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つまみ申告がバレたらどうなる?過少に申告した場合のリスクについて

2024.06.10

つまみ申告という言葉をご存じでしょうか。税務調査でつまみ申告が発覚すると、申告の修正が求められると同時に、不足分の税額の納付とペナルティ分の加算税の納付も求められます。
また、つまみ申告は、脱税行為に該当するとみなされ、多額の加算税が課されるケースもあります。法人や個人事業主として事業を営んでいる方だけでなく、副業をされている会社員の方もつまみ申告を行っていると、大きなリスクを背負う可能性があるのです。
今回は、つまみ申告の概要とつまみ申告が発覚した場合のリスクについてご説明します。

 

つまみ申告とは

つまみ申告とは、申告すべき売上や収入の中から一部だけをつまみ出して、過少に申告をする行為を指す言葉です。
確定申告の際には、全ての売上や収入から経費を差し引く形で所得額を確定しなければなりません。しかし、つまみ申告により特定の売上や収入だけをピックアップして申告を行うと、当然、課税所得額は小さくなり、納税額も少なくなります。つまみ申告は、所得隠しに該当する行為になるのです。

 

つまみ申告で1億9,300万円の所得隠しが発覚したケースも

2023年9月には、茨城県の農業を営む男性が、つまみ申告によって1億9,300万円もの所得を隠していたと、水戸地検に告発されたニュースが報道されています。男性はサツマイモの売上をつまみ申告によって過少に申告し、所得税約8,200万円を脱税したとの疑いから国税局によって告発されたのです。
また、2017年には、兵庫県の水道配管工事会社が同じくつまみ申告の手口で脱税をしたと神戸地検に告発されています。この会社は、3年間の実際の所得額が1億5,000万円程度であったにもかかわらず、つまみ申告によって所得額をわずか1,800万円として申告していたのです。所得税約4,600万円の脱税にあたるとし、過少申告加算税を含む約5,300万円の追徴課税がなされ、修正申告を行ったとされています。

 

つまみ申告がバレた場合のリスク

税務調査でつまみ申告がバレた場合、不足分の所得税の納税とペナルティとしての加算税の納付が求められます。


過少に申告した場合に課せられる加算税

つまみ申告は、意図的に過少に申告する行為となり、つまみ申告が発覚した場合には追徴課税がなされます。過少申告が指摘された場合の加算税には過少申告加算税と重加算税の2つがあります。
過少申告加算税は、申告はしたものの納税額が少なかった場合に課せられる加算税です。過少申告加算税の税率は、追加で納めることになった税額の10%ですが、追加で納める税額が当初の申告納税額と50万円のいずれか大きい額を超えている場合は、超えている部分についての税率は15%となります。
また、重加算税が課せられる場合は、過少申告加算税よりもさらに重い税率が適用されます。重加算税は、確定申告の際、意図的に隠蔽や仮装などの悪質な行為を行った場合に課せられる加算税です。
重加算税が課せられる場合、追加で納めることになった税額の35%の納付が求められます。さらに、過去5年のうちに重加算税を課されたことがある場合には、45%とさらに税率が重くなります。

 

つまみ申告がバレると重加算税の納付が求められる可能性が

国税通則法第68条1項では、重加算税が賦課されるのは、国税の計算の基礎となるべき事実の全部または一部を、隠蔽、または仮装した場合としています。隠蔽とは事実を隠すことであり、仮装とは事実を捻じ曲げ、虚偽の意思表示をする行為です。
税務調査では、事実を記録する帳簿のほかに虚偽の内容を記載した帳簿を作成していたり、帳簿を意図的に改ざんしていたなどといった行為があった場合に重加算税が課せられるケースが多くなります。
つまみ申告の場合、売上や収入の一部をつまみ出し、過少に申告する行為であり、二重帳簿などの作成行為があるわけではありません。そのため、つまみ申告が故意的な過少申告とみるべきか、隠蔽行為に該当するものなのかについての議論が続けられていました。
しかし、平成6年には、つまみ申告にも重加算税が適用されるという判決が下されました。
たとえ二重帳簿などの積極的な隠蔽行為を行っていない場合でも、所得を隠蔽しようとする明確な意思を持ち、意図的に過少申告をしたつまみ申告の行為は、重加算税の賦課対象になり得るというわけです。

 

重加算税が課せられる際には延滞税の納付も必要

延滞税とは、納付期限までに税金を納めなかった場合に課せられる税金であり、納付が遅れたことに対する利息の意味合いをもつものです。つまみ申告の場合、確定申告の期限までに正しい税額を納めていないため、延滞税の納付も必要になります。
延滞税は、税金の納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課せられます。令和4年1月1日から令和6年12月31日までの間は、納付期限の翌日から2か月を経過するまでの延滞税の税率は年2.4%です。また、納付期限の翌日から2か月を経過した日以降については、税率が高くなり、令和4年1月1日から令和6年12月31日までの間は、年8.8%の税率となります。
税務調査によってつまみ申告が指摘された場合、追加分の税額の35%に該当する重加算税と、延滞期間に応じた延滞税の納付が必要になる可能性があるのです。

 

つまみ申告の自覚がある場合は早めに修正申告を

つまみ申告は、脱税に該当する行為です。しかし、中には重加算税が課せられることを知らず、軽い気持ちでつまみ申告をしてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。その場合は早めに修正申告を行うことをおすすめします。

 

修正申告とは

修正申告とは、既に提出した確定申告の内容に誤りがあったときに、正しい金額に訂正してもう一度申告を行い、不足分の税金を納めることです。

 

早めに修正申告をするメリット

税務調査を受ける前に、納税者が自主的に修正申告を行い、正しい税額を申告するとともに、不足分の税金を納税する場合には、過少申告加算税は課せられません。修正申告は税務調査を受け、税務署から更正の処分を受ける前であれば、いつでも行うことができますが、過少申告加算税が免除されるのは、税務調査の前に自主的に修正申告を行った場合のみです。

 

税務調査の事前通知を受けてからでも遅くはない

税務調査が行われる前には、税務署から、税務調査に入る旨の事前通知が行われます。税務調査によってつまみ申告が発覚すれば、確実に過少申告加算税または重加算税が課せられるでしょう。しかし、事前通知を受けてからでも自主的に修正申告をし、不足分の税金を支払うと、過少申告加算税は軽減されます
過少申告加算税の税率は、前述のとおり、新たに納めることになった税額の10%です。ただし、新たに納める税金の額が当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超えている場合は超えている部分については15%の税率が課せられます。しかし、税務調査の事前通知後に自主的に修正申告を行った場合、過少申告加算税の税率は50万円までが5%、50万円を超える部分については10%に軽減されるのです。
つまみ申告をしており、税務調査の事前通知を受けた場合はできるだけ早く税理士に相談し、修正申告を行うようにしましょう。

 

まとめ

つまみ申告とは、収入や売上の一部だけをつまみ出して申告し、所得額を過少に見せかける行為です。税務調査でつまみ申告が発覚した場合は、最も重い加算税である重加算税が課せられる可能性もあります。重加算税に延滞税も加われば、その負担額は大きなものになるはずです。
これまでにつまみ申告をしてきたという自覚がある場合には、税務調査を受ける前に自主的に修正申告を行うようにしましょう。税理士法人松本では、つまみ申告についてのご相談も承っています。早めの修正申告を希望される場合はお気軽にご相談ください。

 

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税務調査における質問検査権とは。拒否した場合は罰則が科せられる?

2024.06.05

税務調査時には、調査官には質問検査権が与えられています。そのため、税務調査の際に「質問検査権に基づいて帳簿の提示を求めます」と調査官に資料の開示を求められるケースもあります。
質問検査権があるといわれれば、内容について詳しく知らない場合でもそのような権利があるのであれば、従わなければならないのかと思うことも多いでしょう。では、質問検査権とはどのような権利で、質問検査権には従わなければならないのでしょうか。
今回は、税務調査における質問検査権について詳しくご説明します。

質問検査権とは

質問検査権とは、税務調査において納税義務者に対し、質問や帳簿書類などの検査、提示、提出などを求められる調査官の権利のことです。質問検査権は、国税通則法第74条の2~6において、調査官の権利として認められています。

 

国税通則法第74条の2に定められている質問検査権

国税通則法第74条の2の条文では、質問検査権について次のように示しています。
「国税庁、国税局若しくは税務署又は税関の当該職員は、所得税、法人税、地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときには、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類その他物件もしくは輸出物品又はこれらの帳簿書類を検査し、または当該物件の提示若しくは提出を求めることができる。」
この条文から分かるように、税務調査時には調査官に対して次の行為を認めるとしています。
・質問
・帳簿等の検査
・帳簿等の提示
・帳簿等の提出

 

質問検査権が指す調査と調査対象者、調査対象書類

国税通則法第74条の2でいう「調査」とは、国税に関する法律の規定に基づき行われる調査で、税務調査のほか、再調査決定や申請等の審査のための行為も含まれています。
また、質問検査の対象となるのは、所得税や法人税などの納税義務者だけではありません。調査のために必要がある場合には代理人や使用人などにも及ぶとされています。
そのほか、帳簿書類その他物件には、記帳や保存をしなければならないとされている帳簿書類のほか、正しい税額を調査するために必要と認められる帳簿書類も含まれます。

 

質問検査権を拒否することはできる?

