メニュー
読了目安時間:約 6分
税金を滞納すると、税務署は差し押さえ可能な財産を把握するために財産調査を行います。税務署の財産調査とは、確定した税金が納付されない場合に、財産の有無や所在、種類、価額などを調べる手続きです。
調査対象になり得るのは預金口座だけではありません。勤務先や取引先への照会のほか、不動産、自動車、生命保険なども確認される可能性があるため、「どこまで調べられるのか」と不安を感じる方も多いでしょう。
無申告の場合は、まず税務調査などによって納税額が確定し、その税金が納付されなければ財産調査へ進みます。税務調査と財産調査は目的が異なるため、現在どの段階にあるのかを整理することが重要です。
この記事では、税務調査との違い、調べられる範囲、差し押さえまでの流れ、税務署から連絡が来たときに取るべき対応を解説します。放置せず、早めに状況を確認して納付や相談に向けて動くことが大切です。判断に迷う場合は、税務調査や滞納対応に詳しい税理士へ相談しましょう。
目次
税務署の財産調査とは、滞納税金を徴収するため、滞納者が所有する財産の有無や所在を確認する手続です。申告内容を確認して税額を確定する「税務調査」とは、目的や実施される段階が異なります。
財産調査では、預貯金や不動産などの財産の種類・数量・価額に加え、所在地や利用状況を確認します。名義人と実質的な所有者が同じか、抵当権など第三者の権利が設定されていないかも調査対象です。
目的は、差し押さえられる財産を探すことだけではありません。財産や収支の状況を踏まえ、納税の猶予や換価の猶予を認める要件を満たすか判断するためにも行われます。
無申告であるだけで、直ちに財産調査が始まるわけではありません。原則として、まず税務調査などによって納付すべき税額が確定し、その税金が納付されない場合に徴収のための財産調査が行われます。
ただし、ご自身の手続がどの段階にあるかは、税務署から届いた書類や連絡内容によって異なります。判断が難しい場合は放置せず、税理士に確認することが大切です。
税務署の財産調査が始まる時期は一律ではありません。滞納の場合は督促後、無申告の場合は申告や調査によって税額が確定し、納付されない段階で進む可能性があります。
納期限を過ぎると、原則として翌日から延滞税が発生し、電話や文書による納付案内が行われます。督促状の送付後も納付しなければ、財産調査や差し押さえの対象になり得ます。
国税の督促状は原則として納期限から50日以内に発付され、督促状を発した日から10日を経過する日までに完納しないと、法律上は差し押さえが可能です。催告と財産調査が並行することもあり、何度も連絡が来てから調べられるとは限りません。
無申告では、申告を促す連絡や税務調査を経て、期限後申告または税務署の決定により税額が確定します。その後も納付しなければ、滞納処分の対象になります。
本税に加え、無申告加算税や延滞税などが課される可能性もあります。申告していなくても所得や財産を把握されないとは限らないため、連絡を放置せず、早めに税理士へ相談することが重要です。
税務署の財産調査では、本人への質問だけでなく、金融機関、勤務先、取引先、官公署などへの照会も行われる可能性があります。さらに、必要に応じて自宅や事務所などの捜索により、財産の所在や価値、権利関係まで確認されます。
財産目録や収支状況の提出を求められるほか、通帳、契約書、帳簿、売掛帳、買掛帳、電子データやその写しも確認対象になり得ます。正当な理由のない不答、虚偽回答、検査拒否などには罰則規定があります。
金融機関への照会により、銀行・証券口座の有無、預金残高、取引状況などを確認される可能性があります。預金が見つかれば預金債権が差し押さえられることがあり、複数の金融機関や支店に口座を分けても、把握を免れられるとは限りません。
勤務先や取引先への照会によって、滞納の事実を知られる可能性があります。このほか、自動車、法人の株式・出資関係も調査対象になり得るほか、各種事業者に帳簿の閲覧や情報提供を求める場合があります。
必要がある場合は、住居、事務所、店舗、倉庫、車両、金庫、貸金庫などが捜索されることがあります。捜索は本人の同意を必要とする任意手続ではなく、開錠に応じなければ必要な処分が行われる可能性もあります。
本人以外でも、滞納者の財産を占有する人、債権・債務関係にある人、滞納者から財産を取得した人、滞納者が株主や出資者である法人は調査対象になり得ます。税務署の財産調査を受けた場合は、資料を隠したり虚偽説明をしたりせず、対応方法を税理士へ相談することが大切です。
税務署の財産調査では、滞納者本人が所有する換価可能な財産が幅広く差し押さえの対象になり得ます。一方、生活維持に欠かせない財産や法律で差し押さえが禁止された給付などは保護されます。
ただし、生活に欠かせない衣服や寝具などは、原則として差し押さえが禁止されています。給与も全額ではなく、法律上一定の範囲が保護されます。
一定の社会保障給付などにも差し押さえが禁止されるものがあります。ただし、給付金が預金口座に振り込まれた後の扱いは事情により異なるため、個別確認が必要です。
家族が実質的に所有する財産は、原則として本人への差し押さえの対象外です。しかし、名義だけを家族へ移し、購入資金や管理の実態が滞納者本人にある場合は、本人の財産と認定される可能性があります。
