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白色申告で所得額が300万円以下だったら税務調査が入る可能性はない?

読了目安時間:約 6分

個人事業主が確定申告をする際には「白色申告」と「青色申告」の2つの申告方法があります。税務調査は、正しく申告や納税を行っているかを確認するために実施される税務署による調査です。税務調査は、法人でも個人でも納税の義務を負う人であれば、調査の対象になる可能性があり、白色申告をしている人であっても税務調査の対象になる可能性はあります。

しかし、白色申告の場合、所得額が300万円以下であれば、税務調査の対象に選ばれる可能性はないといった噂があるようです。実際、白色申告で年間の課税所得額が300万円以下である場合、税務調査が入ることはないのでしょうか。

今回は、白色申告の概要や白色申告者に対して実施される税務調査について解説します。

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税務調査と白色申告

まずは、税務調査の実施目的や白色申告の概要から確認していきましょう。

税務調査とは

税務調査とは、法人や個人など、納税をしなければならない人が正しく税金を納めているかを確認する税務署による調査です。税務調査では、所得税や法人税、消費税、源泉所得税、相続税などが調査対象の税目となります。

一般的に、白色申告をしている個人事業主を対象に実施される税務調査は「任意調査」と呼ばれるものです。納税者の協力と合意のもとに実施される税務調査であることから任意調査と呼ばれますが、納税者に税務調査を拒否する権利があるわけではありません。調査官には質問調査権と呼ばれる権利があり、納税者には質問や調査に対応する受忍義務があるため、税務調査の対象に選ばれた場合、税務調査を拒否することはできないのです。

任意調査が行われる場合、原則として調査が実施される前に税務署から電話で事前通知が行われます。事前通知では、税務調査に入る旨と調査の対象税目、調査対象期間などが通知されます。調査日時の都合が悪い場合などは、調査日程の調整を依頼することが可能です。

税務調査が入るとどうなる?

白色申告をしている個人事業主に税務調査が入る場合、調査当日に調査官がオフィスやお店などを訪れ、売上や経費など、事業に関連する帳簿や書類を確認し、申告した内容に相違ないかをチェックされます。

事業の内容や取引状況、帳簿の処理方法などについて質問もなされるため、納税者は質問に対し適切に答えなければなりません。

調査の結果、申告内容に相違がなければ、そのまま税務調査は終了します。しかし、何らかの誤りや不正が発覚した場合は、税務署の指摘箇所を修正し、不足分の税金を納める修正申告が求められます。さらに、正しく申告しなかったことのペナルティとして過少申告加算税や延滞税の納税が求められることになるのです。また、確定申告の必要がありながら、申告を怠っていた場合は、過少申告加算税ではなく、無申告加算税と延滞税が課されます。

白色申告とは

白色申告とは青色申告と並ぶ、確定申告を行う際の申告方法の一つです。青色申告が複式簿記での記帳が求められるのに対し、白色申告はより簡易的な単式簿記での記帳が認められています。また、青色申告の場合、確定申告書とともに賃借対照表や損益計算書などの青色申告決算書の提出が必要ですが、白色申告では確定申告書と収支内訳書を提出すれば問題はありません。

青色申告に比べると、提出すべき書類も少なく、単式簿記での記帳が認められることから、白色申告は経理や税務に詳しくない人でも比較的、申告がしやすい方法として知られています。また、青色申告をするためには税務署に対し、事前の届出が必要になりますが、白色申告は届出が不要といったメリットもあります。

ただし、青色申告の場合は、最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰越といった特典が受けられます。白色申告の場合、節税につながる制度は基本的にありません。

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300万円以下の白色申告者に税務調査は入らないはウソ?

確定申告では、売上から経費を差し引いた課税所得額を算出し、課税所得額に課される税金を求めて納税を行います。では、課税所得額が300万円以下の白色申告者に税務調査は入らないという噂は本当なのでしょうか?