調査官には質問検査権があることが分かりましたが、税務調査時に調査官の質問や書類の検査などを拒否することはできるのでしょうか。

 

質問検査権を拒否すると罰則が科せられる

質問検査権は法的な権利であり、質問検査権を拒否した場合、納税者には罰則が科せられます。
国税通則法第128条では、正当な理由なく、調査官の質問検査権を示している第74条の2~6に違反した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されると示されています。
したがって、税務調査時に正当な理由なく、次のような行為をした場合は罰則の対象となるのです。
・調査官の質問に答弁しなかった
・調査官の質問に虚偽の回答をした
・調査官に帳簿の提出を求められたが応じなかった
・偽りの内容を記載した帳簿を提示した

 

質問検査権があるからこそ任意調査でも拒否はできない

税務調査には、任意調査と強制調査の2種類があり、一般的な税務調査は任意調査に該当します。任意調査というからには、任意で受ければよい調査なのではと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、任意調査であっても納税者は税務調査を拒否することはできません。なぜなら、税務調査の調査官には、国税に関する質問や帳簿の提出、提示などを求める質問検査権が認められており、質問や調査を拒否した場合には罰則が科せられるからです。
税務調査には受忍義務があるとされている背景には、この質問検査権が関係しているのです。

 

質問検査権の質問・検査・提示・提出・留置きについて

税務調査における質問検査権とは、調査官が納税者に質問、検査、提示、提出を求める権利です。では、税務調査時には、具体的に質問検査権を行使し、どのようなことが行われるのでしょうか。質問検査権に含まれる質問や検査等の意味することを具体的にご説明します。

 

税務調査での質問とは

納税額についての調査を行うためには事業方針や事業の概要などについても理解しておく必要があり、質問内容は帳簿の記載内容だけにはとどまりません。税務調査の目的とは全く関係のない質問に対しては、質問検査権は認められてはいませんが、事業を深く理解するうえで必要だと考えられる質問については、納税者に回答する義務があります。
また、仕入や売上、帳簿などに関する質問のほか、従業員の状況についても質問が行われます。従業員の給与の支払い方や支払額、源泉徴収、扶養控除の状況なども、税額の計算に密接に関わってくるためです。

 

税務調査における検査とは

検査とは、帳簿や契約書、見積書、領収書、請求書などを調べることです。検査の対象となるのは、紙の書類だけではありません。データで管理しているものがあれば、パソコン内のデータや記録媒体も検査の対象となります。
ただし、検査の対象となるのは、税務調査に必要な書類やデータに限られます。万が一、税務調査とは関係のない書類やデータの閲覧を希望された場合には拒否することが可能です。

 

税務調査における提示

提示とは、調査官の求めに応じて帳簿や契約書、領収書などの書類、データを開示することです。調査官が確認できる状態にすることを提示といいます。紙ではなく、データで管理している場合にはパソコンのディスプレイ上に表示させることになります。

 

税務調査における提出

提出とは、調査官に求められた書類を提出し、調査官が手に取って確認できる状態にすることを指します。紙ではなく、データの場合には、プリントアウトして調査官に渡すことで対応します。

 

税務調査における留置き

税務調査では、留置きという言葉が用いられることがあります。留置きとは、帳簿等の書類を税務署に持ち帰ることを指す言葉です。提示・提出は、税務調査時に調査現場で書類を見せることを指すのに対し、留置きは書類の持ち帰りを意味します。
実地調査だけで十分に調査を終えられなかった場合や詳細に確認したい点がある場合などは、留置きの申し出があり、帳簿等の持ち帰りについての承諾を求められるケースがあります。ただし、帳簿のコピーなどを調査官に渡し、調査官がコピーを持ち帰る行為は留置きには当たらないため、該当箇所のコピーのみを調査官が税務署に持ち帰るケースも少なくありません。
留置く際には預かり証が交付され、留置く必要がなくなった時には遅滞なく返還されます。また、提出者から返還要請があった場合には特段の支障がない限り速やかに返還しなければならないとされています。

 

まとめ

税務調査の調査官は、納税者に対して税に関する質問や検査、帳簿等の提示、提出を求める権利を有しており、この権利を質問検査権といいます。質問検査権は国税通則法で定められている調査官の権利であり、質問検査権に基づいた質問に応じなかったり、帳簿の提示や提出などに応じなかったりした場合は、罰則が規定されています。
質問検査権は、任意調査であっても税務調査には応じなければならない受忍義務があることの法的根拠となるものでもあります。質問検査権の内容について事前にしっかりと把握しておけば、質問検査権に該当する行為や該当しない行為の判断も可能になり、安心して税務調査時に臨めるようになるでしょう。

 

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税務調査の結果に納得できない!不服申し立てをするにはどうすればよい?

2024.06.01

税務調査が行われると、帳簿上の細かな数字を確認したうえで調査官からさまざまな指摘がなされます。指摘内容に納得した場合は、申告内容を修正し、正しい申告額の申請をする修正申告を行います。
しかしながら、調査官の指摘にどうしても納得できないケースもあるでしょう。そのような場合は、修正申告を行わずに、不服申し立てを行うことができます。
では、不服申し立てを行う場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。今回は、税務調査の結果に納得がいかない場合に、納税者の意見を主張できる不服申し立てについてご説明します。

 

税務調査の不服申し立てとは

不服申し立てとは、行政庁の行った処分などに不服がある場合に再審査等の請求を求める行為のことです。税務調査の結果において不服がある場合も、納税者は不服申し立てを行うことができます。

 

税務調査時の2つの不服申し立て

不服申し立ては原則として審査請求を求めるものとなりますが、税務調査の処分に対する不服申し立ての場合には、審査請求の他に再調査の請求をすることも可能です。
審査請求をする場合は、国税不服裁判所長に対して不服申し立てを行い、処分の取り消しや変更を求めます。一方、再調査の請求をする場合は、税務調査の処分を決定した税務署長等に対して不服を申し立てます。
再調査の請求がなされると税務署長は改めて税務調査の内容を見直し、その結果を再調査決定書にて納税者に通知することとなります。再調査を請求せずに、国税不服審判所に審査請求を求めることも可能ですが、再調査後の処分に不服があった場合に、段階を経て国税不服審判所に不服申し立てを行うこともできます。

 

税務調査で不服申し立てを行えるケースとは

税務調査ではどのような場合に不服申し立てを行うことができるのでしょうか。税務調査で不服申し立てを行えるのは、次のようなケースです。

・申告額が少ないと指摘され、不足分の税額の納税を求められる処分を受けた
・確定申告が不要であると認識していたにも関わらず、申告義務があるとする処分を受けた
・税金を過大に納税したため、更正の請求を行ったが、更正請求を拒否された
・納得のいかない指摘を受け、青色申告の承認取り消し処分を受けた
・加算税の賦課決定を受けたが納得できない

 

税務調査から不服申し立てを行うまでの流れ

税務調査の処分に納得できない場合、どのように不服申し立てをすればよいのでしょうか。更正処分を受けてから不服申し立てを行うまでの流れをご説明します。

 

税務調査で更正処分を受ける

税務調査を受けると、調査についての結果が通知されます。修正申告を求められても指摘事項に納得ができない場合は、修正申告に従わない旨を伝えることができます。その場合、税務署長は更正処分を行います。

 

税務署長に再調査の請求をする

更正処分に不服がある場合は、不服申し立てを行い、税務署長に再調査の請求をします。税務署に再調査の請求書を提出すれば、再調査の請求は可能です。請求書は税務署に郵送または持参して提出ができるほか、e-TAXを使って提出することもできます。
再調査の請求は、処分の通知を受けた日の翌日から3ヶ月以内に行わなければならない点に注意しましょう。
また、税務署長への再調査の請求ではなく、国税不服審判所長に対して審査請求を行うことも可能です。

 

再調査の請求についての決定

再調査の請求が受理されると、税務署長は処分内容について再度、調査と審理を行い、結果を納税者に再調査決定書にて通知します。

 

国税不服審判所長に対する審査請求

国税不服審判所とは、国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行うことを目的に設置された国税庁の特別機関です。
再調査決定書を受け取り、記載内容に不服がある場合は、再調査決定書の送達を受けた日の翌日から1ヶ月以内に審査請求書を国税不服審判所長に提出し、審査請求を行います。審査請求の提出は、審査請求書を郵送または持参する方法のほか、e-TAXを使って提出することも可能です。
また、再調査の請求後、3ヶ月を経過しても再生調査の請求についての決定がない場合には、決定を経ずに国税不服審判所長に審査請求をすることもできます。
審査請求書が受理されると、国税不服審判所では審査請求人と税務署長の双方の主張をヒアリングし、公正な立場で審理を行い、裁決を下します。税務署側が採決結果に不服を抱いても、訴訟を提起することはできませんが、審理請求人は国税不服審判所長の判決にも不服がある場合、裁判所に訴えることが可能です。

 

訴訟

国税不服審判所長の判決に不服がある場合は、裁決の通知を受けた日の翌日から6ヶ月以内に裁判所に訴訟を起こすことができます。また、国税不服審判所長から3ヶ月を超えても裁決を記載した裁決書が送付されてこない場合は、裁決を経ずに訴訟を起こすことも可能です。

 

税務調査の不服申し立てをする際の注意点

税務調査の処分内容に納得がいかない場合は、不服申し立てを行う権利があります。しかし、不服申し立てを行う際にはいくつかの注意点があります。

 

納税を済ませたうえで不服申し立てをする

税務調査の結果、追徴課税がなされた場合、まずは追徴課税分の納税をしておいた方が賢明です。不服申し立てを行い、再調査の請求や審査請求によって税務署長の処分内容を覆すことができれば、追徴課税分の税額は返還されます。しかし、再調査の決定や審査の裁決によって納税者側の主張が認められなかった場合は、決定や裁決が出るまでの延滞税も発生してしまうのです。したがって、不服がある場合もまずは納税を行ったうえで不服申し立てに進むようにしましょう。

 

再調査請求か審査請求かの決断は迅速に

税務調査の処分内容についての不服申し立てを行う手段には、税務署長に再調査の請求を行う方法と国税不服審判所長に審査請求を行う方法の2つの選択肢があります。再調査の請求では、税務調査を行った調査官が所属する税務署が再調査を行います。したがって、最終的な判断は、同じ税務署長が決定することとなるため、納税者の主張は認められにくいという現状があります。しかしながら、必ずしも訴えが認められないわけではなく、令和4年度の再調査の請求の認容割合は4.6%となっています。
一方、国税不服審判所長に対して審査請求を認める場合、第三者的立場で審査が行われるというメリットがあります。しかし、納税者の主張を正しく訴えるためには、入念な準備が必要です。そのため再調査の請求をせずに審査請求を行う場合、準備が十分に進められない恐れがあります。
再調査の請求も審査請求も処分の通知を受けた日の翌日から3ヶ月以内に不服申し立てを行わなければなりません。したがって、納税者は、再調査の請求か、審査請求か、どちらの不服申し立て手続きが適しているのかをスピーディーに決定する必要があるのです。
とはいえ、どちらの不服申し立て手続きを選択すべきかを判断することは決して簡単ではありません。また、税務署長または国税不服審判所長を納得させられる資料を作らなければ、不服申し立てを行っても、訴えが認容される可能性は低いでしょう。税務調査の処分に不服があり、不服申し立てを行う場合は、再調査請求や審査請求に詳しい税理士に相談した方が賢明です。

 

まとめ

税務調査の処分内容に納得できない場合は、不服申し立てを行うことができます。不服申し立ての手段には、税務署長に再調査を請求する方法と国税不服審判所長に審査を請求する方法の2つがあります。初めから国税不服審判所長に審査請求を行うこともできますが、再調査の請求を行い、その決定について不服がある場合に審査請求に進むことも可能です。
再調査の請求も審査請求を行う場合にも、処分内容の取り消しを求めるためには、税務調査の処分内容が不当であることを十分に証明しなければなりません。
税理士法人松本は、再調査請求や審査請求のサポートも行っています。納税者の主張が正しいことを立証できるかどうかの判断を含めてご相談を承っておりますので、税務調査の処分に不服がある場合にはお気軽にお問い合わせください。

 

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税務調査での注意点は?調査の流れやチェックされやすい項目についても解説

