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税務調査においては、個人や法人に支払った謝礼金や紹介料の取り扱いについて調査官から指摘を受けるケースが多くなっています。謝礼金や紹介料、リベート、情報提供料などは、どのように取り扱うのが正しいのでしょうか。 今回は、税務調査で問題になりやすい謝礼金や紹介料などの処理方法についてご説明します。税務署に指摘されると困る謝礼金や紹介料があるという方は税務調査に強い税理士法人松本までお気軽にご相談ください。
目次
謝礼金や紹介料は、交際費として扱われる場合や支払手数料として扱われる場合があります。 資本金が1億円以上の法人では飲食費以外の交際費は損金として扱うことができず、資本金1億円以下の法人では800万円を超える交際費は損金の対象外となります。そのため課税対象となる交際費の額をできるだけ減らすために、本来は交際費に該当する謝礼金や紹介料であるにもかかわらず、損金処理が可能な支払手数料として計上しているケースがあるのです。 税務調査では、課税額を抑えるために不正に謝礼金や紹介料を交際費以外の取引として仮装していないかをチェックすることが多くなります。
自社で取り扱っている商品や提供しているサービスなどを広く知ってもらうために、宣伝活動の一環として、お友達やお知り合いを紹介していただいた場合に紹介料として謝礼金をお渡しするケースがあるのではないでしょうか。また、講演を依頼した場合や広告モデルを依頼した場合にも謝礼金を渡すケースがあると考えられます。 個人に渡す謝礼金とは異なり、ビジネスが成立した場合に法人に支払われるものにリベートや情報提供料があります。製造業者が小売店や卸業の取引高に応じて、代金の一部としてリベートを支払うケースもあるでしょう。 では、これらの謝礼金や紹介料、リベートなどを支払った場合はどのような処理が必要になるのでしょうか。
個人や個人事業主に謝礼金や紹介料などを支払った場合は、「報酬」に該当するものや「交際費」に該当するもの、「支払手数料」に該当するもの等が考えられます。
講演を依頼した場合の謝礼金や冊子などに掲載する原稿を依頼した場合の原稿料、社内研修などを行った場合の指導料、広告モデルを依頼した場合のモデル料などは、個人や個人事業主が行った業務に対する報酬として扱うことになります。 報酬の場合は、源泉徴収の対象となるため源泉徴収が必要となります。
租税特別措置法第61条の4では、交際費を「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他の事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と規定しています。 たとえば顧客から友人を紹介してもらった場合に支払った謝礼金は、原則として交際費として扱うことになります。資本金の額が1億円以下の法人の場合、交際費は年間800万円損金として取り扱うことができますが、800万円を超えると課税対象となる点に注意が必要です。また、資本金が1億円を超えている法人の場合は、飲食費(接待費)以外の交際費は全額課税の対象となります。
紹介業など情報提供を生業としていない人に対して紹介料としての謝礼金を支払う場合は、交際費として取り扱います。しかし、次の要件に該当する場合は交際費ではなく、支払手数料等として扱うことが可能です。 (1)その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。 (2)提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。 (3)その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。そのため、チラシやポスターなどに知人を紹介してくれたら謝礼金として3,000円を支払うと明記しておいた場合などでは、契約ではないものの上の条件を満たすと考えられ、紹介料は知人を紹介したことに対する対価として認められるようになります。
法人に謝礼金や紹介料を支払った場合は、当然ですが源泉徴収の対象とはなりません。法人に謝礼金や情報提供料などを支払った場合の処理は次のようになります。
職業紹介事業や不動産仲介業など、紹介を業とする法人に対して支払った紹介料は、支払手数料として処理することができます。
紹介業者ではない法人に謝礼金や紹介料を支払った場合は、原則として交際費として扱わなければなりません。ただし、個人や個人事業主の場合と同様に、あらかじめ締結された契約内容に基づき、情報提供等の内容が契約書などに明確に示され、情報提供の対価にふさわしい額であると判断された場合は、支払手数料として扱うことが可能です。 したがって、契約のもと、リベートとして支払った金額は、損金として取り扱うことができます。しかしながら、情報提供料の額の算定基準が契約書などに明確に示されておらず、社会通念上、適正な額だと考えにくい金額を情報提供料として支払っていた場合は、税務調査において損金として認められないケースもあります。また、支払い相手によって情報提供料の算出基準が変わっているような場合は、税務調査において交際費と判断される場合があります。
謝礼金や紹介料、情報提供料、リベートなどは税務調査で調査官から指摘を受けやすいポイントです。支払手数料として処理していたものが認められず、交際費であると判断されてしまった場合は過少申告とみなされ、追徴課税がなされる可能性があります。 紹介料や情報提供料などを支払う際には、事前に紹介料や情報提供料などに関する契約を結び、提供を受ける役務の内容や謝礼となる金品の価額を明確に示すようにしましょう。 ただし、謝礼金や紹介料、情報提供料、リベートの取り扱いには複雑な部分もあるため、税務調査での対応に不安がある場合は、事前に税理士に相談することをおすすめします。 税理士法人松本は税務調査専門の税理士法人です。税務調査に対するご相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料で承っております。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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