• 税務調査

会社への税務調査はいつが多い?調査内容や頻度について解説

読了目安時間:約 6分

会社を営んでいる場合、正しく法人税や消費税の申告をしていても、税務調査に関する話題を耳にすると自分の会社にも調査が入るのではと不安になるケースは少なくありません。

特に知り合いの会社や近隣の会社など、身近な企業に税務調査が入った話を聞くと、税務調査が入ったときにはどのように対応すべきか考えなければならないと感じる経営者が多いようです。

税務調査がいつ入るのか、事前に時期を予測できれば税務調査の対象になった場合でもスムーズに対応できる可能性があります。そのため、税務調査が入りやすい時期を把握しておきたい人も多いでしょう。

そこで今回は、会社への税務調査が実施されやすい時期や会社に対する税務調査の内容、実施頻度などについて解説します。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ
Youtubeでも様々な内容を解説しています!Youtube

会社への税務調査はいつが多い?

個人事業主に対する税務調査は、4月~5月に集中しやすいといわれています。これは、確定申告書の提出が終わり、税務署内で申告書を精査する際に不備がある申告者や不審な点がある申告者に対して調査を実施するためです。

では、会社への税務調査はいつ行われることが多いのでしょうか?

会社に税務調査が入る時期とは

会社に税務調査が入る時期は、個人事業主のように明確な傾向が見られるわけではありません。これは、個人事業主の確定申告期間は毎年2月16日から3月15日までと決まっているのに対し、会社の場合、決算時期は自由に決めることができるためです。
法人の申告期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内となっています。そのため、3月末を事業年度終了日とする会社もあれば、9月末を事業年度終了日とする会社もあり、法人によって申告期限が変わってくるのです。

会社に税務調査が入る時期にはある傾向も

会社に対して行われる税務調査の時期は決まってはいませんが、実際には、決算の数か月後に実施されることが多いようです。例えば、3月を決算期とする会社は、半年程度が経過した9月~12月に税務調査が入ることが多くなっています。また、決算期が6月の会社の場合は、半年が経過した12月~3月ごろに税務調査が実施されることが多いようです。

ただし、4月~5月に関しては、個人に対する税務調査が集中するため、会社に対して絶対に税務調査を実施しないわけではありませんが、この時期に税務調査が入るケースはそれほど多くありません。また、税務署は7月から新たな年度が開始するスケジュールで動いているため人事異動が多く行われる6月~7月も税務調査が実施されるケースは少ないようです。

会社に税務調査が入る頻度とは

これまで税務調査が入ったことがないという会社の場合、いつ、自分の会社が調査の対象になるのか、会社に税務調査が入る頻度はどのくらいなのかが気になるのではないでしょうか。また、過去に税務調査が入った会社でも、次はいつ税務調査が入るのか、税務調査の実施頻度を把握しておきたいと思うでしょう。

実は、会社に対して税務調査が入る頻度は一定ではありません。設立から3年目に税務調査が入る事例もあれば、設立から10年以上経っていても税務調査の経験がない会社もあります。

国税庁が公表しているデータ「令和6事務年度法人税等の調査実績の概要」を見ると、令和6事務年度には5万4,000件の税務調査が実施されています。また、同じく国税庁が公表している「令和6事務年度 法人税等の申告(課税)実績の概要」を見ると、法人税の申告件数は322万件となっています。この数字を参考に計算すると、会社に税務調査が入る確率は1.68%程度となることが分かります。つまり、会社に税務調査が入る頻度は、およそ60年に1度です。

60年に1度の頻度であれば、税務調査が入る可能性はずいぶん低いのではと思うかもしれません。しかし、実際には60年に1度以上のペースで税務調査が入る企業もあります。これは、税務署はランダムに税務調査の対象を選んでいるのではなく、ある程度、ミスや不正の可能性が高い法人に絞って税務調査を実施しているためです。

参照元:国税庁「令和6事務年度 法人税等の調査実績の概要」

参照元:国税庁「令和6事務年度法人税等の申告(課税)実績の概要」

 

税務調査が入りやすい会社とは?