300万円以下の白色申告者も税務調査の対象になり得る

1年間の課税所得額が300万円以下の白色申告者が、税務調査の対象にならないというルールはありません。課税所得額が300万円以下であっても、税務調査が入る可能性はあります。もし、課税所得額が300万円以下で白色申告をしていれば、税務調査の対象から除外されるというルールがあれば、白色申告をし、課税所得額を300万円以下に抑える個人事業主が増加するのではないでしょうか。

なぜなら、税務調査が入らないのであれば、実際には課税所得額が300万円を超えていても、売上額や経費を操作することで所得額を300万円以下に見せかけることができるからです。

したがって年間の課税所得額が300万円以下であっても、税務調査が入らないわけではありません。課税所得額が300万円以下の白色申告者も税務調査の対象になり得る可能性があることを覚えておきましょう。

300万円以下の白色申告者の噂の由来とは

なぜ課税所得額が300万円以下の白色申告者は、税務調査の対象にならないという噂が流れているのでしょうか。それは、かつては、課税所得額が300万円以下の場合、白色申告者は記帳義務が免除されていたからです。記帳義務がなかったために、売上の証明となる書類や経費の証明となる領収書が保存されていない事例も多く、所得状況を正しく把握できない事態が発生しました。

この状況を受け、2014年には課税所得額が300万円以下であるかどうかに関わらず、すべての白色申告者の記帳と帳簿の保存が義務化されています。したがって、課税所得額が300万円以下であっても記帳は行わなければならず、税務調査の対象にもなる可能性があるということです。

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税務調査の対象になりやすい白色申告者の特徴

白色申告をしている人も税務調査の対象になる可能性がありますが、税務調査が入る個人事業主にはある傾向が見られます。ここでは、税務調査の対象になりやすい白色申告者の特徴をご紹介します。

申告漏れが多い業種を営んでいる

申告漏れが多い業種を営んでいる場合、税務調査の対象になる可能性は高くなります。確定申告をしなければならないにもかかわらず申告をしていない人が多い業種、確定申告はしているものの虚偽の申告が多く見られる業種などは、税務署から目を付けられています。

税務調査は正しい納税を推進するために実施される調査です。そのため、正しく申告をしている可能性が高い人に対して調査を行っても、不正やミスを指摘できる可能性は高くありません。反対に、正しく申告をしていない可能性が高い人に対して調査を行った方が、不正やミスを発見しやすく、正しい納税を推進できます。

国税庁が公表している「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」では申告漏れ所得金額が高額な上位10業種を公表しています。10位以内にランクインしている業種は次のとおりです。

1位:キャバクラ

2位:眼科医

3位:ホステス、ホスト(2)

4位:経営コンサルタント(1)

5位:太陽光発電(7)

6位:バー(12)

7位:コンテンツ配信(3)

8位:ブリーダー(5)

9位:スナック(9)

10位:システムエンジニア(17)

※( )内は前年の順位

参照:国税庁「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」

申告内容にミスや不備が多い

確定申告書を提出していても、計算のミスが多い、記載漏れがある場合など、不備が多く見られる白色申告者は税務調査の対象になりやすいと言えます。日頃から正しく経理処理を行っていれば、確定申告書の作成にあたってそれほどミスが発生するとは考えにくく、売上や経費についても杜撰な管理をしているのではと疑われる可能性が高いのです。

開業から時間が経過しているものの利益が伸びない

開業間もない場合は、業務が軌道に乗るまで利益も伸びない可能性があります。しかし、開業から長期間が経過しているにもかかわらず、利益が伸びていない場合や赤字が続いている場合などは、所得を低く見せかけるような不正を行っているのではと疑われる可能性があります。

利益が上がらない状態や赤字が続いている状態では、事業の継続が難しいはずです。しかし、そのような状況においても廃業することなく、事業を続けている場合、実際には申告内容よりも多くの利益が出ているのではと疑いをもたれる原因となります。