2024.05.28

事業を営む個人や法人には、税務署から税務調査の連絡がくる場合がありますが、具体的に何をするのか分からず不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、税務調査の種類や内容、対象となった場合の注意点について解説します。

突然調査依頼が来ると驚いてしまうかもしれませんが、調査の流れや調査官がチェックするポイントを押さえておくと、事前に準備ができ、落ち着いて対処できると思いますので、ぜひこの記事を参考に、税務調査に関する様々な不安が解消できればと思います。

税務調査の目的

税務調査の目的

税務調査は、国税局や税務署などが納税者の提出した書類や内容に誤りがないか確認する調査です。

主な目的は、税金の適正かつ公平な徴収で、脱税など悪質な不正を是正することにあります。

ただし、必ずしも追徴課税を目的とするわけではないので考えすぎず、税務調査の対象になった場合は、調査官に協力して適切な調査を行えるようにしましょう。

税務調査の種類

税務調査は、以下の2種類に分けられます。

  • 任意調査
  • 強制調査

任意調査は、納税者の同意を得て、任意で実施されるもので、強制捜査は、犯罪の取締りを前提としているため、事前に通知がなく、準備期間もなしに行われる調査です。

ただし、任意調査だからといって拒否してもよいわけではなく、納税者が調査の協力を拒否したり虚偽報告をしたりすると、罰則が科せられる可能性があります。

税務調査の主な流れ

税務調査の主な流れ

税務調査がどのように進んでいくのか把握しておけば、事前準備もスムーズにいきます。

税務調査の主な流れは以下の通りです。

  1. 税務署から事前通知を受ける
  2. 調査実施日の決定
  3. 必要な書類を揃える
  4. 調査を受ける
  5. 税務署の指摘に対処する
  6. 調査結果の連絡を受ける

税務調査の主な流れについて、詳しく見ていきましょう。

①税務署から事前通知を受ける

税務署から1〜3週間ほど前に税務調査が行う旨の連絡があります。

これは、国税通則法において事前通知を行うように定められているからです。

しかし、事前通知をすることで税務調査に支障をきたす恐れがある場合には、事前通知なしに税務調査が行われる可能性もあります。

また、立ち会う税理士がいる場合、税理士にも連絡がいきます。

②調査実施日の決定

事前通知を受けた後は、税務調査官と打ち合わせをし、実施日の調整を行います。

税務調査の期間は会社の規模によっても異なりますが、数日かかる場合もあるため、対応可能な日程を掲示するようにしてください。

また、税理士が立ち会う場合は税理士の予定を確認する必要があります。

③必要な書類を揃える

税務調査の日程が決まったら、事前の案内に従い、必要な書類を不備のないように準備しましょう。

税務調査で提出・提示を求められるのは、主に以下のものです。

  • 帳簿関係(帳簿作成時に使用した資料を含む)
  • 売上に関する資料
  • 仕入・外注に関する資料
  • 経費に関する資料
  • 棚卸表
  • 預貯金関係
  • 人件費関係

多くのケースでは過去3年分の税務申告について調査が行われますが、場合によっては5年、7年と遡って調査が行われることもあるので、必要に応じて用意しておかなければなりません。

税法上、経理書類の保存期間は7年間となっているため、税務調査がある・ないに関わらず適切に保管しましょう。

④当日調査を受ける

当日調査を受ける

税務調査当日は、担当する税務調査官が会社や店舗などを訪れ、調査を行います。

一般的に、調査は2日間ほどにわたって、午前と午後に分けて行われますが、具体的にはヒアリング調査や帳簿類の確認などです。

⑤税務署の指摘に対処する

当日の調査が終わると、調査内容を踏まえた指摘や質問があるため、それに対する回答をしたり資料を準備したりと、調査官とやり取りをします。

顧問税理士がいる場合は税理士が交渉しますが、居ない場合は事業者が自ら行わなければなりません。

また、追加で資料を求められることもあるため、すぐに用意できるようにしておきましょう。

⑥調査結果の連絡を受ける

税務調査から約1週間〜1ヶ月ほどで、調査結果が通達されますが、調査範囲が広い大企業などは数ヶ月かかる場合もあります。

申告内容に誤りや不審な点がなく、正しく納税されていることを証明できた場合、是認通知書が届き、調査は終了です。

しかし、申告内容に誤りがあった場合は調査官からの説明を受けたうえで、修正申告や期限後申告がすすめられ、それに応じなかった場合、税務署が更正や決定処分をします。

税務調査の結果、調査官から指摘を受けた部分について異議がある場合は、根拠を明確にしたうえで交渉する必要があるでしょう。

申告内容に誤りがあった場合

申告内容に不備があると、追徴課税が発生する可能性があるので注意が必要です。

また、過少申告や税金の未納付があった場合、ペナルティとして加算税として10%〜40%の 金額を上乗せした徴収額を払うよう命ぜられてしまうため、会社のコスト負担が増大してしまいます。

そのため、日頃からのリスク管理を疎かにせず、適切な経理処理を心掛けるようにしましょう。

税務調査で調査官にチェックされやすいポイント

税務調査で調査官にチェックされやすいポイント

税務調査において、調査官にチェックされやすい項目について説明していきます。

各項目でミスや不正がないか厳しく確認されるため、あらかじめ把握しておきましょう。

売上

売上については、税務調査で必ず確認される項目で、具体的には以下の点が見られます。

  • 計上漏れはないか
  • 過少申告をしていないか

帳簿、決算書と預金通帳、証憑書類の金額が合わない場合は代表の口座まで確認されるため、特に注意が必要です。

仕入

架空仕入れなどを行い、仕入額を過大に計上して税負担を軽くする不正手段があるため、調査官はそれがないかチェックします。

特に、仕入と売上が対応しているか、また、今期計上すべきものが計上されていなかったり、翌期に計上すべきものが今期に計上されていたりしていないかなどを確認される可能性が高いです。

棚卸資産

棚卸資産は商品や原材料等の在庫のことで、課税される所得への影響が大きいため、チェックされやすい項目です。

具体的には、以下について確認します。

  • 棚卸資産の評価方法が正しいか
  • 実地棚卸が行われているか
  • 資産の計上漏れはないか

基本的には、帳簿や棚卸表によるチェックが行われますが、事業内容によっては倉庫などの確認を行うケースもある点に留意しましょう。

交際費

交際費

交際費は、他の勘定科目で処理していないかどうかをチェックします。

法人の場合、交際費は一部が税務上の費用とはならないので、課税所得を減らすために、ほかの科目で処理をするケースもあるからです。

他にも、事業とは関係のない支出について、交際費として計上していないかについて確認されます。

人件費

人件費が不正に計上されていないかどうかも税務調査ではチェックされやすいです。

従業員名簿やタイムカードなどを確認し、架空の人件費が計上されていないか確認します。

法人の場合は、定款や株主総会議事録を確認して、役員報酬や退職金の額について、問題がないかどうかもチェックされることがあります。

修繕費

建物や設備などを修理した際に発生する費用を修繕費といいますが、税務調査においては以下の点を確認します。

  • 修繕費勘定の中に資産としてあげるべきもの(資本的支出)がないか
  • 修繕費の計上時期は妥当か
  • 架空の修繕費の計上はないか

資本的支出と判断されるものは、価値が向上した部分を資産計上して減価償却を行う必要があるため、修繕費としたものが資本的支出でないという根拠を提示できるようにしておかなければなりません。

領収書

税務調査では、領収書で不審な点がないかもチェックされやすく、具体的には以下のケースで注意が必要です。

  • 年月日や相手先の記載がないもの
  • 頻度が多いもの
  • 時系列が合わないもの

調査官は、本当に取引が行われたかどうか、つまり、経費として計上できるものかどうかを見ています。

そのため、領収書を受け取るときは記載があるかを確認するのはもちろん、紛失しないようにしっかり保管しておくことも重要です。

税務調査の対象となった際の注意点

税務調査の対象となった際の注意点

実際に税務調査の対象となった場合、どのような点に気をつけたら良いのでしょうか。

ここでは、税務調査の際に注意すべきポイントを詳しく説明していきます。

過度に恐れないこと

税務調査と聞くと脱税をしているのかと疑われているような気持ちになり、不安に思う方も多いでしょう。

しかし、たとえ申告内容の誤りを指摘されたとしても、悪質なものでなければ罰せられることはなく、基本的には修正申告のみで済むため、意図的に不正をしていることがなければ、過度に恐れる必要はありません。

必要書類をきちんと用意し、想定される質疑応答についてシミュレーションしておけば、落ち着いて対応できるでしょう。

税理士に立ち会いをしてもらうと、税務調査官に対して税法面から回答してもらえるので、信頼のおける税理士と顧問契約を結んでおくのが有効です。

誠実に対応する

税務調査では、経営者の性格や人柄もチェックされます。

敵対的な態度や横柄な態度をとっていると、調査官の心象を悪くし、税務調査を不利にする可能性がないわけではありません。

また、質問に対して適当に答えてしまい、それが間違いだったと分かると、話の信憑性や経営者自身の信頼感が損なわれます。

過剰にへりくだったり、もてなしたりする必要はありませんが、社会人として常識的で誠実な対応をするように心がけましょう。

質問に対して正確に答える

質問に対して正確に答える

税務調査で受けた質問に対し、正直にありのままに答えることが大切です。

調査官から質問を受けると萎縮してしまい、受け答えが曖昧になったり、誤魔化しているような言い方をしたりしてしまうかもしれませんが、そのような対応は調査官に不信感を与えかねません。

税務調査からの質問はその場ですぐ答える必要はないため、正確かつ誠実に対応し、わからない場合は曖昧な返答をせず、後日回答すると伝えましょう。

質問されたことにのみ簡潔に答える

税務調査では、余計な話はせずに質問されたことのみを簡潔に答えましょう。

つい長々と話してしまったり、聞かれてもいないことまで余計に語ったりしていると、他に何か隠しているものがあるのではないかと、不要な疑いをかけられてしまう恐れがあります。

そのため、調査官から何を質問されているかをきちんと把握し、聞かれたことのみを正確に答えましょう。

税理士と事前に打ち合わせをしておく

税務調査の通知を受けたら、まずは税理士との打ち合わせを行いましょう。

特に、初めて税務調査を受ける場合は不安があるかと思うので、用意すべき書類や想定される質問内容について事前に税理士に確認しておき、対策をとるのがおすすめです。

顧問税理士がいる場合は、税務調査当日も税理士に回答を任せても問題ありません。

顧問税理士がいない会社もあるでしょうが、会社の税務に関する問題点が改善され、税務調査のリスクも未然に回避できる可能性もあるため、実績豊富で信頼のおける税理士に会社の税務を任せるのがおすすめです。

