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税務調査は現金商売だと厳しく調査されるって本当?対応方法を解説

読了目安時間:約 6分

電子マネーが普及し、キャッシュレス化が進む中でも、現金での支払いが多い、いわゆる「現金商売」はまだ根強く残っています。現金商売は、税務調査の対象に選ばれやすく、さらには、税務調査時に細部まで厳しく調査が行われるという話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

税務調査が厳しく実施されるという噂は、現金商売を営んでいる方にとって大きな不安を引き起こす要素となります。実際、現金商売の場合、税務調査が入りやすく、厳しく実施されるのでしょうか。

今回は現金商売を巡る税務調査の実態や税務調査時の注意点などについて解説します。

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税務調査と現金商売について

まずは、税務調査と現金商売の言葉の意味から確認していきましょう。

税務調査とは

税務調査とは、税務署や国税局によって実施される調査のことです。税務調査では、申告内容が正しいものであるかを細かくチェックします。

日本では、申告納税制度を採用しているため、中には、正しく申告をせずに税金を不正に逃れようとする法人や個人がいるのも事実です。また、意図的ではなくとも、税務の知識が少ないために結果として申告している税金の額が不足するケースもあります。

税務調査は、適正かつ公平な課税を実現する目的で実施される調査です。税務調査時に申告漏れなどが指摘された場合には、不足分の税金の納付が求められるとともに、正しく申告を行っていなかったことに対するペナルティが科されます。

現金商売とは

現金商売とは、現金での取引が多いビジネススタイルのことです。法人を対象とした取引の場合、現金での取引が行われることはなく、請求書をもとに金融機関を通じて支払いが行われます。一方、対面スタイルで個人の消費者を対象に営まれる事業では、請求書をもとに銀行に振り込みで代金を請求することはありません。提供する商品やサービスと引き換えに、その場で代金を受け取ることとなります。これが現金商売です。

昨今では、クレジットカードや電子マネーを使った支払いが増えてはいるものの、まだまだ現金で支払われるケースも少なくありません。具体的には、次のような業種が現金商売の代表的なものです。

・飲食業(レストラン、カフェ、居酒屋など)

・小売業(スーパー、コンビニ、パン屋、雑貨屋、花屋など)

・理容・美容業(理髪店、美容室、エステサロン、マッサージサロンなど)

現金商売では、その場で売上を回収できるため商品やサービスをすぐに現金化することができ、キャッシュフローに余裕が生まれるといったメリットがあります。また、キャッシュレス決済を導入する場合に負担が必要となる加盟店手数料の負担が発生しない点も現金商売の魅力です。しかしながら、現金商売をしていると税務署から目をつけられやすいのです。

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現金商売は税務調査の対象に選ばれやすい理由は?

現金商売をしていると、ほかの業種に比べて税務調査の対象に選ばれやすいといわれています。なぜ、現金商売は税務調査の対象となりやすいのでしょうか。それは、現金商売の場合、次のような特徴があるからです。

  • 取引の記録が残りにくい
  • 証拠の隠滅が簡単にできる

取引の記録が残りにくい

まず、金融機関を通して代金の支払いが行われる場合、取引の記録が金融機関側にも残ります。しかし、現金商売の場合、現金を受領しても、客観的な記録が残らないケースが見られます。特に、POSレジを通さずに代金を受け取っているような場合、記録が残らないために売上を簡単に隠蔽することができてしまいます。また、帳簿なども事業主の判断で簡単に操作をすることが可能です。

取引の客観的な記録が残りにくければ、正しく売上を管理しているのかという疑念が生まれやすくなります。そのため現金商売をしている事業者に対しては、税務調査を実施し、あらゆる観点から申告内容が適切であるかをチェックするケースが多いのです。

