期限の翌日から2ヶ月まで:8%
  • 納期限の翌日から2ヶ月を経過して以降:1%

また、納付が遅れた日数に応じて税金が計算されるため、納税が遅れるほど納付すべき延滞税の額が増える点にも注意しなければなりません。

申告額が不足している場合でも、脱税ではなく、無申告や過少申告の状態だった場合、申告から1年を超えた分の延滞税は免除される計算期間の特例があります。しかし、重加算税が課される場合、この特例は適用されません。そのため脱税の場合は、税金の納付が完了するまで延滞税が課税されることとなります。

無申告と過少申告のペナルティ

脱税ではなく、申告をしていなかった無申告の場合や申告をしてはいたものの申告が少ない過少申告に対してもペナルティは課されます。

無申告の場合に課されるのは無申告加算税であり、無申告加算税の税率は5%~30%です。税率に幅があるのは、不足分の税額によって適用される税率が異なる点、税務調査の実施前に自主的に期限後申告をすると税率が軽減される点が関係しています。

また、申告額が少なかった場合に課される過少申告加算税の税率は5%~15%です。過少申告加算税の税率も税務調査の実施前に自主的に修正申告をすると軽減されます。税務調査の事前通知を受ける前に修正申告をした場合は、過少申告加算税は加算されません。

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脱税の時効は待たずにできるだけ早い対応が賢明

脱税の時効は7年です。しかし、7年の間、時効の成立を待っていても税務署から督促状が届けば時効はリセットされます。税務署は想像以上に強力な情報収集能力を保有しており、7年もの間、税務署が脱税の可能性がある納税者に対して接触しないとは考えられません。

もう少しで時効が成立するかもしれない、そんなときに税務調査が入れば、多額の重加算税と数年分の延滞税が求められ、さらに刑事罰が科される恐れがあります。今後、KSKシステムも刷新される予定であり、AIの導入により、脱税の可能性がある納税者への税務調査はより厳しく実施されるでしょう。

税務調査の前に、正しく申告をすれば、無申告加算税や過少申告加算税は軽減されます。重加算税と脱税期間分の延滞税と比べれば、無申告加算税や過少申告加算税の負担は小さいものです。また、脱税の罪が確定すれば、社会的信用を失う恐れがあります。事業を営んでいる場合は、取引先との関係も悪化し、事業の継続が難しくなる可能性もあるのです。

脱税の時効が成立する可能性はほぼ0です。正しく納税をしていない場合は、脱税の時効は待たずに、できるだけ早く修正申告や期限後申告をしましょう。

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まとめ

不正行為によって税金の負担を逃れる脱税の時効は、7年です。しかしながら、時効の更新や時効の完成猶予の制度によって時効が成立するケースはほとんどありません。また、税務署の強力な情報収集能力によって、脱税リスクがある納税者は、必ずといっていいほど税務調査の対象になるでしょう。

脱税の時効が成立する可能性は極めて低いにも関わらず、時効の成立を待ち続ける行為は非常に危険です。時効を待っている間にも延滞税の額は増えていきます。

正しく納税をしていない場合は、税務調査で指摘を受ける前に税理士にも相談しながら修正申告や期限後申告を行うことをおすすめします。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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