メニュー
読了目安時間:約 8分
副業が勤務先に知られた場合の影響は、会社の就業規則と税金の申告状況によって異なります。副業そのものは原則として違法ではありませんが、無断で行ったことや副業の内容によっては、会社から注意や面談、始末書の提出、戒告などを求められる可能性があります。
ただし、就業規則に反したからといって、直ちに解雇されるわけではありません。本業で遅刻・欠勤が増えた、競合する仕事をした、顧客情報や営業秘密を漏らしたといった事情があると、処分が重くなるおそれがあります。副業の発覚に不安を感じている場合は、まず勤務先の就業規則と副業の実態を確認してください。
会社に知られることと、税務上の申告義務は別の問題です。税務署や自治体から所得税・住民税の申告漏れを指摘された場合は、本来納める税金に加え、無申告加算税や延滞税がかかる可能性があります。副業の所得区分や申告の要否は収入の内容によって変わるため、国税庁の案内も確認が必要です。
この記事では、勤務先に発覚する主な経路、会社で想定される処分、申告していない場合の税務上の負担、発覚後に確認すべき事項を分けて説明します。未申告が複数年にわたる場合や税務署から連絡が来ている場合は、税理士へ早めに相談することをご検討ください。
目次
副業を勤務先に知られた場合、就業規則に届出や許可の定めがあるにもかかわらず無断で行っていれば、注意、始末書、戒告などの対象になり得ます。ただし、副業をしていた事実だけで懲戒解雇が当然に認められるわけではありません。
処分の妥当性は、副業の内容や頻度、本業への影響、会社との信頼関係への影響を踏まえて個別に判断されます。厚生労働省も、副業・兼業は原則として認める方向性を示しつつ、一定の場合には会社が制限できると整理しています。厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
本業への支障、競業、秘密漏えい、会社の信用を傷つける行為がある場合は、処分が重くなる可能性があります。無断であったことに加え、会社に具体的な不利益やリスクが生じているかが確認されます。
反対に、就業規則上は届出が必要であっても、副業が短時間で本業に影響がなく、競業や情報漏えいもない場合には、処分の重さは事情によって異なります。会社から説明を求められたときは、隠蔽を重ねず、副業の内容、開始時期、稼働時間、本業への影響を事実に沿って整理して伝えることが必要です。
公務員には営利企業への従事等に制限があり、民間企業の会社員とは異なるルールが適用されます。そのため、民間企業で認められ得る副業であっても、公務員では問題となる可能性があります。
また、雇用契約ではなく業務委託契約で仕事をしている場合は、就業規則の適用関係や労働時間の管理が雇用されている会社員とは異なります。契約書の副業、競業避止、秘密保持に関する条項を確認し、処分や契約解除を示唆された場合は、労働問題に詳しい弁護士への相談も検討してください。
副業が会社に発覚するきっかけは、住民税だけではありません。住民税額の変化で気づかれる場合もありますが、SNS、同僚や取引先からの情報、本業への勤務態度の変化などから知られるケースもあります。
発覚後の影響は、副業の内容や就業規則、本業への支障の有無によって異なります。まずは、どの経路で知られる可能性があるかを把握し、税務上の申告・納付と会社への説明を分けて考えることが必要です。
副業による所得が増えると、翌年度の住民税額が上がり、給与から天引きされる金額も変わります。その変化を見た会社の給与担当者が、不自然に感じて質問する場合があります。
ただし、会社に届く住民税の通知書に、副業先の名称や副業所得の詳しい内訳が通常そのまま記載されるわけではありません。住民税が高いという事情だけで、会社が副業の内容まで特定できるとは限りません。
実際には、税金の通知よりも、人を介した情報や日常の行動から副業を知られることがあります。副業先が本業と近い業界にある場合は、取引先や知人を通じて情報が伝わる可能性にも注意が必要です。
副業を隠す行動が、会社の情報や信用を損なう行為につながると、問題が大きくなるおそれがあります。副業に会社の設備や情報を使わず、本業の勤務時間と明確に分けることが大切です。
給与以外の副業所得については、確定申告時に住民税を「自分で納付」として、普通徴収を希望できる場合があります。雑所得、事業所得、不動産所得などがある場合の取扱いは、自治体にも確認してください。
一方で、副業先から受け取る収入が給与所得であるときは、自治体の取扱いによっては本業の給与と合算され、勤務先で特別徴収となるケースがあります。別の会社でアルバイトをしている場合は、普通徴収を希望しても分けられない可能性があります。
住民税の納付方法は、副業を隠すためではなく、所得を正しく申告・納付するために確認するものです。申告漏れや過去分の収入がある場合は、収入・経費・支払記録を確認したうえで、税理士に相談して手続きを判断するとよいでしょう。