留置きに備えて必要な書類をコピーしておく

税務調査で必要がある場合に、調査官が納税者の承諾を得て帳簿書類などを預かる(留置き)ことがあります。

その中に業務に必要な書類があれば、通常業務に支障が出る恐れがあるので注意が必要です。

ですから、留置きに備えて業務に必要な書類は事前にコピーしておきましょう。

また、普段からバックアップをとるようにしたり、クラウドサービスを利用したりして、重要な資料のデータを保存しておくと安心です。

 

ポイントを押さえて税務調査を乗り切ろう

ポイントを押さえて税務調査を乗り切ろう

税務調査を漠然と恐れてしまいがちです。

しかし、どのような調査が行われるのか、どのように対応したら良いのかを把握しておけば、過度な不安を抱いたり慌てたりせずに対応できます。

そのため、税務調査の対象となった場合の注意点を押さえておき、実際に税務調査が入ったときに適切に受け答えできるようにしておきましょう。

また、普段から税務調査の流れやチェックされる項目を視野にいれて、不要な疑いをかけられないように日々の税務処理を行うようにしてください。

 


 

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法人に対して税務調査が入る確率はどれくらい?調査対象となる条件を解説

2024.05.20

事業を営む個人や法人の事業者には、税務署から税務調査の連絡がくる場合がありますが、そもそも税務調査の対象となる確率はどのくらいなのでしょうか。

本記事では、法人企業で税務調査が入る確率や調査の対象となりやすい法人の特徴について解説します。

また、税務調査は何年おきにくるのか、赤字の企業も調査の対象となるのかなど、多くの法人が疑問に思うポイントについても詳しく説明しますので、ぜひこの記事を参考に、会社のリスク管理に役立てていただけたら幸いです。

税務調査とは

税務調査とは

そもそも税務調査とは、国税局や税務署などが個人や法人の税務申告内容についてミスや不正がないか帳簿などを確認し、誤りがあった場合は是正を求めるという調査です。

税務調査で確認の対象となるのは、過去5年分の申告内容が一般的ですが、不正が疑われる場合は、過去7年分を確認されるケースもあります。

税務調査は国税通則法に基づいて実施され、調査官には納税者に質問をしたり帳簿書類の提示・提出を求めたりする権限が与えられるため、税務調査の対象になった場合は、それに協力して適切な調査を行えるようにする必要があります。

税務調査は拒否できる?

税務調査から何となく恐いイメージがあるため「逃げることはできるのか」と気になる方もいるでしょう。

税務調査は大きく以下の2種類に分けられます。

  • 任意調査
  • 強制調査

それぞれ強制力に違いがあるのですが、いずれにせよ税務調査を拒否することはできず、国税通則法128条によると、税務調査を拒否した場合の罰則として、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられます。

ここでは、任意調査と強制調査の違いについて説明していきます。

任意調査

任意調査は、いわゆる一般的な税務調査で、あらかじめ電話などで調査日が通知される「予告調査」と、予告なしで行われる「無予告調査」があります。

どちらも納税者の同意を得て、任意で実施されるものです。

「任意」と聞くと拒否しても良いものだと思われがちですが、実際はそうではありません。

納税者が調査の協力を拒否したり虚偽報告をしたりすると、罰則が科せられる可能性があるため、実質的には強制に近いです。

強制調査

強制捜査は、国税局査察部(通称マルサ)によって、脱税に関する証拠を収集し、刑事事件として立件することを目的とする強制力の高い調査です。

また、強制捜査は事前に通知がなく、準備期間もなしに調査が行われます。

任意調査と違い、犯罪の取締りを前提としているため、納税者の意思に関係なく行われ、犯罪捜査と同様の調査が行われるのが特徴です。

法人に対して税務調査が入る確率は?どのようなときに実施されるのか

法人に対して税務調査が入る確率は?

税務調査は法人・個人に関わらず全ての納税者が対象です。

しかし、全ての納税者が受けるわけではなく、一般的には個人事業主であればおよそ0.5〜1.5%程度、法人へ税務調査が入る確率はおよそ1.5〜3.0%程度と、法人の方が高い傾向にあります。

税務調査に入る法人・個人は完全にランダムではなく、規模の大きい企業や不正を疑われる企業など、一定の条件のもと行われるケースが多いです。

税務調査が入りやすい時期

税務調査が行われる時期や頻度に明確な決まりはなく、年中行われているため、いつ実施されてもおかしくありません。

しかし、傾向として3月決算の法人の調査を行なうのを想定し、税務調査は確定申告の提出期間前後を避け、税務署の人事異動が終わる7月から年末にかけて多く行なわれるとされています。

あくまでも目安であるため、いつ税務調査がきても問題がないようにしておくのがおすすめです。

赤字企業でも税務調査は入る

「赤字決算だったので税務調査の心配はない」と勘違いされやすいですが、決算が黒字であっても赤字であっても税務調査は入ります。

意図的に赤字にして納税を逃れようとする企業もあるからです。

そのため、たとえ赤字企業でも税務調査で問題が見つかって所得が増えると、繰越欠損金が減ったり、黒字に転換したりして法人税などの納税義務が生じる可能性があります。

また、赤字企業であっても支払うべき税金が全くないわけではなく、消費税や源泉所得税などについては納税しなければならないため、それを確認するために調査が行われる場合もあるのです。

税務調査は何年おきにくるのか

税務調査は決まった間隔でくるのか、それとも不定期にくるのか気になる法人の方も多いでしょう。

結論から言うと、税務調査がくる周期は決まっておらず、法人によって異なります。

一般的には5〜10年に1度の頻度で税務調査がくると言われています。

しかし、過去に重加算税を課されたことがあるなど、隠ぺいや仮装によって税金を過小申告した経験があれば、税務署側からの印象も悪くなり、5年も経たず高頻度で税務調査が入る可能性が高いです。

税務調査の対象になりやすい法人の特徴

税務調査の対象になりやすい法人の特徴

税務調査は、法人税や所得税などの国税を納める人であれば誰でも対象となり得ます。

しかし、税務調査の対象となる法人は、特定の特徴を持っているケースが多く、具体的には以下の7つです。

  • 事業規模が大きい法人
  • 売上や利益が急激に伸びた法人
  • 売上や利益の変動が大きい法人
  • 売上の伸び率の割に利益が少ない法人
  • 同業他社と比較して所得率が極端に低い法人
  • 不正が多い業種に属する法人
  • 過去に税務調査で指摘を受けている法人

これらを理解することはリスク管理に役立つはずですので、詳しく見ていきましょう。

事業規模が大きい法人

事業規模が大きい法人は、小さい法人と比べて納税額が高いため、ミスが生じたときの影響も大きくなります。

そのため、徴税事務の効率化の観点から規模が大きい法人の方が税務調査の対象となりやすいです。

しかし、事業規模に関係なく取引に不審な点があれば調査を行う必要があるため、売上規模が小さい法人も税務調査の対象となるという点を覚えておきましょう。

売上や利益が急激に伸びた法人

売上や利益が急激に増加したり減少したりしている場合、その背景に何があるのかを確認するために税務調査を行うことがあります。

特に、売上が急激に伸びた法人は、その分納めるべき税金も多いだろうと予測でき、申告箇所が多くなると税務申告で修正すべき箇所も増えやすいため、税務調査の対象となりやすいです。

また、多額の利益を隠すために架空経費をつくったり、個人的な支出を経費に入れたりするケースも多いため、疑われやすくなります。

売上や利益の変動が大きい法人

例年に比べて売上や経費が大幅に増加した場合や利益が極端に減少している場合は、不正な会計操作が疑われるため、税務調査の対象となりやすくなります。

もちろん、不正がない場合は全く問題がありません。

なぜ売上が増えたのか、利益が極端に減ったのかを証拠とともに説明できるようにしておきましょう。

売上の伸び率の割に利益が少ない法人

売上がある程度あるにも関わらず、利益が利益が少なく損失が多い法人は、所得隠しが疑われ、税務調査の対象となりやすいです。

事故など何らかの理由で損失が多くなってしまうことはありますが、経常的な売上があるにも関わらず、損失が多く赤字が続いているようなら疑わしいです。

また、交際費や広告宣伝費、外注費など、特定の経費が高額な場合、税務署はその経費の妥当性を疑問視するケースもあります。

そのため、法人側はなぜ利益が少ないのか、証拠に基づいて説明する必要があるでしょう。

同業他社と比較して所得率が極端に低い法人

申告内容に不審な点がある法人も、調査に入る条件となります。

税務署は、所得率(所得÷売上)を重要視しています。

所得率が同業他社と比較して著しく低い法人は、利益を圧縮して税金から逃れようとしているのではないかと疑う傾向にあるため、税務調査の対象となりやすいです。

不正が多い業種に属する法人

不正が多い業種に属する法人

過去のデータや統計に基づき、不正が発生しやすい業種の法人は税務調査の対象となりやすい傾向にあります。

統計的には、以下の特徴を持つ事業者が多いです。

  • 現金取引が多い業種
  • 深夜営業が多い業種
  • 海外取引が多い業種
  • 会計処理がアナログな業種
  • 新しいビジネスモデルに関わる業種

具体的には、バーやクラブなど深夜にお酒を提供する店や海外取引の多い外国料理店、その他飲食店、日雇いや請負場所が変わる土木建築業者などはこれまで多くの不正が見つかっています。

過去に税務調査で指摘を受けている法人

過去の税務調査で指摘を受けた法人は、税務署のリストに追加されているため、申告内容にミスや不正がないか疑われやすくなります。

また、過去に指摘された内容がきちんと改善されているかを確認する目的もあるため、税務調査の対象となりやすいです。

ほかにも、不正を行った法人と取引があった法人も調査対象となるケースもあります。

税務調査で指摘を受けないようにするための対策

税務調査で指摘を受けないようにするための対策

法人が税務調査の対象とならないために、もしくは、税務調査が入っても指摘を受けないようにするためには、税務に関して疑われないようにしておくことが重要です。

ここでは、日頃からの税務調査対策について説明します。

適切な経理処理を行う

税務調査が入らないようにするために、まずできることは、正しく経理処理を行うことです。

税務調査の主な目的は、税金の適正かつ公平な徴収であり、不正計算をしていないか、悪質な税金逃れがないかを重要視しています。

軽度な経理上のミスならば、指摘し修正の指導を行うだけで済むでしょうが、悪質な脱税とみなされると、加算税によるペナルティだけでは済まず、刑事罰が科されるケースがあるので、注意が必要です。

そのため、隠ぺいや不正を行えば脱税行為であると認識し、勘定科目などに注意しながら適切な会計処理を行うようにしましょう。

税理士に監査してもらう

申告数値に誤りがないか、申告漏れがないか注意する必要がありますが、そのためにも税理士からの定期的な監査を受けることが大切です。

年に1回の本決算の際にしか監査を受けていない法人の場合、税理士が確認や修正をするのに時間がかかるほか、ミスが発生するリスクも高くなります。

そのため、規模が大きい法人ほど、月次監査を受け、日頃から適切な会計処理を行えるような仕組みづくりをしておくのが有効です。

資料を適切に管理する

資料を適切に管理する

申告内容に関連する領収書などの資料を保管しておかなければ、税務署から指摘を受けた際に証拠を提示して、納得のいく説明をすることができません

万が一、帳簿のほとんどを紛失していたり、帳簿が著しく不正確であったりする場合は「推計課税」の措置がとられ、実所得より高く所得を推定され、課税額が高くなる恐れがあります。

税務調査では過去5~7年分の資料を見られる可能性があるため、それぞれしっかりファイリングなどして資料を適切に長期保管できるようにしておき、もしものときに管理力の高さを示せるようにしましょう。

また、日頃から資料を整理しておけば、必要な時にすぐに取り出せ、業務効率化にもつながります。

領収書を廃棄しない

領収書は普段の会計処理の際に使うだけでなく、税務調査時の経費の証拠とするために重要なものであるため、帳簿などの資料と同様、適切に管理する必要があります。

領収書の管理方法としては、紙で管理する方法と電子データで管理する方法があり、近年では改正電子帳簿保存法の影響から、電子データで管理する方法が進んでいます。

経理業務の効率化が図れるという点では電子データで管理する方がメリットがありますが、いずれにせよ自社に合った方法で無くさないように保管することが重要です。

条件が揃うと税務調査の対象となる可能性が高くなる!

