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管轄税務署とは?個人・法人の確定申告先と税務調査の関係

管轄税務署

読了目安時間:約 8分

確定申告書や税務関係の届出書は、原則として、納税地を担当する「管轄税務署」へ提出します。

管轄税務署の決まり方は個人と法人で異なり、引越しや本店移転、海外転居などによって提出先が変わる場合もあります。また、書類の郵送先が税務署ではなく、業務センターに指定されているケースもあるため注意が必要です。

2025年1月からは、書面で提出した申告書などの控えへの収受日付印も廃止されました

本記事では、管轄税務署の決まり方や調べ方、申告書の提出方法、提出先を間違えた場合の対応について解説します。

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管轄税務署とは

管轄税務署とは

管轄税務署とは、納税者の住所や法人の本店所在地など、一定の地域を担当する税務署です。税法上は「所轄税務署」と表記されることもあります。

所得税や法人税、消費税などの申告書は、基本的に納税地を管轄する税務署長へ提出します。開業届や青色申告承認申請書、法人設立届出書なども、管轄税務署が提出先になる場合があります。

管轄税務署は、自宅や事業所から最も近い税務署とは限りません。同じ市区町村内でも、地域によって担当が分かれていることがあります。反対に、複数の市区町村を一つの税務署が担当しているケースもあります

そのため、申告書や届出書を提出する前に、正式な管轄税務署を確認することが大切です。税務署名だけでなく、窓口の所在地や郵送先も併せて確認しましょう。

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管轄税務署は個人と法人で決まり方が異なる

管轄税務署は個人と法人で決まり方が異なる管轄税務署は、原則として「納税地」を基準に決まります

区分 原則となる納税地 主な注意点
個人 住所地 実際の生活の本拠を基準にする
個人事業主 原則として住所地 手続きにより事業所所在地を納税地にできる場合がある
法人 本店または主たる事務所の所在地 支店や営業所ではなく、原則として本店所在地を基準にする

個人の管轄税務署は原則として住所地で決まる

国内に住所がある個人は、原則として、その住所地が所得税の納税地になります。ここでいう住所とは、住民票上の住所だけでなく、実際の生活の本拠となっている場所です。

たとえば、勤務先が東京都内にあっても、生活の本拠が神奈川県の自宅にある場合は、原則として神奈川県の住所地を担当する税務署が管轄税務署になります。国内に住所がなく、継続して住んでいる居所がある場合は、その居所地が納税地となります。

確定申告書の提出先は、原則として申告書を提出する時点の納税地を基準に判断します。前年中に引越しをしている場合は、以前の住所を管轄する税務署へ提出しないよう注意しましょう

個人事業主は事業所を納税地にできる場合がある

個人事業主も、原則として住所地が納税地です。自宅とは別に店舗や事務所を設けていても、管轄税務署が自動的に事業所所在地へ変わるわけではありません。

しかし、所定の手続きを行うことで、住所地に代えて事業所所在地を納税地にできる場合があります。

たとえば、自宅とは別の場所に店舗を構え、日常的な業務や帳簿管理をその店舗で行っている場合に、事業所所在地を納税地とするケースがあります

事業所所在地を納税地とする場合は、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を提出します。住所地と事業所所在地のどちらを納税地にすべきか迷う場合は、税務署や税理士へ確認しましょう。

法人は本店または主たる事務所の所在地で決まる

法人の納税地は、原則として、登記されている本店または主たる事務所の所在地です。その所在地を管轄する税務署が、法人税や消費税などの申告先になります。

支店や営業所、工場などを複数設けていても、通常は本店所在地を基準に管轄税務署が決まります。

本店を移転した場合は、変更登記に加えて、税務署へ異動届出書を提出する必要があります。都道府県税事務所や市区町村にも届出が必要になることがあるため、併せて確認しましょう。