申告が必要な副業所得を申告していない場合、本来納める所得税に加え、無申告加算税や延滞税を請求される可能性があります。住民税も別途課税されるため、会社に副業が知られたかどうかとは別に、税務上の申告漏れを確認する必要があります。
原稿料、配達代行、フリマ・ネット販売、アフィリエイト、クラウドソーシングの報酬などは、実態に応じて雑所得または事業所得になります。不動産賃貸の収入は不動産所得、別の会社で雇用されて得る収入は給与所得です。
申告の判定に使うのは売上ではなく、原則として収入から必要経費を差し引いた所得です。給与所得者は、給与以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。副業が給与の場合は、年末調整されなかった給与と他の所得の合計額で判断します。
医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要となる場合があるため、居住地の自治体の案内を確認してください。
税務署に申告漏れを指摘された場合、本来の所得税と住民税のほか、無申告加算税、延滞税が課される可能性があります。税務署から連絡を受ける前に期限後申告と納付を検討することが、負担を抑えるための選択肢になります。
国税庁の案内によると、2026年時点では、税務署からの事前通知前に自主的に期限後申告をした場合の無申告加算税は原則5%です。一方、調査後は原則15%以上となり、納付税額が大きい部分は税率が上がります。
売上を隠す、架空の経費を計上するといった仮装・隠蔽がある場合は、重加算税の対象となるおそれがあります。請求書、領収書、レシート、契約書、入出金履歴、売上管理表を保存し、経費の内容を合理的に説明できるようにしてください。
帳簿や証憑がないと、支出していても必要経費として認められないおそれがあります。当事務所に寄せられるご相談の傾向として、税務署からのお尋ねやお知らせを放置し、事態が動いてから相談に来られる方が多いため、書面が届いた段階で税理士に相談することをおすすめします。
副業の発覚後は、会社のルールと税務申告を分けて確認し、事実に沿って早めに対応することが大切です。会社から指摘された場合、申告漏れに気づいた場合、両方が重なった場合で、次に行う手続は異なります。
その場しのぎで否定したり、事実と異なる説明をしたりせず、副業の内容を整理して説明してください。まず就業規則、雇用契約、副業届の規定を確認し、届出制・許可制かどうかを把握します。
届出や許可が必要なら、会社と継続の可否を相談します。競業行為、秘密漏えい、勤務時間の重複、本業への支障がある場合は、副業の停止や稼働時間の縮小も速やかに検討してください。
未申告の収入がある場合は、売上・報酬、必要経費、源泉徴収額を年分ごとに集計してください。銀行口座の入出金、支払調書、プラットフォームの取引履歴、領収書などを確認し、過去に提出した申告書も見直します。
申告していない年分は期限後申告、すでに申告した内容に漏れがある場合は修正申告が必要になることがあります。国税庁の案内でも、期限後申告では無申告加算税が課され得ると示されています。
税務署から連絡や調査通知を受ける前に、申告と納付を検討することが負担を抑える一歩です。納付額が大きく一度に納めることが難しい場合は、放置せず早めに税務署へ納付の相談をしてください。
申告後も、請求書、領収書、入出金記録を残し、翌年以降の記帳と申告方法を整えます。副業の所得区分や経費の判断に迷う場合は、税理士に確認するほうが安全です。
税務申告を先送りせず、会社には就業規則に沿って副業の事実と是正案を説明してください。説明を重ねて隠すほど、会社との信頼関係や税務上の説明が難しくなるおそれがあります。
副業を続けるかは、本業のパフォーマンスや健康への影響、競業・秘密保持・信用毀損のリスク、会社のルールに適合できるか、記帳と申告を継続できるかで判断します。懲戒処分や多額の追徴課税が見込まれる場合は、税理士に加え、内容に応じて社労士や弁護士への相談も検討してください。
副業による会社とのトラブルを防ぐには、隠し方を考える前に、勤務先のルールと副業の運用を見直す必要があります。就業規則に反する行為や、本業の情報・時間を副業に使う行為は、発覚時の問題を大きくするおそれがあります。
まず、就業規則と雇用契約書で、副業禁止、届出制、許可制のいずれに当たるかを確認してください。あわせて、競業避止や秘密保持に関する条項も読み、副業の内容が勤務先の事業と競合しないかを検討します。
勤務先によっては、グループ会社や取引先で働くことも制限の対象です。本業に支障がないと思っていても、取引先との関係や顧客の取り合いが問題になる場合があるため、副業先との関係を確認しておきましょう。
本業の勤務時間中に副業をせず、会社から貸与された機器や情報を副業に持ち込まないことが必要です。会社のPC、スマートフォン、メール、クラウドストレージを副業に使うと、利用記録から把握される可能性があるだけでなく、情報管理上の問題にもなります。