条件が揃うと税務調査の対象となる可能性が高くなる

法人に税務調査が入る確率は1.5〜3.0%程度と考えられており、実施率は決して高くありませんが、企業規模や業種、売上や利益の変動など、条件に当てはまる法人は調査が入る可能性が高くなります。

特に、申告内容に不審な点がある場合や、過去に不正を指摘された法人は、疑われやすくなるので注意が必要です。

たとえ税務調査に入られたとしても、根拠があるものを提出し、説明責任を果たせば問題ありません。

税務調査でミスや不正を指摘されないためにも、適切な経理処理を心掛けるほか、日頃からのリスク管理をしっかり行いましょう。

 


 

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税務調査で領収書を全部見る?調査官は何をどこまで調べるのか

2024.05.08

税務調査の対象になると、領収書や帳簿などの書類が税務調査官にチェックされることになります。

領収書は膨大な枚数になっているでしょうから、
「まさか1枚1枚見ないよね?」と考える方もいるかもしれません。

しかし領収書は基本的には全部見ると思っておきましょう。

税務調査官が領収書のどんな点を調べているのか、
領収書以外にはどんな書類が調査の対象になるのか、
税務調査の流れや内容についてお伝えします。

 

税務調査は何をする?

税務調査とは、納税者の申告が適正に行われているかを確認するための調査です。

税務調査をすると言われると不正をしていなくても、
身構えてしまう人もいるでしょう。

税務調査の目的や流れについて、正しく理解をしておきましょう。

  • 税務調査の目的
  • 税務調査の種類
  • 税務調査の時期
  • 税務調査の流れ

税務調査の目的

税務調査の目的

税務調査の目的は、納税者が正しく申告をしているかどうかを調べるものです。

悪意がなくても確定申告でミスをしてしまう場合があるかもしれませんし、中には故意に不正をしているケースもあります。

申告内容に誤りがないか確認し、正しく納税している人との不公平感が生じないように正しい申告・納税ができるように指導していきます。

税務調査の種類

税務調査は、任意調査と強制調査があります。

任意調査

任意調査とは、納税者の同意のもと行われる調査で、
いわゆる一般的な税務調査です。

事前に税務署から連絡があり、2日間で帳簿などの資料が調べられます。

「任意」という名前がついてはいますが、拒否をすると罰則の対象となりますので拒否はできません。

強制調査

強制調査は、不正や脱税の疑いがある納税者を対象としたもので、裁判所の令状を得た国税局査察部による調査です。

刑事事件として立件することが目的であり、「マルサ」と呼ばれる査察部門です。

強制捜査では100~200人の税務調査官が投入されるため大規模なものとなります。

一般的には多くの税務調査が任意調査となっています。

税務調査の時期

税務調査に明確な時期はありませんが、以下のような傾向があります。

  • 確定申告後の4~5月頃
  • 国税局や税務署の人事異動が終わる7月~11月頃

会社の決算時期にもよりますが、日本は3月決算法人が多数を占めるため7月~11月が調査の件数が多くなる時期となっています。

7月~11月に行われる税務調査は、税務調査官の営業成績に影響がある時期であるといわれています。

税務調査の流れ

税務調査の流れ

税務調査は、企業だけでなく個人事業主に行われる場合もあります。

いつ調査の対象になっても不思議ではありませんので、税務調査の流れについて確認しておきましょう。

  1. 税務署から事前連絡がくる
  2. 調査実施日の日程を決める
  3. 必要書類を準備する
  4. 店舗や事務所に税務調査官が訪れ、調査が行われる
  5. 税務署からの質問に答える
  6. 調査結果の通知

任意調査の場合は税務署から事前に電話連絡がありますので、その電話で日程を決めます。

税務調査当日は税務調査官が店舗や事務所に訪れ、社長や経理、顧問税理士への質問が行われます。

訪問後も指摘や質問があれば、必要な資料を準備したり、適切な回答をしたりします。

「申告是認」「修正申告」「更正」の3パターンの結果により、必要があれば追従課税を支払います。

税務調査での領収書チェック

「税務調査で領収書は全部見るのか?」と疑問に思われる方も多いようです。

全ての領収書を1枚1枚チェックするなんてあり得ないと思うかもしれませんが、基本的には全ての領収書がチェックされると思っておきましょう。

領収書のチェックは、金額だけではありません

どのような点を確認されているのかを把握しておきましょう。

  • 内容・中身の確認
  • 不正がないか
  • 売上の記入漏れがないか
  • 架空計上がないか
  • 資産計上すべきものがないか

内容・中身の確認

税務調査領収書

税務調査で領収書を見る時には、買い物の内容をチェックしています。

私的な買い物がないか、生活費に関連する買い物が混ざっていないかという点です。

個人事業主だと、特に生活費と経費のボーダーラインが曖昧になりがちです。

例えば、ドラッグストアやスーパーで買い物した商品が、本当に事業に関係のあるものなのかを細かくチェックされています。

小さなレシートであっても、記載内容が確認されていると覚えておきましょう。

不正がないか

数字の改ざんなどの不正がないか、金額は正しく申告されているかという点です。

数字を書き換えているとボールペンのインクの色合いなどから、簡単にバレてしまいます。

主に筆跡・金額改正・日付けをチェックされています。

不自然な筆跡はないか

偽造された領収書が申告されていないかをチェックするため、不自然な筆跡がないかという点を見られています。

「自分で架空の領収書を作成している」「お店で空の領収書をもらっている」という場合は、筆跡が同じなので税務調査が入るとバレやすくなります。

「別のお店なのに筆跡が同じである」「同じお店の領収書で日付けが離れているのにボールペンの色合いや筆跡が同じである」という場合は、不正が疑われやすくなります。

数字の金額不正はないか

領収書の金額を割増しするために、後から領収書の金額を不正に改ざんされていないかをチェックします。

例えば、「1を4に書き足す」「1,000円の領収書を11,000円に改ざんする」というようなケースが多くみられます。

印字された領収書よりも、手書きの領収書の方が改ざんされやすいです。

数字の改ざんを疑われると、反面調査として取引先やお店側に調査が入る場合もあります。

不自然な日付はないか

領収書の日付から不正がバレるケースもあります。

例えば、曜日をチェックして、日曜日に飲食店の領収書があれば接待ではなく家族での外食ではないかと疑われます。

出張中のため不在なはずの場所で領収書があると、
おかしいと気付くでしょう。

他にも、同じ日にガソリンスタンドで2台分の給油をしていると、社用車と自家用車の双方の給油があったという事実も見抜かれてしまいます。

売上の記入漏れがないか

税務調査領収書

現金でのやり取りがある場合は特に詳細を確認されるでしょう。

売上の記入漏れを疑われないようにするには、
「現金で収受したものは早めに事業用の通帳に入金する」「現金でのやり取りを極力少なくする」という点を心がけましょう。

法人で社長の個人用の通帳に売上の入金があるというケースも、疑われやすいです。

故意に売上を抜いていると疑われないよう、事業用の通帳上で売上の管理をしていくようにしましょう。

架空計上がないか

領収書の架空計上がないかという点も、重要なチェック項目です。

そもそも存在しない経費を計上するのは、違法行為となります。

白紙の領収書に金額を記入した際に水増ししていないか、または「外注費」という科目が注目されやすいので内容を細かく確認されるかもしれません。

資産計上すべきものがないか

経費として購入した物が10万円以上になる品目は、一括で経費計上せずに減価償却資産として扱わなければいけません。

車両や機械設備等は資産となり、資産計上が必要な品目となります。

適切に減価償却処理が行われているか、税務調査でチェックの対象となるでしょう。

税務調査で調査の対象となる書類

税務調査でチェックされるのは、領収書だけではありません。

他にも調査の対象となる書類がありますので、覚えておきましょう。

  • 確定申告での申告書類
  • 帳簿書類
  • 請求書
  • 契約書
  • パソコン
  • 通帳

確定申告での申告書類

確定申告時に税務署に提出している申告書類全般は、
税務調査でも調査の対象となります。

  • 法人税申告書(所得税申告書)
  • 消費税申告書
  • 決算書
  • 内訳書
  • 概況書
  • 給与支払報告書
  • 源泉徴収簿
  • 源泉徴収票