そのため、開業から時間が経っているものの利益が伸びていない白色申告者も税務調査の対象になる可能性があります。

売上に比べて利益の額が低い

白色申告を行う際は、事業のためにかかった費用については必要経費として売上から差し引くことが可能です。しかし、経費に計上できるのは事業にかかった費用のみであり、事業とは関連性のないプライベートな支出を事業の経費として計上することはできません。

営む事業の種類によって仕入額が多くなるなど、経費の割合は変わってきますが、税務署では毎年、数多くの申告書類をチェックしています。そのため、業種ごとの経費率や利益率はある程度把握しており、同じ業種を営む個人事業主に比べ、経費率が高く、利益率が極端に低い場合などは、不正(利益の水増し等)が疑われます。つまり、プライベートな支出も経費に計上したり、架空の人件費や外注費を計上しているのではとの疑念を抱かれることになるのです。

したがって、売上に比べて極端に利益の割合が低い白色申告者も税務調査の対象になる可能性が高くなります。

過去に税務調査で指摘を受けている

過去に税務調査が入り、何らかの指摘を受けている場合、税務署にはその記録が残ります。そのため、過去に処理方法の誤りを指摘されたり、申告漏れをしていた経験を持つ事業者は、指摘事項を修正しているのかを確認するために再度、調査が実施されるケースが多くなっています。

税務調査が入った白色申告者は、しばらく税務調査は入らないだろうと安心してしまうかもしれません。しかし、税務調査で何らかの指摘を受けた場合は、かえって税務署から目を付けられ、再度税務調査の対象になる可能性が高いことを覚えておいた方がよいでしょう。

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白色申告をしている人が税務調査を回避するためのポイントとは

税務調査が入ると、調査官がオフィスや自宅、店舗などを訪れて調査をするため、その間、業務を行うことはできません。また、帳簿や書類の準備なども必要になるため、事業に支障が出ることもあります。そのため、できるだけ税務調査は回避したいと考える方が多いのではないでしょうか。

では、白色申告をしている人が税務調査を回避するためにはどのような対策が必要になるのでしょうか。

日頃から正しく記帳をする

何より大切なことは、日頃から正しく記帳を行うことです。記帳は手間だと感じるかもしれません。しかし、確定申告の前にまとめて記帳を行おうとすると、記帳時にミスが発生しやすいものです。また、記憶も薄れてくるために正しい仕訳ができなくなる場合もあるでしょう。

記帳が正しく行われていなければ、確定申告を行う際にもミスや申告漏れが発生しやすくなります。税務調査を回避するためには、税務署が疑問を抱くことのない、正しい申告書を作成することが大切です。

日頃からこまめに記帳を行い、正しい申告書を作成するように心がけておきましょう。

帳簿や書類はしっかり保管しておく

税務署では、税務調査を実施する前に簡易な接触と呼ばれる調査を実施するケースが増加しています。簡易な接触とは、提出した申告書の内容に軽微なミスや何らかの疑問が合った場合、手紙や電話などで連絡をし、納税者に修正を促す取り組みのことです。

簡易な接触によって修正申告を行ったり、事情を説明することで税務署側が納得をすれば、税務調査に発展することはありません。しかし、簡易な接触があっても、適切に対応しない場合は、調査官が直接、申告内容を確認するために税務調査を実施する可能性が高まります。

帳簿や書類をしっかり保管していない場合、簡易な接触があっても、適切に対応できない可能性があります。日頃から正しく記帳し、帳簿や書類をしっかり保管しておくようにしましょう。

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まとめ

白色申告をしている人にも税務調査が入る可能性があります。かつては、白色申告をしている人で年間の課税所得が300万円以下である場合は、記帳の義務が免除されていました。そのため、課税所得が300万円以下の白色申告者は、税務調査の対象にはならないという情報が流れるケースがあるようです。

2014年以降、すべての白色申告者に記帳が義務化されています。そのため、課税所得が300万円以下であっても税務調査の対象になる可能性があります。税務調査を回避したいのであれば、日頃から正しく記帳を行い、正しく申告を行うことが大切です。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上

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