移転日と登記日が異なる場合などは、書類に記載する日付を間違えないよう注意が必要です

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自分の管轄税務署を調べる方法

自分の管轄税務署を調べる方法

管轄税務署は、国税庁のWebサイトや、税務署から届いた書類などで確認できます。具体的に自分の管轄税務署を調べる方法については、以下の2つが挙げられます。

  • 国税庁のWebサイトで郵便番号や住所から検索する
  • 申告書や税務署から届いた書類でも確認できる

それぞれの方法について解説していきます。

国税庁のWebサイトで郵便番号や住所から検索する

国税庁のWebサイトでは、郵便番号や住所から管轄税務署を検索できます。税務署の名称や所在地、電話番号、管轄区域などを確認することが可能です。

住所を入力するときは、都道府県や市区町村だけでなく、町名まで確認しましょう。同じ市内でも、町名によって担当税務署が異なることがあります。

書類を郵送する場合は、税務署の所在地だけでなく、申告書や届出書の郵送先も確認しましょう。

税務署によっては、内部事務を業務センターで集約しているため、窓口所在地と郵送先が異なります。業務センターは郵送先であり、原則として書類を直接持参する場所ではありません

申告書や税務署から届いた書類でも確認できる

過去の申告書や、税務署から送付された納付書、予定納税の通知書、各種案内にも、担当税務署が記載されていることがあります

しかし、引越しや本店移転後は、過去の書類に記載された税務署が現在の管轄税務署とは限りません。最新情報は、国税庁のWebサイトで確認しましょう。

e-Taxを利用している場合は、過去の受信通知から提出先税務署を確認できることもあります。

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状況別に確認する管轄税務署と確定申告の提出先

状況別に確認する管轄税務署と確定申告の提出先

引越しや本店移転、海外転居、相続などがあった場合は、提出先を改めて確認する必要があります。状況別に確認する管轄税務署と確定申告の提出先については、以下の3つが挙げられます。

  • 引越しや本店移転をした場合
  • 自宅とは別に事業所を設けている場合
  • 海外転居や相続が発生した場合

それぞれの項目について解説していきます。

引越しや本店移転をした場合

個人が引越しをした場合、所得税の確定申告書は、原則として提出時点の納税地を管轄する税務署へ提出します。

たとえば、前年中に引越しを済ませ、確定申告時点では新しい住所で生活している場合は、新住所を担当する税務署が提出先になるのが基本です。

法人が本店を移転した場合は、異動届出書を提出します。管轄税務署が変わる場合は、基本的に移転前の管轄税務署へ届け出ます。

自治体をまたいで移転する場合は、都道府県や市区町村への届出も確認してください

自宅とは別に事業所を設けている場合

自宅と店舗・事務所の所在地が異なる個人事業主は、どちらを納税地としているか確認しましょう。

特別な申出をしていなければ、原則として住所地が納税地です。事業所所在地を納税地とする申出を行っている場合は、その所在地を管轄する税務署へ申告します。事務所を移転した場合は、過去に提出した届出の内容と現在の事業実態が一致しているか確認することも大切です。

住所地と事業所所在地の管轄が異なる場合は、申告直前になって迷わないよう、事前に提出先を確認しておきましょう

海外転居や相続が発生した場合

海外へ転居した後も、日本国内の不動産所得などがある場合は、日本で確定申告が必要になることがあります。その場合は、申告や納税、税務署からの書類の受け取りを行う「納税管理人」を選任し、届出書を提出します。

また、亡くなった人の所得について準確定申告を行う場合は、相続人の住所地ではなく、亡くなった人の死亡時の納税地を管轄する税務署が提出先です。

準確定申告の期限は、原則として相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。通常の確定申告より期限が短いため、早めに必要書類を確認しましょう。

