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税務調査が入ったら、どのような結果報告が待っているのでしょうか。
実地調査の後はどのような結果が来て、どう対処していくべきなのでしょうか。
税務調査の結果報告は3パターンです。
税務調査の流れや期間とともに、結果に対してどう対応していくべきかをまとめました。
目次
税務調査は納税者が申告した書類に誤りがないか確認し、平等な税金徴収をするという目的があります。
強制調査と任意調査の2種類があり、一般的には任意調査が行われます。
「納税額を少なく申告していないか」を確認するために、過去の書類をチェックします。
質問をされれば正直に答え、調査に協力していきます。
「なんとなく怖い」「なぜ私がこんな調査を受けなくてはいけないのか」と感じるかもしれませんが、正しく申告・納税をしていれば税務調査に怯える必要はありません。
税務調査の主な流れは以下のようになります。
税務調査の対象になると、任意調査では事前に税務署から通知があります。
実施日の1~3週間ほど前に、電話で通知があるのが一般的です。
もし通知を行なったら隠ぺいなどの不正をすると疑われると、通知なしで税務調査を行うケースもあります。
事前通知は義務ではありませんので、必ず事前通知があるわけではないと覚えておきましょう。
事前通知があると、税務調査の実施日程を調整できます。
これは事業主にとって忙しい日を避け、営業に支障が出ないように配慮するためです。
税務調査は1日から数日かかりますので、対応可能な日程を選びましょう。
税理士の立ち合いが可能ですので、税理士の都合に合わせた日程を提示するといいでしょう。
税務調査の日程が決まったら、調査のために必要な書類を見直して準備しておきます。
顧問税理士がいる場合は一緒に準備をしていきますので、不備や漏れがないかを確認しておきます。
これらの書類を準備しておき、提示を求められれば提示をします。
当日聞かれそうな内容、税務署と見解に差がありそうな内容については、受け答えを考えておくと安心です。
嘘をつく準備という意味ではなく、誤りがないのであれば正確に説明できるように準備しておくという意味です。
税務調査当日は、会社や事業所、お店に税務調査官が訪れます。
会社概要のヒアリングをし、会計資料などに目を通します。
顧問税理士がついている場合は、調査官の質問に税理士が答え、必要がある時だけ事業者が質問に応じます。
調査官が必要な書類を持ち帰って調査をするケースもあります。
あまりこちらから話をせず、聞かれた内容に的確に答えるようにしましょう。
反面調査とは、事業者と取引のある関係先に対して行われる税務調査です。
必要があると判断されれば、取引先や金融機関に対して反面調査が行われます。
反面調査は立ち合いなど必要ありませんので、事業者が把握していない時間・場所で行われている可能性があります。
もし反面調査をした上で内容に不審な点があれば、再度実地調査が行われるかもしれません。
税務調査が全て終わると、結果が通知されます。
結果報告は「申告是認」「修正申告」「更正」の3パターンがあり、結果に応じた対応をしていきます。
それぞれの対応については、後述します。
税務調査の実地調査にかかる日数は、多くの場合は2~3日となります。
明確に日数が決められているわけではありませんので、規模の小さな事業者であれば1日で終わるケースもあります。
もし3日以上の時間がかかっているようであれば、資料不足で時間がかかっているか、脱税を疑われて詳しく調査しているのかもしれません。
資料が足りないと調査官に時間がかかってしまいますし、事業者としても「何か不正を疑われているのか」と不安な時間を過ごします。
準備できるものは準備して、調査に協力するようにしましょう。
税務調査が終わってから結果報告にかかる日数は、1週間~3ヶ月程度です。
1週間で結果がでるのはかなり早い方であり、例えば大企業で調査資料が多い場合は3ヶ月以上の時間がかかるかもしれません。
だいたい3ヶ月以内を想定しておけば良いですが、もし3ヶ月以上時間がかかっているようであれば不正を疑われている可能性があります。
重加算税の対象になる場合は、慎重に調査をしなければいけないからです。
仮装や隠蔽はもちろん厳禁ですが、日頃からヒューマンエラーなどの不意なミスがないよう心がけておきましょう。
税務調査の結果報告3パターンについて詳しくお伝えします。
「申告是認」「修正申告」「更正」の内容と、対処法について理解しておきましょう。
申告是認(しんこくぜにん)とは、税務調査で指摘すべき事項がなかったという通知です。
申告内容に問題がないという報告なので、特に対処する事柄はありません。
税務調査はこの申告是認の通知をもって終了となります。
申告是認率は税務調査の20%ほどの少数派だといわれていますので、申告是認の通知を受け取った方は一定の評価を得られたと考えていいでしょう。
税務調査をした結果、修正が必要であると判断されると修正申告という通知が届きます。
多くの人が修正申告を受けますが、修正申告を受けたからといって不正を疑われているというわけではありません。
誰でも不意に間違えてしまうことはありますので、税務署からの指摘が適切であると判断したら速やかに修正申告の対応をしましょう。