これらの書類が必要になりますので、税務調査の事前報告があったら準備しておくようにしましょう。

帳簿書類

税務調査どこまで見る

帳簿書類として必要になるのは、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳です。

事前に税務署内で行われた準備調査や当日のヒアリングを基に、税務調査官が目を通していきます。

帳簿がない状態だと、無申告加算税または過少申告加算税に10%を加重されてしまいます。

負担が大きくなりますので、注意しましょう。

請求書

請求書は、支払の請求書と売上の請求書の双方が対象となります。

請求書だけでなく、見積書や注文書もチェックされる場合があります。

見積書を作成したにも関わらず、実際の受注に繋がらなかったという場合は、その旨がわかるように記載しておくと安心です。

事実がそうならば大きな問題にはなりませんので、誰が見てもわかるようにしておきましょう。

契約書

業務に関する仕入れや受注、業務委託の契約書はもちろん、事務所や社宅の賃貸借契約書もチェックされます。

契約書の内容だけでなく、作成された日付や紙の劣化状態、「作成者は不自然ではないか」「印紙の貼り忘れはないか」といった点がチェックされています。

手書きかパソコンで作成されたものか、といった点は問題ではありません。

どのように作成されたかというよりも、やはり重要なのは中身になると覚えておきましょう。

パソコン

税務調査パソコン

近年ではパソコンを使って経理管理をしている企業も多いので、紙資料だけでなくパソコンも調査の対象となります。

帳簿をデータで保存している、データ量が膨大になる、という場合には、データの提示を求められるかもしれません。

「パソコンの中に疑わしいファイルがないか」
「同じファイルが複数ないか」「ゴミ箱に怪しいファイルはないか」「保存日に不自然な点はないか」などが見られています。

通帳

業務で使用している預金通帳も税務調査の対象となり、お金の流れがチェックされます。

帳簿などの書類は事業者が作成するものですが、銀行通帳は金融期間が作成しているものとなり、改ざんしにくい資料だからです。

「通帳まで見せなくてはいけないのか?」と不快に感じるかもしれませんが、事業用の通帳は見せなくてはいけません。

ただし個人用の通帳は、事業に使用していない物であれば提示する義務はありません。

税務調査の手間を減らすために

税務調査は、当日の対応だけでなく、準備や質問への回答などが必要となり、大きな負担になります。

このような手間を減らすためには、顧問税理士を依頼しておくのが得策です。

  • 申告書は税理士が作成する
  • 税務調査は税理士立会いで行う

申告書は税理士が作成する

税務調査の負担を減らすためには、そもそも申告書の作成を税理士に依頼しておくのが対策となります。

税理士が申告書を作成しても税務調査の対象になるケースはありますが、信頼性の高い申告書が作成できます。

税務調査の事前連絡は、原則として税理士にくるようになります。

税理士と税務署側でやり取りが行われた結果、
税務調査が行われずに済むというケースもあります。

税務調査は税理士立会いで行う

実際の税務調査が入った場合は、税理士立会いで調査を受けるようにしましょう。

顧問税理士であれば事業のお金の流れを正確に把握していますので、スムーズに税務調査官に対応できます。

間違った指摘を受けた際にも適切な対応ができますので、顧問税理士がついていると安心です。

税務調査に関するよくある質問

税務調査に関するよくある質問

税務調査の竜収書に関して、よくある質問をまとめました。

  • 領収書を紛失したらどうすればいいですか
  • 反面調査とは何ですか
  • 税務調査でスマホは見られますか

領収書を紛失したらどうすればいいですか

大半の領収書がないと、使途不明金となってしまいます。

再発行を依頼する、支払い証明書を発行してもらうなど、取引先に相談してみてもいいでしょう。

反面調査が行われる場合があり、反面調査で支出の整合性が認められれば問題ありません。

反面調査とは何ですか

反面調査とは、税務調査で解決しなかった疑問点や不明瞭な点を取引先を通じて調査することです。

調査対象者との取引きに関する帳簿や書類の提出が求められますので、不要な書類を提示する必要はありません。

反面調査が行われると取引先にも負担をかけてしまいますので、税務調査には誠実に対応しましょう。

税務調査の領収書は全部見られる覚悟で

税務調査は、納税者の申告が適正に行われているかを確認するための調査です。

領収書やその他の書類・資料の準備が必要になりますので、事前に準備しておくようにしましょう。

領収書は金額だけをチェックしているわけではありません。

架空計上や改ざんがないか、日付は適切か、といった細かな部分までしっかり調査されています。

税務調査の対象にならないために、税務調査の対象となった場合にはスムーズに受け答えできるよう、顧問税理士を依頼しておくと安心です。

 


 

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税務調査における重加算税とは?税率や払えない時の対処法&回避策

2024.05.01

税務調査が入り、悪質な仮装や隠ぺいがあると判断されると重加算税が課されます。

加算税の中でも課税割合の大きなペナルティとなり、将来的に税務署にマークされてしまう可能性もあります。

「重加算税とはどのような時にかかるのか」また「支払えない場合にはどうなってしまうのか」というような重加算税について、詳しくご説明します。

重加算税を課されないために、日頃からできる回避策についてもご紹介します。

加算税とは

加算税とは、申告義務が適正に履行されない場合に加算される税金です。

4つの加算税がありますので、それぞれの課税条件や課税割合を確認しておきましょう。

  課税条件 課税割合
無申告加算税 期限までに納税しない場合 15%/20%/30%
(自主納付/5%)
過少申告加算税 本来の納付額より少ない場合 10%/15%
不納付加算税 期限内に納付しない場合 5%10%
(自主納付/5%)
重加算税 意図的な隠ぺいのペナルティ 35%/40%
参照:財務省|加算税の概要
  • 無申告加算税
  • 過少申告加算税
  • 不納付加算税
  • 重加算税

無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告書を期限までに提出しなかった際に課される国税の一種です。

課税割合は、納付すべき金額に対して50万円までが15%、50万円超から300万円以下の部分は20%、
300万円超の部分は30%となります。

ただし納税者が責められるべきではない事由がないと認められる場合は、300万円超の判定対象外です。

また自主的に納付する場合は、課税額が5%となり負担が軽くなります。

過少申告加算税

過少申告加算とは、本来納付すべき納税額よりも少なかった場合に課されます。

本来納付すべき額との差額を納める必要がありますが、差額を納める際に10%に相当する額が加算されます。

追加税額のうち、期限内申告税額と50万円とを比較し、いずれか多い金額を超える部分については15%の加算となります。

なお自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税は課税されません。

不納付加算税

不納付加算税とは、期限内に支払うべき税金の納付がなかった場合に課されます。

新たに生じた納付すべき税額の10%が課されます。

例えば、会社の倒産というように正当な理由があれば、不納付加算税は適用されません。

また自主的に納付する場合は、課税額が5%となり負担が軽くなります。

重加算税

重加算税とは、申告や納税の際に意図的な隠ぺい、申告内容の仮装があると判断された際に課されます。

脱税の事実があったとされる場合のペナルティとなり、他の加算税よりも課税割合が重くなります。

ミスではなく悪質な行為とみなされますので、重加算税としてペナルティが課されるだけでなく、将来的には調査対象としてマークされるでしょう。

重加算税について

税務調査重加算税

重加算税は「どのように税率がかかるのか」「払えないとどうなってしまうのか」など、重加算税の内容や納税に関してご説明します。

  • 重加算税の税率は
  • 重加算税がかかる時とは
  • 重加算税のデメリット
  • 重加算税が払えないとどうなる
  • 重加算税の対象となったら

重加算税の税率は

過少申告、無申告、不納付が判明したら、無申告加算税・過少申告加算税・不納付加算税が課されます。

意図的な仮装隠ぺいだと判断されると、
さらに重加算税が追従課税される仕組みとなります。

重加算税の税率は、過少申告加算税と不納付加算税の場合は35%、無申告加算税の場合は40%となります。

  追従課税 仮装・隠ぺいと
判断されたら
重加算税
無申告加算税 追加本税

追加本税の15~30%

追加本税

追加本税の40%
過少申告加算税 追加本税

追加本税の10~15%

追加本税

追加本税の35%
不納付加算税 追加本税

追加本税の10%

追加本税

追加本税の35%
財務省|加算税の概要を参考に作成

また過去5年以内に重加算税を課されたのに、脱税行為を繰り返しているとプラス10%加算されます。

つまり重加算税は、最大で追加本税の50%(無申告加算税の場合)となる可能性があります。

重加算税がかかる時とは

意図的な仮装・隠ぺい、悪質な脱税行為を行うと重加算税が課されます。

重加算税がかかる具体的なケースは、以下のようなものを指します。

  • 二重帳簿を作成した
  • 帳簿書類の破棄・隠匿・改ざん
  • 意図的に売上を隠した
  • 経費を水増し計上した
  • 架空の会社とのやり取り
  • 架空の給与払い