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管轄税務署へ確定申告書や届出書を提出する方法

管轄税務署へ確定申告書や届出書を提出する方法

確定申告書や届出書は、主に次の方法で提出できます。

提出方法 主なメリット 注意点
e-Tax 自宅や事務所から提出できる 送信後に受信通知を確認する
郵送 税務署へ出向かずに提出できる 業務センターが郵送先の場合がある
窓口・時間外収受箱 書面を直接提出できる 控えへの収受日付印は押されない

それぞれの方法について解説していきます。

e-Taxを利用してオンラインで提出する

e-Taxを利用すれば、インターネット上で確定申告書や各種届出書を提出できます。

所得税の確定申告では、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用し、画面の案内に沿って申告書を作成・送信できます。送信後は、次の内容を確認しましょう。

  • 提出先税務署
  • 受付日時
  • 受付番号
  • エラーの有無

受信通知は、提出記録としてPDFなどで保存しておくと安心です。送信が完了したと思っていても、通信エラーなどにより正常に受け付けられていない可能性があるため、必ず確認しましょう。

管轄税務署や業務センターへ郵送する

申告書や届出書は、郵便または信書便で提出できます

郵送先は管轄税務署の所在地とは限らず、指定された業務センターになることがあります。国税庁のWebサイトで最新の郵送先を確認しましょう。郵送前には、次の点を確認してください。

  • 管轄税務署名
  • 正しい郵送先
  • 添付書類の不足
  • 申告書のコピー
  • 郵便の送付記録

郵便や信書便で送付した場合は、原則として通信日付印の日が提出日とみなされます。期限直前に送る場合は、郵便局の窓口から、記録が残る方法で差し出すと安心です。

封筒には税務署名や業務センター名を正確に記載し、書類が折れたり汚れたりしないように封入しましょう。

税務署の窓口や時間外収受箱へ提出する

書面の申告書は、管轄税務署の窓口へ持参できます。

税務署の通常の開庁時間は、原則として平日の午前8時30分から午後5時までです。申告内容の相談には、事前予約が必要になることがあります

開庁時間外は、税務署に設置された時間外収受箱へ投函できます。ただし、業務センターへ直接持参することはできません。2025年1月以降は、窓口で提出しても控えに収受日付印は押されないため、提出前に書類のコピーを取り、提出日を記録しておきましょう。

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管轄税務署を間違えて申告した場合の対応

管轄税務署を間違えて申告した場合の対応

管轄外の税務署へ申告書を提出した場合は、放置せず、提出した税務署または本来の管轄税務署へ早めに連絡しましょう。基本的な対応は次のとおりです。

  • 実際に提出した税務署を確認する
  • 提出先の税務署へ処理状況を確認する
  • 転送または再提出が必要か確認する
  • 税務署の案内に従って手続きを行う

それぞれの対応について解説していきます。

提出先を間違えたら早めに税務署へ連絡する

提出先の誤りに気づいた場合は、実際に提出した税務署へ連絡し、申告書の処理状況を確認します。

本来の管轄税務署へ転送される場合もあれば、再提出を求められる場合もあります。e-Taxで提出先を誤った場合も、受信通知を確認したうえで税務署へ相談しましょう

連絡した日時や担当者名、案内された内容を記録しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

対応が遅れると期限後申告になるおそれがある

管轄外の税務署へ提出したからといって、必ず期限後申告になるわけではありません。

しかし、税務署から再提出を求められたにもかかわらず対応せず、申告期限を過ぎると、期限後申告として扱われるおそれがあります。

期限後申告では、無申告加算税や延滞税が発生する場合もあるため、誤りに気づいた時点で早めに対応しましょう

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管轄税務署と税務調査の関係

管轄税務署と税務調査の関係

確定申告後、申告内容について、管轄税務署から問い合わせや資料提出の依頼を受けることがあります

申告後に税務署から問い合わせを受ける場合がある

申告書の記載漏れや添付書類の不足、過去の申告内容との大きな違いなどがある場合、税務署から電話や文書で確認を受けることがあります。

問い合わせを受けたからといって、必ず税務調査が行われるわけではありません。簡単な内容確認や書類の追加提出で終わる場合もあります

税務調査が行われる場合は、原則として、調査日時や対象税目、対象期間などが事前に通知されます。連絡内容が分からない場合は、税務署へ確認したうえで対応しましょう。

申告内容と帳簿・請求書の不一致に注意する

個人事業主や法人は、確定申告書の金額と、帳簿、請求書、領収書、預金通帳などの内容を一致させる必要があります。売上の計上漏れ、経費の二重計上、私的な支出の混入などがあると、税務署から説明を求められる可能性があります。