税務調査が入る可能性が高い会社には次のような傾向が見られます。

・事業規模が大きい

・不正が多い業種を営んでいる

・現金取引が多い

・申告内容にミスが多い

・利益率が極端に低い

・売上規模に比べて経費率が異常に高い

・過去に税務調査を受けて何らかの指摘を受けている

・税理士が関与していない

税務調査の目的は、正しい納税を推進するためです。税務署としては、時間と労力をかけ調査をする以上、税務調査で何らかの成果を上げる必要があります。そう考えた場合、正しく申告をしている会社ばかりを対象に税務調査をしても、成果は上げにくいでしょう。

不正が行われている可能性が高い会社や申告内容にミスが多い会社を優先的に調査した方が、より高い効果を上げることができます。また、事業規模の小さな企業よりは規模の大きな企業を調査し、ミスや不正を指摘した方が、追徴課税の額は大きくなるでしょう。

このような理由から上記のような条件に該当する会社の場合、税務調査を受ける確率が高くなるのです。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

会社への税務調査では何をする?

会社に税務調査が入った場合、どのような点がチェックされるのでしょうか。ここでは、会社に対する税務調査の流れや指摘されやすい事項などについて解説します。

会社に対して実施される2つの税務調査

会社に対して実施される税務調査は大きく分けると「任意調査」と「強制調査」の2つに区分されます。

このうち、一般的に税務調査と呼ばれる調査が任意調査です。任意調査は、納税者の同意と協力のもとに実施される調査であり、税務署の調査官が調査を担当します。

一方、強制調査は多額の脱税などが疑われる場合に実施される国税局査察部による調査であり、強制調査では刑事告発を目的とした調査が行われます。

強制調査が実施されるケースは悪質な仮装隠蔽が疑われるケースに限られるため、これ以降は任意調査を税務調査として説明します。

税務調査の流れ

任意調査が実施される場合は、原則として税務調査を行う旨の事前通知がなされます。事前通知は電話でなされることが多く、税務調査の実施日時や調査対象の税目、調査対象期間などが伝えられます。

事前通知の際には税務調査時に必要となる帳簿や書類を準備するよう求められます。

調査当日には、オフィスや店舗など、調査を実施する場所に調査官が訪れ、事業内容や最近の取引状況などについてヒアリングがなされ、帳簿や書類の確認が行われます。通常、会社に対する調査は2日にわたって実施されることが多くなりますが、会社の規模によっては1日で終了するケース、2日以上にわたるケースも見られます。

調査が終わると税務署から調査結果の報告書が送付されます。調査結果、申告内容に問題がないことが分かれば、そのまま調査は終了です。また、調査によって申告漏れなどが指摘された場合は、税務署の指摘にしたがって修正申告書を作成し、不足分の税金やペナルティ分の税金を納税し、調査終了となります。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

会社の税務調査でチェックされやすいポイント

会社に税務調査が入った場合、調査官から指摘されやすいのは次のようなポイントです。

売上の計上漏れ

売上を本来よりも低く計上すれば、課税所得額が低くなり、納税額も低くなります。そのため、売上がすべて正しく計上されているか、請求書や入金情報などもチェックしながら厳しい確認が行われます。現金取引は、記録が残りにくいため、現金取引が多い会社の場合は特に厳しく内容をチェックされる可能性があるでしょう。

また、会社の場合、法人名義の口座ではなく、役員名義の個人口座などに入金されていないかといった点も確認されるケースがあります。

そのほか、売上の期ずれも税務調査時に指摘されやすいポイントです。基本的に売上は、入金されたタイミングではなく、売上が確定したタイミングで計上しなければなりません。売上の計上時期がずれると課税所得額が変動するため、中には意図的に売上の計上時期をずらす会社があるのです。

売上の計上漏れがないか、計上時期のズレがないかという点は、会社に対する税務調査で必ずチェックされる項目であるともいえます。

経費の水増しはなされていないか

経費も課税所得額に影響を与える要素の一つです。事業のために必要となった支出は経費として計上して問題ありません。しかし、プライベートな支出まで経費として計上したり、実際には支払っていない架空の人件費などを計上したりといった不正が行われる事例は少なくありません。

税務調査では、領収書や請求書などの情報をチェックしながら、経費に計上された額が正しいものであるかを確認していきます。特に、交際費についてはプライベートな支出が混じりやすい傾向にあり、誰に対し、何のために支出した金額なのかが明確にならない場合、経費計上が否認される可能性もあります。

役員報酬は適切に処理されているか

役員報酬は原則として損金に算入することはできません。しかし、事業年度を通じて毎月一定の額を支払う定期同額給与、事前に支払金額と支払時期を届け出る事前確定届出給与として支給した場合などは、損金算入が可能です。