上記のような虚偽の申告が重加算税の対象となります。

重加算税のデメリット

重加算税を課されると、納付する税金が高額になるだけではなく、将来的なデメリットがあります。

重加算税を賦課された過去があるため、将来的に調査対象となってしまいます。

3~5年という調査選定対象の周期があります。

お伝えした通り、5年以内に重加算税の対象となると、プラス10%の加重措置を受けることになります。

重加算税が払えないとどうなる

重加算税払えない

追徴課税を払わずに放置していると、最悪な場合は財産差し押さえになってしまう可能性があります。

  1. 期日を過ぎると督促状が届く
  2. 催告書が届き、財産が差し押さえられる

重加算税の支払いを無視し続けていると、まずは
税務署から督促状が届きます。

督促状を無視し続けていると、催告書という財産差し押さえの通知が届きます。

預貯金や金融資産 、土地や不動産 、自動車、高級装飾品などが対象となり、強制的に回収されてしまいます。

重加算税は自己破産しても免責にならない

「支払いが困難なのであれば自己破産すればいいのでは」と考える人もいるかもしれません。

しかし追徴課税を含む税金の支払いは、自己破産しても免責にはなりません

税金は自己破産したとしても支払義務がなくならない、「非免責債権」に該当するためです。

生活保護を受給し3年経過すれば支払い義務が免除されますが、3年経過前に生活保護の受給が終了すると、
再び支払い義務が発生します。

重加算税の対象となったら

税務調査で調査官に指摘を受けて重加算税の対象となったら、修正申告や更正処分という対応をとっていきます。

修正申告

修正申告とは、申請内容を修正して新たに申告する手続きを指します。

税務調査によって誤りを指摘されて修正申告をする場合と、自主的に誤りを見つけて修正申告をする場合があります。

自主的に誤りを見つけて修正申告をした場合は、延滞税が発生するものの、重加算税は課されません。

自主申告をすれば過少申告加算税も課されませんので、誤りを認識したら早急に修正申告をすると納税額を下げられるでしょう。

一方、税務調査の指摘に納得がいかない場合は、修正申告を提出する必要はありません。

更正処分

税務調査の指摘に納得いかず修正申告を提出しない場合は、更生処分を行います。

更正処分とは、税務署が誤りを正す、税務当局側が行う処分です。

修正申告は納税者が行う手続きであるのに対し、更正処分は行政側が行う処分であるという違いがあります。

どちらを選択するかは、納税者が決められます。

税務調査で否認された場合のペナルティ

税務調査ペナルティ

税務調査で否認されると、重加算税以外に無申告加算税、過少申告加算税、不納付加算税などの税金が課されるとご説明しました。

さらに納付期限に関するものとして、延滞税や利子税がありますので覚えておきましょう。

  • 利子税
  • 延滞税

利子税

利子税とは、申告期限を延長した際に課される付帯税です。

税務署に申告し、納税申告書の延長が認められた際に課されるのが利子税であり、期日までに納税した人との公平さを保つという目的があります。

利子税の税率は7.3%となっており、延長された日数に応じて課税されます。

延滞税

延滞税とは、税金が期日までに納付されなかった場合に、法定納期限の翌日から納付する日まで自動的に課せられるものです。

納期限の翌日から2ヶ月を経過するまでの税率は7.3%ですが、2ヶ月を経過した日以降は14.6%となります。
(参照:国税庁|延滞税について

延滞税は、支払い期日の締め切りを守らない遅延利息に相当するものと考えられます。

できるだけ早く納付し、延滞税がかからないようにしましょう。

重加算税の延滞税

延滞税が発生するのは、通常納付期限から1年間のみとなります。

しかし重加算税の場合は、1年間を過ぎても期限なく延滞料が課され続けます。

例えば、納付期限から3年後の税務調査により修正申告を行った場合は、納付が完了するまでの3年分の延滞税が課されます。

税務調査とは

税務調査とは

税務調査とは、納税者が正しく税務申告をしているかを調査するものです。

正しく確定申告をし、納税をしているつもりでも、
税務調査によって誤りが指摘される場合もあります。

税務調査は、全ての企業や個人事業主に対して行われるものではありません。

税務調査の割合や、どのような場合に税務調査の対象になりやすいのか、といった点についてご説明します。

  • 税務調査の目的
  • 税務調査されやすい企業
  • 税務調査されやすい個人事業主

税務調査の目的

税務調査は、正しく確定申告を行っているか、納税が行われているかを調査するもので、強制調査と任意調査があります。

強制調査は、国税局査察部が裁判所の令状を持って強制的に行われるもので、拒否ができません。

任意調査とは、税務署から訪問日時の連絡が事前にあり、突然訪問されるものではありません。

不正の防止や虚偽の申告をなくすことが目的で行われる調査です。

令和4年の追微税額は3,225億円にもなりますので、公平な徴収も調査の目的のひとつといえるでしょう。
(参照:国税庁|令和4事務年度法人税等の調査事績の概要

税務調査されやすい企業

税務調査はどの会社に入っても不思議ではありませんが、調査の対象になりやすい業種や企業があります。

  • 過去に不正計算があった
  • 内部告発があった
  • 重点業種である
  • 業績が良い会社
  • 消費税還付がある会社

重点業種とは、バーやパチンコ店、廃棄物処理業、土木工事業などが該当します。

業績が良い会社は売上の増加率が高いほど、調査の対象になりやすいといえるでしょう。

しかし、赤字であれば税務調査の対象にならないわけではありません。

消費税還付があれば、申告内容が正しいかのチェックが入る可能性があります。

税務調査されやすい個人事業主

企業だけでなく、個人事業主も税務調査の対象となります。

  • 確定申告をしていない
  • 売上が1,000万円ギリギリ
  • 経費に不審な点がある
  • 現金商売をしている
  • 顧問税理士がついていない

売上が1,000万円弱というギリギリの申告だと、消費税逃れを疑われて税務調査が入る場合があります。

経費の内容は、「事業に関係ない多額の経費」がある場合だけでなく、「事業に必要な経費が全くない」という場合も不審な状態だと判断されるでしょう。

現金でやり取りをしていると、銀行通帳などに履歴が残らないため脱税しやすい状態であると考えられます。

また確定申告を税理士に依頼していない場合も、税務調査の対象となりやすい傾向があります。

重加算税を課されないための回避策

重加算税対策

重加算税を課されないようにするには、悪質な申請をしないようにしなくてはいけません。

故意ではなかったとしても、悪質であると判断されれば重加算税が加算されてしまう可能性がありますので、
以下のような対策を心がけましょう。

  • 正確な確定申告
  • 顧問税理士を依頼する

正確な確定申告

どんな企業、個人事業主でも、税務調査の対象になる可能性はあります。

しかし税務調査が入ったとしても、正当性のある申告であり、単なるミスであると判断されれば重加算税が課される心配はありません。

一度税務調査が入ったとしても、脱税をしていない事業主であるとわかれば、税務調査の頻度を少なくできるでしょう。

顧問税理士を依頼する

正当性のある申告をするには、税務調査の対策を得意とする顧問税理士を依頼しておくと安心です。

税務調査の対応が経験豊富な税理士は知識やノウハウを持っていますので、もし追従課税が発生したとしても最小限に抑えられるでしょう。

「すでに税理士がついているけど不満がある」という方も少なくありません。

必要であれば税理士の変更も視野に入れながら、相性の良い顧問税理士を探していきましょう。

確定申告は正しく申告を

税務調査が入り重加算税が課されるのは、悪質な仮装や隠ぺいがあると判断された場合です。

間違えてしまった、というミスであれば、基本的には重加算税は課されません。

まずは確定申告で正しく申告をするというのが、ひとつの回避策となります。

不審な点なく、クリアな申告を心がけ、税務調査の対象にならないようにしましょう。

正しく書類を作成したり、正当性のある申告をするには顧問税理士の依頼もポイントになります。

無駄な税金を払わずにすむよう、最適な税理士選びをしていきましょう。

 


 

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時計売却で得たお金の確定申告は必要?税務調査で指摘される?

2024.04.27

昨今、人件費や材料費などが高騰していることから、腕時計の価格も高騰しています。特に、高級腕時計ブランドの時計は、中古であっても価値が高まり、購入時よりも高額な値段で売却できるケースが少なくありません。そのため、所有する時計の売却を検討している人もいらっしゃるでしょう。では、時計売却によって得られる利益は、確定申告が必要なのでしょうか。
今回は、時計売却で得た収益と確定申告や税務調査の関係についてご説明します。

 

時計売却で得たお金は、原則として課税対象にはならない

所有している腕時計を売却して得られたお金については、原則として、課税の対象とはなりません。時計売却で得たお金に税金が課せられない理由は、時計は生活用動産として扱われるからです。

 

時計は生活用動産に該当

生活用動産とは、生活に必要な財産のことです。具体的には、自動車や家具、衣服などが生活用動産に該当します。生活用動産を譲渡した場合に得られる所得は、所得税を課さないことが決められています。
したがって、個人が自分で使用していた腕時計を売却する際に得られる所得は、生活用動産を売却して得られる所得となるため、所得税の課税対象になることはほとんどありません。
そのため、時計売却で所得を得た場合、確定申告をする必要はないのです。

 

時計売却の所得が課税対象となるケース

生活用動産である時計の売却で得られる所得は、原則として課税対象とはなりません。しかし、例外として時計売却の所得に対して税金が課せられる可能性が生じるケースがあります。
生活用動産であっても、1つの価格が30万円を超える貴金属や宝石、真珠、さんご製品、骨とう品、美術工芸品などを売却した場合は課税対象となるのです。そのため、ダイヤなどの宝石が埋め込まれた30万円以上のジュエリーウォッチに該当する時計を売却した場合には、譲渡所得に該当し、課税対象になるケースがあります。
また、骨とう品としての価値を持つアンティークの時計を売却した場合も、30万円以上の値が付けば、課税対象として申告しなければならない可能性もあります。

 

時計売却で税金が発生する場合の課税方法

ジュエリーがちりばめられた時計やアンティークの時計などで、30万円以上の価値があるものの場合、譲渡所得が発生する可能性があります。譲渡とは、所有資産を移転させる行為を指し、譲渡所得の対象となる資産を売買する行為も譲渡に含まれます。
譲渡所得は、譲渡資産の種類によって分離課税の対象と総合課税の対象になるものに区分されますが、譲渡所得が課せられる時計の場合には総合課税方法が用いられます。
総合課税とは、事業所得や給与所得など、そのほかの所得額と合計した額に対して、累進税率によって税額を計算する方法です。

 

総合課税の譲渡所得の計算方法

総合課税の場合、譲渡所得は次の計算式で計算できます。

譲渡所得額=売却価格-取得費用-譲渡費用-50万円

取得費用とは、購入した代金のことを指します。つまり、売却対象の時計を購入したときの費用が取得費用に該当します。また、譲渡費用とは売るためにかかった費用のことで、譲渡費用に含まれるのはインターネットなどで時計を売却する際にかかった配送費やシステム利用料などです。また、譲渡所得の特別控除額は50万円です。
例えば50万円で購入したジュエリー付きの時計を、時計買い取り店に出向き、100万円で売却したとします。取得費用が発生しなかったと仮定すると、この場合の譲渡所得額は、次のように計算できます。

100万円-50万円-50万円=0円

したがって、この場合の譲渡所得額は0円となり、時計売却によって得た所得に対する納税の義務は発生しないことになります。

先ほど、30万円を超えるジュエリー付きの時計やアンティークの時計を売却した場合は、課税対象となると説明しました。しかし、譲渡所得には50万円の特別控除があるため、実際には売却価格が取得費用と譲渡費用、50万円を合計した額を上回らなければ、課税対象とはなりません。つまり、少なくても、時計売却によって得られる利益が50万円を超えなければ、確定申告をする必要はないというわけです。

 

転売目的で時計売却をしている場合は確定申告が必要

ここまで個人が所有する時計を売却した場合の確定申告や納税の必要性についてご説明してきました。
しかし、複数の時計を転売のために仕入れ、売却をし、繰り返し利益を得ているような場合は、個人の生活用動産を売却しているのではなく、商売として時計売却を行っているとみなされます。転売目的の場合、30万円以下のジュエリー付きの時計やアンティークの時計でなくても、時計売却によって生じた所得は課税対象となります。
昨今ではネットオークションやフリマサイトなどを利用する人も増えているため、税務署ではインターネットを通じた売買にも目を光らせています。そのため、インターネットを介した取引で所得を得ているにもかかわらず、確定申告を行っていない個人に対して税務調査を行うケースが増えているのです。

 

税務調査で時計売却による転売の所得がバレたら?

転売目的で時計を仕入れて売却をし、所得を得ている場合、所得が一定の額を超えたときには、確定申告が必要になります。もし、確定申告をしていなかった場合には、税務調査でバレる可能性があります。

 

時計売却で確定申告が必要になる所得額とは

正社員やアルバイト、パートなどとして勤務しており、給与所得を得ている人が副業として時計売却を行っている場合、確定申告が必要になるのは、時計売却を含めた給与以外の所得が年間20万円を超えるケースです。</専業主婦の場合は、利益が年間48万円以上に達すると確定申告をしなければなりません。

 

税務調査で無申告がバレた場合

時計の売却で一定の利益を上げ、確定申告の必要があるにもかかわらず確定申告をしていなかった場合、税務調査で無申告がバレると、本来納めるべき税金に加え、ペナルティとして無申告加算税を課されるようになります。税務調査では、5年前までにさかのぼって調査される可能性があるため、無申告加算税も最大5年分課される可能性があります。令和5年分以降についての無申告加算税の税率は、納付すべき税額に対し、50万円までは15%、50万円超~300万円までは20%、300万円超える部分については30%です。
一般的に、税務調査の前には、税務署から税務調査に入る旨の事前通知が入ります。税務調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告を行った場合は、無申告加算税の税率が5%に軽減されます。また、事前通知を受けた後に自主的に申告を行った場合も、令和5年分以降については、50万円までは10%、50万円超~300万円までは15%、300万円超える部分については25%に軽減されます。
つまり、時計売却によって年間20万円または48万円以上の利益を得ているにもかかわらず、確定申告をしていない場合は、税務調査で指摘される前に自主的に期限後申告を行った方が、納税額は軽減できるのです。確定申告の方法が分からない場合などは、税理士に相談することをおすすめします。

 

まとめ

個人が所有する時計を売却する場合、時計は生活用動産として捉えられるため、原則として、確定申告の必要はありません。そのため、税務調査で時計売却による所得を指摘されるケースはないでしょう。
しかし、転売目的で時計を売却し、利益を得ている場合は、利益の額に応じて確定申告が必要になります。一定以上の利益があるにもかかわらず確定申告をしておらず、税務調査で時計売却による所得がバレた場合は、無申告加算税が課せられ、本来納めるべき税額よりも多くの税金を支払わなければなりません。
転売による時計売却を行っている場合は、税務調査に入られる前に、期限後申告を行うようにしましょう。

 

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税務調査で粉飾決済がバレたらどうなる?融資には影響する?