会計ソフトを利用している場合も、自動で登録された勘定科目や税区分が正しいとは限りません。申告前に、帳簿残高や売上・経費の内容を確認しましょう

特に現金取引や未収入金、未払金が多い場合は、計上時期にずれがないか見直すことが大切です。

引越しや本店移転後も帳簿書類を保存する

引越しや本店移転によって管轄税務署が変わっても、帳簿や請求書、領収書などの保存義務はなくなりません。

移転前の期間について、移転後に税務調査が行われる場合もあります。法令で定められた期間中は、帳簿書類を適切に保管しましょう

移転作業の際は、税務関係の書類を紛失しないよう、保管場所を決めて整理しておくことが重要です。

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2025年以降に管轄税務署へ申告するときの変更点

2025年以降に管轄税務署へ申告するときの変更点

2025年以降は、申告書の控えの扱いや所得税の控除制度に変更があります。具体的な変更点については、以下の3つが挙げられます。

  • 申告書等の控えへの収受日付印が廃止された
  • 2025年度税制改正は2026年の確定申告にも影響する
  • e-Taxの受信通知などで提出記録を残す

それぞれの変更点について解説していきます。

申告書等の控えへの収受日付印が廃止された

2025年1月から、税務署は書面で提出された申告書や届出書の控えに、収受日付印を押さなくなりました。

そのため、窓口や郵送で提出しても、日付印が押された控えは受け取れません。郵送する場合も、原則として提出用の書類だけを送付します。

書面で提出する場合は、申告書のコピーや郵便の引受記録、追跡結果などを保存しておきましょう。融資や補助金の申請などで申告書の提出事実を確認される可能性があるため、提出記録を残すことが重要です。

2025年度税制改正は2026年の確定申告にも影響する

2025年度税制改正では、所得税の基礎控除や給与所得控除などが見直されました。一部は2025年分の所得税から適用されるため、2026年に行う確定申告にも影響します。

前年の申告書や古い情報をそのまま使用せず、申告する年分に対応した国税庁の確定申告書等作成コーナーや手引きを確認しましょう。

控除額や所得要件は納税者の所得状況によって異なる場合があるため、自分に該当する内容を確認する必要があります。

e-Taxの受信通知などで提出記録を残す

e-Taxで申告書を送信すると、受信通知で受付日時、受付番号、提出先税務署などを確認できます。

受信通知は永久に保存されるわけではないため、PDFとして保存したり、印刷したりして、申告書のデータと一緒に保管しましょう

書面で提出する場合も、申告書のコピーや郵便の送付記録などを残すことが大切です。毎年同じ場所に保存するルールを決めておくと、後から確認しやすくなります。

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管轄税務署を確認して正しく確定申告しよう

管轄税務署を確認して正しく確定申告しよう

今回は、管轄税務署について紹介しました。

確定申告書や税務関係の届出書は、原則として納税地を管轄する税務署へ提出します。個人は住所地、法人は本店または主たる事務所の所在地が基本ですが、引越しや本店移転などにより提出先が変わることがあります。

管轄税務署や郵送先は、国税庁のWebサイトで確認できます。2025年1月からは控えへの収受日付印が廃止されたため、e-Taxの受信通知や郵便の送付記録を保管しておきましょう

提出先に迷う場合は、申告期限前に税務署や税理士へ確認することが大切です。

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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