財産隠しを疑われる名義変更や資金移動は避けてください。所有関係や保護範囲の判断が難しい場合は、資料をそろえたうえで税理士へ相談することが大切です。
納期限を過ぎると、督促・催告と並行して税務署の財産調査が進み、最終的に差し押さえや換価が行われます。連絡や書面が届いた段階で納付または相談することが、差し押さえのリスクを抑えるために重要です。
2026年時点、国税の滞納とは、納期限までに納付されず督促状が発付された状態をいい、督促状は原則として納期限から50日以内に発付されます。督促状を放置しても、納期限や滞納の状態はリセットされません。
その後は電話、文書、来署依頼、訪問などで納付を求められます。ただし、催告の回数は差し押さえの法的要件ではなく、連絡が止まっても手続が止まったとは限りません。
税務署の財産調査では、銀行、勤務先、取引先、法務局などへの照会が、本人への催告と並行して進む場合があります。預金、給与、売掛金など、差し押さえやすい財産から確認される可能性があります。
2026年時点、国税徴収法上は、原則として督促状を発した日から起算して10日を経過する日までに完納しなければ差し押さえが可能です。差押予告が行われる場合もありますが、財産の隠匿・散逸のおそれがあれば、改めて予告されない可能性があります。
差し押さえ後、預金や売掛金は金融機関・取引先から取り立てられ、不動産、自動車、動産などは公売等で換価されます。売却代金は滞納税や処分費用などへ充当されます。
当事務所に寄せられるご相談の傾向として、税務署の書面を放置し、事態が動いてから相談される方が少なくありません。書面の段階で動くほど選択肢を確保しやすいため、対応に迷う場合は税理士へ相談しましょう。
税務署から連絡が来たら、まず文書の内容と期限を確認し、放置せず担当部署へ連絡してください。早い段階で納付の意思と現実的な資金状況を伝えることが重要です。
記載された担当部署へ連絡し、一括納付できる場合は納付額と納付方法を確認します。すぐに支払えない場合は、支払える金額と時期を具体的に伝えましょう。
一括納付が難しければ、収入、生活費、事業経費、預金などの保有財産を整理します。納税の猶予や換価の猶予を利用できる可能性を確認し、財産目録や収支明細など、求められた書類を準備してください。
口頭で分割納付を約束するだけでなく、正式な申請が必要か必ず確認しましょう。
通知書の名称、対象税目、滞納額、回答・納付期限、担当者を確認し、早急に相談してください。税務署の財産調査が進んでいる場合は、納付可能額と今後の資金繰りを具体的に示す必要があります。
財産を隠す、架空の債務を作る、家族名義へ形式的に移すといった行為はしてはいけません。税理士法人松本の見解では、国税局や業務センターからの連絡に驚く方は多いものの、まず文書の種類を確認することが第一歩です。
税額を決める手続と、確定した税金を回収する徴収手続を分けて確認します。問題に応じて税理士や弁護士への相談を検討し、通知書、帳簿、通帳、申告書、税務署とのやり取りを保管してください。
税務署は財産調査の一環として金融機関へ照会でき、調査のたびに滞納者本人の同意を得る必要があるわけではありません。税務署の財産調査は催告と並行して進む場合があり、差押予告が必ず事前に届くとは限りません。
給与や売掛金の調査・差押えでは、勤務先や取引先へ照会や通知が行われ、滞納を知られる可能性があります。家族が実質的に所有する預金や不動産は原則として対象外ですが、家族名義でも実質的に本人の財産と判断されれば対象になる可能性があるため、早めの相談が重要です。
分割納付を口頭で申し出ただけでは、当然に差押えが止まるとは限らないため、税務署と納付計画を相談し、猶予制度や必要な手続を確認してください。滞納処分のための捜索は本人の同意に左右されない強制的な手続ですので、妨害や虚偽説明はせず、処分内容に疑問があれば税理士へ相談しましょう。
税務署の財産調査は、申告内容を確認する税務調査とは異なり、滞納税金を徴収するために財産を把握する手続です。調査対象は、預貯金だけでなく、給与、売掛金、不動産、生命保険の解約返戻金など幅広く及びます。
税務署からの連絡や督促を放置すると、財産調査や差押えへ進む可能性があります。一括での納付が難しい場合でも、できるだけ早く税務署へ相談することが重要です。
税務署への対応は、初動によってその後の進み方が変わり得ます。手続や説明に不安がある場合は、早い段階で税務調査や滞納対応に強い税理士へ相談しましょう。
税務署から調査の連絡が届いている方は、日程が決まる前のご相談をおすすめしています。
受付時間外やお電話が難しい場合は、LINE・メール相談もご利用いただけます。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者30万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
税理士法人松本の強み
30秒で完了かんたん税務調査リスク診断
←前の記事
税務調査の対象はAIで選ばれる?国税庁が公表した選定方法と不正パターン
あわせて読みたい記事
税務調査
税務調査は対応次第で結果が大きく変わります!
税務調査のお悩み解決しませんか?いますぐ電話1本で相談できます!
専門家があなたの税務調査に関する不安を一つ一つ丁寧に解決。初回有料相談は返金保証付きで、どんな小さなご相談も全国から承ります。