ただし、定期同額給与を損金に算入する場合、事業年度開始から3か月以内に報酬額を決定しなければなりません。万が一、事業年度開始から4か月以降に支給額を変更していた場合、損金算入は認められないこととなります。

また、事前確定届出給与に関しても、税務署に対して届け出た金額と1円でも違っていた場合、支給日時が違っていた場合、損金算入は認められません。

税務調査では役員報酬が適切に処理されているかについてもチェックされるケースが多くなっています。

そのほか、同業他社や従業員に支給している給与の額と比べ、役員報酬の額が不当に高額であった場合も税務調査で指摘を受ける可能性があります。

棚卸資産の計上が正しいか

棚卸資産は自社で管理するものであり、期末の在庫の調整によって簡単に利益操作を行えるため、税務調査では棚卸資産の計上が正しく実施されているかをチェックするケースが多くなっています。例えば、実際の在庫数よりも帳簿数の在庫を少なくすれば、売上原価を高められるため、課税所得額を圧縮できます。

また、棚卸資産の評価方法については事前に税務署へ申請しなければなりません。税務調査時には棚卸資産の評価についても届け出た方法で正しく評価されているか、チェックされることが多くなります。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

会社の税務調査リスクを抑えるための対策

税務署は対象とする会社を無作為に選んでいるわけではありません。つまり、日頃から正しく経理処理を行い、正しく申告を行っていれば、会社に税務調査が入るリスクは低く抑えることが可能です。

日頃から正しい経理処理を心掛ける

申告書類に不備が多ければ、売上の計上漏れや計算ミスなども多いのではと判断され、税務調査の対象になる可能性が高まります。間違いのない申告書を提出すれば、税務署から目をつけられることもなく、税務調査の対象に選ばれる可能性も低くなるでしょう。

正しい申告書を作るためには、日頃からこまめに記帳をし、計上漏れや仕訳のミスなどを防ぐことが大切です。

証憑書類や関係書類を適切に保管する

請求書や領収書、契約書など、売上や経費に関連する書類は適切に保管しておくことも重要になります。特に交際費の領収書では、参加人数や参加者の氏名、開催目的などを明記したメモを付し、業務に必要な飲食費用であったことを証明できるようにしておくことが大切です。

税理士に申告書類の作成を依頼する

実は税理士との顧問契約の締結も税務調査を受ける確率に影響を与える要素です。税理士は税務のプロであり、税理士が作成した申告書にミスが見られるケースは少ないため、税務署からの信頼度も高められます。

税務調査への不安が大きいようであれば、税理士との顧問契約も視野に入れることをおすすめします。

電話でのお問い合わせ LINEでのお問い合わせ

まとめ

会社に税務調査が入る時期は、明確な決まりはないものの、決算終了から6か月程度が経過した時期に実施されるケースが多いようです。会社に税務調査が入る確率は約1.68%、頻度にして60年に1回と決して高くはありません。

しかし、すべての会社に対してこの確率が適用されるわけではなく、申告の不備や不正が疑われる会社の場合、優先的に税務調査を実施される可能性が高くなる点に注意しなければなりません。

会社に税務調査が入るリスクを低減させたいのであれば、日頃から正しく経理処理を行い、正しく申告を行うことが大切です。


-免責事項-

当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時点の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上

  • 現在、税務調査が入っているので困っている
  • 過去分からサポートしてくれる税理士に依頼したい
  • 税務調査に強い税理士に変更したい
  • 自分では対応できないので、税理士に依頼したい
といったお悩みを抱えている方は、まずは初回電話無料相談をご利用ください。
税務調査の専門家が対応させていただきます。

税理士法人松本の強み

  • 税務署目線、税理士目線、お客様目線の三方良しの考え方でアドバイス
  • 過去の無申告分から現在まですべて対応可能
  • 査察案件から税務署案件までの経験と実績が豊富にあります
  • 顧問税理士がさじを投げた案件も途中から対応できます

30秒で完了かんたん税務調査リスク診断

あわせて読みたい記事

税務調査ブログをもっと見る

税務調査は対応次第で結果が大きく変わります!

税務調査お悩み解決しませんか?
いますぐ電話1本で相談できます!

専門家があなたの税務調査に関する不安を一つ一つ丁寧に解決。
初回有料相談は返金保証付きで、どんな小さなご相談も全国から承ります。

税理士法人松本代表税理士 松本 崇宏

30秒で完了かんたん税務調査リスク診断