証拠の隠滅が簡単にできる

POS機能を備えたレジの場合、会計作業と同時に売上や在庫の状況などをリアルタイムで管理できます。そのためPOSレジを通して売上をしっかり管理していれば、現金商売でも正しく申告が行われているとみなされるケースが多いでしょう。

しかし、POSレジを利用せずに手書きの伝票などで管理をしているケースでは、伝票を破棄してしまえば売上の証拠を簡単に隠滅することができてしまいます。また、POSレジを導入していても、一部の売上については意図的にPOSレジを使わずに手書きの領収書を発行するなどして、売上を過少に申告する事例も見られます。

証拠を簡単に隠滅できてしまうことから不正が行われやすく、この点も現金商売の業種が税務調査の対象になりやすい理由です。

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現金商売の税務調査の特徴は?

現金商売に対して実施される税務調査には、他の業種と異なるいくつかの特徴があります。

  • 事前の調査が行われている場合がある
  • 事前通知がなく、突然調査が実施される場合がある
  • 現金のチェックが行われる場合が多い

事前の調査が行われている場合がある

税務調査を実施する際には、申告内容をチェックし、不審な点がないかを事前に調べる準備調査が行われています。しかし、現金商売の業種に対して税務調査を行う場合は、より念入りな準備調査が行われるケースが少なくありません。

個人の消費者向けに商品やサービスを販売している業者の場合、客単価や客数によって売上は変わってきます。現金での取引がメインの場合、取引記録が正しく残されていないケースもあるため、実際の現場を確認しなければ、申告内容が正しいものであるか判断できない場合が多いのです。

事前の調査はお店の外側から客の出入りや外観、立地などを確認し、客を装ってお店を訪れる調査が行われます。客としてお店を訪れれば、店内の広さや客の入り具合、客単価などもチェックできるでしょう。また、レジの使用状況、領収書の保管状況、飲食店であれば伝票の様式などもチェックすることが可能です。さらに、税務調査を実施した際には、調査官が訪問した日の売上の計上状況や自身の売上がしっかり計上してあるのかを確認できます。

これらの調査は外観調査や内偵調査と呼ばれるものです。実際に客としてお店を訪れれば、販売している商品やサービスの価格、客の入り具合などから一日のおおよその売上額を推計することができます。そのため、申告書に記載されている収入額が現実と大きく乖離している場合は、売上の除外などが疑われることとなります。

事前通知がなく、突然調査が実施される場合がある

税務調査を実施する前には、原則として納税者に対し、税務調査を実施する旨を伝えなければならないルールとなっています。この連絡を税務調査の事前通知といいます。

事前通知は、国税通則第74条の9に謳われているルールです。しかし、同法では第74条の10において「事前通知を要しない場合」についても触れており、次のようなケースでは事前通知を行う必要がないとしています。

「申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合」

つまり、事前通知を行うことによって証拠の廃棄や隠蔽がなされるなどして、適正な調査を実施できなくなるおそれがある場合は、事前通知を行う必要はないとしているのです。

現金商売の場合、事前通知を行うと、調査実施前に手書きの伝票や領収書などの証拠を廃棄するおそれがあります。証拠書類が隠滅されてしまえば、正しい税額を把握できません。そのため、現金商売に対して税務調査を実施する場合は、事前通知がなされないケースもあり、突然、調査官が訪れて、調査が開始される可能性がある点を理解しておいた方がよいでしょう。

現金のチェックが行われる場合が多い

現金商売に対する税務調査の3つ目の特徴は、調査時に現金をチェックされる可能性がある点です。税務調査時では、売上が漏れなく計上されているか、経費の過剰計上などはないか、帳簿などと照合しながらチェックが行われます。現金商売の場合でも、売上の記録について調査がなされますが、加えて、現物の現金についてもチェックされるケースが一般的です。帳簿の残高とレジ内や金庫内に保管されている現金の残高がずれていれば、杜撰な管理体制が露見することとなります。さらに、売上の計上漏れについての疑いが強まることとなるでしょう。