もし税務署からの指摘に納得がいかない場合は、再調査を依頼する、修正を放棄するという選択肢もあります。
しかし来年以降も確定申告をしていくので税務署とは良好な関係を築きたいと考えている人がほとんどでしょう。
対応については顧問税理士とも相談しながら、決めていくといいでしょう。
修正申告によって正しい税額に変更をしたら、追加の納税を行います。
修正申告書の提出日が追加の納税分の納付期限となりますので、修正申告書を作成したら納税の準備もしておきましょう。
修正申告での追加納税分には延滞税がかかりますので、早めに対応すべきです。
追加納税には、以下のような種類があります。
修正申告は義務ではありませんので放棄もできますが、修正申告をしないままでいると更生通知書が届きます。
修正申告とはあくまでも自ら提出するものであるのに対し、更生は税務署からの処分という位置づけになります。
更生通知書には、税務調査で見つかった不備、更生後に納付すべき税額も記載されています。
税務署の調査に納得できない場合は、不服申立てが可能です。
不服申立てにより再調査の請求、訴訟、裁判と段階が進んでいくと、それだけ時間もお金も労力も必要になります。
顧問税理士としっかり相談をし、本当に不服申立てを行うべきか考えていきましょう。
税務調査の対象になった場合、どのような点を確認されるのかを知っておきましょう。
税務調査の準備をする段階で、これらのポイントを重点的にチェックしておくと調査官からの指摘が少なくなるかもしれません。
税務調査でまず確認するのが、売上です。
記入漏れや過少申告が多いのが売上なので、帳簿や決算書といった資料と預金通帳が一致しているかをチェックしていきます。
仕入金額のよくある不正としては、仕入金額を不正に多く見積もるという手口があります。
過去の売上や仕入れと比較した際に数値が大きく増減している場合も、理由を問われますので答えられるようにしておきましょう。
期ズレとは、本来計上すべき年度ではなく、前年や翌年など別の年度に経費を計上する行為です。
本来納めるべき納税額が変わってしまいますので、税務調査では期ズレがないかもチェックされています。
事業年度の境目の経費は、特に取り扱いに注意が必要なので覚えておきましょう。
売上や経費が発生したタイミングで、誤りがないように経費を計上するようにしておきましょう。
損金とは、法人税法人税を計算する際に、法人の収益から差し引ける費用や損失を指します。
経費は経済活動に伴う全ての支出となり、経費全てが損金として認められるわけではありません。
経費との違いがわかりにくいかもしれませんが、損金とは税法に基づいて、法人税を計算する際に認められている支出です。
損金として認められるもののみが正しく振り分けられているか、という点がチェックされています。
税務調査では基本的に帳簿をチェックされますが、辻褄が合わないと感じると領収書まで提示を求められるかもしれません。
例えば交通費は必ずしも領収書がなくても計上できてしまいますので、目的や日付を正確に説明できるようにしておかなければいけません。
頻繁に利用する飲食店の領収書は、私用を疑われる可能性があります。
社員旅行や忘年会といった水増し請求ができそうな行事では、不正を疑われないように注意しましょう。
税務調査の内容や対応に関する、よくある質問をまとめました。
税務調査では雑談のような質問でも、意図があって聞かれています。
例えば「ご家族は何人ですか?」という質問だとすれば、架空の給与や実態のない給与がないかという調査の可能性があります。
「賃貸にお住まいですか」というような質問では、支払い能力に見合わない支出がないかというような確認の可能性があります。
調査官の質問に対して、余計なことまで答えてしまうと、何かを胡麻化そうとしているのかと勘ぐられてしまいます。
余計なことを話してしまうとボロが出るだけでなく、調査が長引いてしまいますので、質問に簡潔に答えるようにしましょう。
また曖昧な受け答えも望ましくありません。
もしハッキリと返事できない質問があれば、正直に「調べて後日お返事します」と受け答えをしておきましょう。
開業して3年以上たっており、売上が増加している事業者が対象になりやすいといわれています。
税務調査は追加納税が目的でもありますので、売上が増加している個人事業主が調査の対象になりやすいです。
税務調査は7月~12月が多く実施される時期であるといわれています。
日本では3月決済の会社が多い、また国税局や税務署の人事異動が終わる時期であるのが理由です。
7月頃から税務調査が開始すると、実地調査は9月以降に集中する傾向にあります。
税務調査の結果報告は、「申告是認」「修正申告」「更正」の3パターンがありました。
それぞれ適切な対応をとる必要があり、延滞税が発生するという点から速やかな対応が求められます。
税務調査の結果に納得いかないと感じる場合は、まずは税理士に相談してみましょう。
問題を長期化させる、税務署と揉めるというのは、あまり望ましい状態ではありません。
税務調査の準備段階、実地調査で税理士のサポートを受けて対策をしておくのがおすすめです。
顧問税理士がいない事業者の方は、お気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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