副業の内容を本業から切り離し、秘密情報や顧客情報を扱わない運用が必要です。
税務処理は、収入が少ない段階から始めてください。売上、必要経費、入出金日、取引先を月ごとに記録しておくと、確定申告の要否を判断しやすくなり、後から取引を集め直す負担も抑えられます。
副業専用の口座やクレジットカードを分ければ、私的な支出との混在を避けやすくなります。確定申告が必要か迷うときは、早い段階で税務署または税理士に確認することをおすすめします。
当事務所に寄せられるご相談の傾向として、無申告の期間が長い方ほど、何から手を付ければよいか分からない状態になりがちです。売上・経費・入出金記録を確認するところから始めれば、申告に必要な対応を整理できます。
SNSで副業実績や報酬を公開している場合は、勤務先が分かる情報と結び付かないかを確認してください。実名、顔写真、勤務先名、役職、業界が分かる投稿が重なると、同僚や取引先から副業を把握されるきっかけになります。
すでに副業が知られている場合でも、投稿の削除だけで問題が解決するとは限りません。就業規則、勤務時間、競業や情報利用の有無、税務申告の状況を事実に沿って確認し、判断に迷う点は税理士や労働問題に詳しい専門家へ相談してください。
副業が発覚しても、必ず解雇されるわけではありません。就業規則の届出・許可の定め、無断で始めた経緯、本業への支障、競業や秘密漏えいの有無などを踏まえて個別に判断されます。業務委託か雇用かだけで決まるものではないため、就業規則と副業の実態を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
給与所得者は、副業の売上ではなく必要経費を差し引いた所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要となる場合があります。ただし、住民税の申告が必要になる可能性があり、別会社から受け取る給与分の住民税は本業先で特別徴収となる扱いが多いため、居住地の自治体へ確認が必要です。国税庁の申告要件も確認しましょう。
放置せず、売上・必要経費・入出金記録などを集め、期限後申告または修正申告を検討してください。税務署から通知を受ける前に自主的に申告する場合、無申告加算税は原則5%である一方、調査後は原則15%以上となります。複数年分の未申告や金額が大きい場合は、無申告加算税の取扱いを確認したうえで、税理士に相談するとよいでしょう。
副業が勤務先に知られた場合は、就業規則に反していないか、本業の勤務に支障が出ていないか、競業や秘密漏えいがないかを確認する必要があります。無断で副業をしていたという事情だけで直ちに解雇されるわけではありませんが、内容や会社への影響によっては注意、始末書、戒告などの懲戒処分の対象になり得ます。
税務面では、副業による所得を申告していなければ、所得税や住民税の申告漏れとなる可能性があります。本税に加え、無申告加算税や延滞税が発生することもあるため、申告が必要か不明なまま放置しないことが大切です。
副業を隠し通す方法を探すより、勤務先の就業規則や届出の要否を確認し、売上・経費・入出金記録を残したうえで正確に申告してください。所得税の確定申告が不要となる場合でも、住民税の申告が必要になることがあるため、収入ではなく必要経費を差し引いた所得額と副業の内容を確認しましょう。
すでに発覚した場合も、事実と異なる説明を重ねたり、資料を隠したりせず、会社の問題と税金の問題を分けて早めに対応してください。副業の発覚後は、隠蔽や放置よりも、事実関係と申告状況を確認して行動することが求められます。
複数年にわたる未申告がある場合や、税務署から連絡を受けている場合は、必要資料や申告内容の判断が複雑になりがちです。税務調査への対応は初動で結果が変わるため、不安があるときは税務調査に強い税理士へ早めに相談してください。
税務署から調査の連絡が届いている方は、日程が決まる前のご相談をおすすめしています。
受付時間外やお電話が難しい場合は、LINE・メール相談もご利用いただけます。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者30万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
税理士法人松本の強み
30秒で完了かんたん税務調査リスク診断
←前の記事
パチンコの勝ち分は税金がかからない?バレないと言われる理由と実際のリスク
あわせて読みたい記事
無申告
税務調査
税務調査は対応次第で結果が大きく変わります!
税務調査のお悩み解決しませんか?いますぐ電話1本で相談できます!
専門家があなたの税務調査に関する不安を一つ一つ丁寧に解決。初回有料相談は返金保証付きで、どんな小さなご相談も全国から承ります。