その他、税務調査時には営業終了後の現金の保管方法や銀行への預け入れのタイミングなどについても細かくチェックされます。一定のルールに従い、正しく管理をしていない場合、さらに厳しい追及がなされることが予想されます。

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現金商売の税務調査対策

現金商売をしている事業者に税務調査が入った場合、厳しい調査が実施される傾向が見られます。税務調査で売上の計上漏れや意図的な売上の隠蔽などを指摘されれば、過少申告加算税や重加算税などのペナルティが科されます。不要な疑いを避けるためには、日頃から正しく売上と現金を管理しておくことが大切です。

現金商売を営む事業者ができる税務調査対策を4つご紹介します。

売上管理を徹底する

現金商売であっても、日々の売上については正確に記録をし、保管をしておかなければなりません。営業終了後には、レジ内の残高と帳簿上の残高を確認し、残高にずれがないかをチェックします。売上額はできれば毎日、全額を銀行に入れる習慣をつけると、入金記録がそのまま売上の記録となるため、税務調査時にも正確な申告の証明として利用しやすくなります。

また、レジ締めの際にレジから発行される日計表も大切な書類となるものです。日計表と通帳の入金額が一致すれば、より売上の正確な管理を裏付けることができます。日計表もしっかりと保管するようにしましょう。

帳簿や書類の管理も厳格化する

税務調査では、申告内容について帳簿をもとにチェックしますが、帳簿のもととなる領収書や請求書などの証憑書類のチェックも厳しく行います。例えば、領収書の控えをチェックする際、発行ナンバーがずれていると売上の中抜きをしたのではと疑われることとなります。領収書の控えや注文伝票はもちろん、書き損じた領収書やキャンセルとなった注文伝票なども保管しておくことが大切です。

帳簿や書類の不備があれば、不自然さを疑われることとなるため、書類についてもしっかり整理し、確実に保管をしておくようにしましょう。

在庫管理を徹底する

税務調査時には在庫についても厳しいチェックがなされます。特に、仕入額に対して売上が小さい場合などは、除外している売上があるのではという疑いに繋がるおそれがあります。また、在庫を少なく計上することで売上原価を高く見せかけるという不正は税務調査時によく発覚する手口です。そのため、税務調査時には実際の在庫の数や帳簿上の在庫の数などもチェックされることが多くなります。

もし、何らかの理由によって在庫の廃棄が多くなった場合などは、税務調査時に在庫の廃棄が増えた理由を明確に説明できるよう準備しておきましょう。

キャッシュレス決済の導入を検討する

現金商売には、売上をすぐ現金化できるなどのメリットがありますが、どうしても税務署からの視線は厳しくなりがちです。キャッシュレス決済を導入すると、決済手数料の負担などが生じますが、第三者を介して金銭のやり取りが行われるため、客観的な証拠を残しやすく、現金商売の不透明さを軽減することができます。

また、キャッシュレス決済が浸透する今、現金を持ち歩かない人も増えており、支払い方法の選択肢を増やすことで客の利便性が高まり、売上増加に繋がる可能性もあります。まだ、現金のみを取り扱っている場合は、キャッシュレス決済の導入も検討してみるとよいでしょう。

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まとめ

現金商売は、記録に残らない現金でのやり取りが売上の中心となるため、取引の実態が見えにくく、現金商売の業種を営んでいる場合、税務調査の対象に選ばれやすくなります。さらに、他の業種のように金融機関などの第三者に客観的な証拠が残されていないために、内偵調査が実施され、事前通知なしでいきなり調査が開始されるケースも見られます。

現金商売であっても、レジの日計表と現金残高を確認し、日々の売上を全額入金するなど、売上管理を徹底すれば、税務調査が入っても申告内容が適正であることを証明しやすくなります。また、取引記録が残りやすいクレジットカード決済や電子マネー決済などの導入も検討してみるとよいでしょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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