2024.04.25

中小企業の中には、金融機関から融資を引き出すために、実際の業績よりも経営状態を良く見せる粉飾決算を行っているケースがあります。粉飾決算を行っている会社に税務調査が入った場合、税務調査で粉飾決済は発覚するのか、その場合、融資にも影響が生じるのか不安に感じている企業もあるかもしれません。
そこで今回は、粉飾決済を行っている会社に税務調査が入った場合に起こり得る事態についてご説明します。

 

粉飾決済とは

一般的に、粉飾決算とは不正な会計処理を行い、収支を偽装して、実際の経営状況よりも会社の経営成績や財政状態などを良く見せる虚偽の決算報告書を作成する行為を指します。具体的には、決算が赤字であるにもかかわらず、収益を上げている、黒字の状態のように見せかけるものです。

 

粉飾決算と逆粉飾決算

粉飾決算とは、本来の状況よりも会社の経営状態を良く見せるためにする不正行為を指すことが多くなっています。しかし、粉飾決算とは反対に、自社の財務状況を実情よりも悪く見せるためにする行為もあり、これを逆粉飾決算と言います。
税務調査で問題となるのは、ほとんどの場合、逆粉飾決算が行われているケースです。逆粉飾決算は、会計処理を故意的に操作し、経営成績や財政状態を低く見せかける損益計算書や賃借対照表などを作成します。収益を実際よりも少なく見えるように操作をすれば、所得額が抑えられるために、税金の負担を軽減できるのです。

 

粉飾決算を行う理由

粉飾決算は、実際よりも会社の収益を大きく見せかけるものです。収益が大きくなれば、その分、課税される税額も大きくなります。ではなぜ、納税の負担が大きくなるにもかかわらず、粉飾決算を行う企業があるのでしょうか。
粉飾決算を行う主な理由としては、次のようなものが考えられます。

 

業績を良く見せかけて融資を受けたい

事業資金として銀行から融資を受ける場合、経営状況が悪ければ、融資を受けることができません。融資とは、金融機関からお金を借り入れることを表す言葉です。
お金を貸す立場にある金融機関から見れば、返済の見込みが少ない相手に融資をしてしまうと、返済が滞る可能性だけでなく、貸し倒れにつながる恐れがあります。したがって、経営状況が悪ければ銀行から融資を引き出すことはできません。
そのため、資金が必要だけれど、会社の経営状況が思わしくない場合などに、粉飾決算を行い、経営状態を良く見せかけることで銀行の融資を引き出そうとするケースがあります。

 

株価を維持するために粉飾決算を行う

株価が低下すれば、投資家から資金を集めにくくなります。また、株価低下によって会社としての信頼が下がれば、取引にも影響が生じる可能性が出てくるでしょう。そのため、株価の上昇を狙うために業績が好調であることを装い、粉飾決算を行うケースもあります。
また、上場している会社が粉飾決算を行う理由としては、上場維持基準の適合を目的としている場合も考えられます。市場ごとに定められている株主数や流通株式数、流通株式時価総額などが基準を下回ってしまうと、上場廃止となる恐れがあるのです。上場廃止となれば、資金調達の手段が限定されてしまうとともに、会社の信用度も下がってしまう可能性があります。そのため、上場を維持するために粉飾決算を行うケースがあるのです。

 

納税負担を逃れるため(逆粉飾決算)

前述しましたが、業績が悪いように装う逆粉飾決算を行う理由のほとんどは、税金逃れです。収益を実際よりも低く見せかければ、納めるべき税額が低くなります。そのため、実際よりも業績が上がっていないように見せかけ、支払う税金の額を低く装うのです。

 

税務調査で見抜かれる粉飾決算とは

税務調査が行われ、損益計算書や賃借対照表などをチェックされると、粉飾決済が発覚します。では、粉飾決済ではどのような手口が用いられているのでしょうか。

 

架空の在庫や売上を計上し、売上を大きく見せている

売上を実際よりも増やす操作を行えば、収益を多く見せかけることができます。売上を多く見せかける手段として、架空の在庫や売上の計上が行われることが多くあります。
実際には手元にない架空の在庫を計上すれば、その分、売上原価が減るために利益が増えて見えます。また、実際には成立していない架空の取引の売上を計上すれば、当然売上は多く見えるでしょう。架空の在庫や売上の計上は、粉飾決算の典型的な手口であり、税務調査でも発覚しやすいものです。

 

子会社やグループ会社の架空売上を計上している

売上を水増ししたり、架空の売上を計上したりする場合、子会社やグループ会社があれば、不正な操作がしやすくなります。実際には必要のない受注を子会社に作成させ、親会社の売上として計上すれば、利益を大きく見せることができます。
また、グループ会社の場合は循環取引という手口で粉飾決済が行われるケースがあります。循環取引とは、親会社と子会社の関係会社だけでなく、グループ全体の会社で売上を循環させ、利益を大きく見せかける手口です。

 

在庫を隠蔽し、収益を低く見せかける

期末に残った在庫は、仕入にかかった費用として計上することはできません。しかし、在庫分を隠蔽し、仕入にかかった費用として計上してしまえば、売上原価が高くなるために、利益を低く装うことが可能です。
逆粉飾決算では、納税額を抑えるために、期末の棚卸資産を不正に操作しているケースがあります。そのため、税務調査では棚卸資産の形状について詳しくチェックされる傾向にあります。

 

売上の計上月をずらしている

逆粉飾決算で行われる手口です。本来は、当期の売上であるものを、翌期にずらして計上すると、売上が翌期にずれるため、当期の収益を低く見せかけることができます。
売上の計上時期を故意にずらす行為についても、税務調査では厳しくチェックされます。

 

税務調査で粉飾決算が発覚したらどうなる?

税務調査を受け、粉飾決算が発覚した場合には何らかのペナルティが科せられるのか、気になる方も多いでしょう。税務調査で粉飾決算が見つかった場合、収益を高く見せているか、収益を低く装っているか(逆粉飾決算)によって税務署の対応は変わってきます。

 

逆粉飾決算が発覚した場合

税務調査で逆粉飾決算が発覚した場合、指摘された事項について正しく申告をやり直す必要があります。修正申告を行い、不足分の税金を納めるとともに、過少申告加算税や重加算税、延滞税などの追徴課税を求められます。
過少申告加算税の税率は、新たに納付すべき税額の10%です。ただし、期間内に申告した額と50万円のいずれか多い額を超える部分については、税率が15%となります。また、悪質な所得隠しに該当すると判断された場合には、過少申告加算税に変え、税率が35%とより重くなる重加算税が加算されます。

 

粉飾決算が発覚した場合

本来よりも業績を良く見せるために行われる粉飾決算では、実際の収益よりも大きい額を申告するため、税金を過剰に納付している事態となります。
税務調査は、不正に税金逃れをしている事業所や人に対し、正しい申告を求めることを目的とした調査です。税務調査で粉飾決算が発覚した場合でも、税金を逃れているという状態ではありません。つまり、粉飾決算は税務調査時にはそれほど大きな問題とはならないのです。
税務調査によって粉飾決算が発覚しても、税務署側から赤字決算に直すよう指示されることもありません。粉飾決算が税務調査で問題となるのは、逆粉飾決算が行われているときに限られると言えます。
銀行の融資のために、粉飾決算をしていた場合、それを問題視するのは税務署ではなく、銀行です。しかし、税務調査後に税務署から銀行側に粉飾決算であることを通知することもありません。

 

まとめ

粉飾決算には、業績を良く見せるために不正に会計の操作を行うものと、業績を悪く見せて税金逃れを画策するものの2つの種類があります。
このうち、税務署が重視するのは、不正に収益を低く見せかけ、納税の負担を低くしようとする逆粉飾決算の行為です。税務調査で逆粉飾決算が発覚した場合は、修正申告が求められ、追徴課税がなされます。
しかし、業績を良く見せるための粉飾決算の場合は、納税額が不足しているわけではないため、税務調査で問題視されるケースは多くはありません。また、銀行に粉飾決算について報告がいくこともありませんが、銀行側から粉飾決算について指摘される可能性はあります。
税務調査では問題にならないとしても、粉飾決済は決して誇れる行為ではありません。正しく決算書を作成するために事業計画などを見直し、粉飾決算の必要がないよう事業を立て直すことが大切ではないでしょうか。

 

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税務署からいきなり封筒が届いた!どのように対応すべき?

2024.04.23

前年に確定申告を行った人には、毎年1月下旬ごろ、確定申告についてのお知らせするハガキや封筒が届くことがあります。しかし、確定申告の時期とは関係なく、税務署から封筒が届いたら、税務調査のお知らせが来たのではと驚いてしまう方も少なくないはずです。
しかし、税務調査のお知らせは原則として電話により口頭で行うこととされているため、封筒で税務調査の事前通知が行われるケースは多くはありません。
では、確定申告の時期以外に税務署から封筒が届く場合、どのような理由で封書が郵送されてくるのでしょうか。
今回は、税務署から封筒が届くケースと封筒を受け取った後に取るべき対応についてご説明します。

 

税務署から封筒が届くケース

税務署から届く封筒の中には、一般的に「お尋ね」と呼ばれる書類が入っていることがあります。確定申告の内容や納税について全く疑わしいことがなければ、税務署がわざわざ封筒を送ってくることはありません。税務署からお尋ねが届く場合、税務署から何かしらの疑いをもたれている可能性が高くなります。
税務署から封筒が届くケースとしては、次のような例が考えられます。

・記載された経費に不審な点がある
・経費が同業の平均的な額より突出して高額である
・取引先の情報と申告された売上額が釣り合わず、売上額に不審な点がある
・副業をしているのに、副業分の確定申告をしていない
・不動産投資によって不動産所得を得ていたのに、確定申告をしていない
・相続をしたにもかかわらず、相続税の申告をしていない
・不動産を購入した際に、贈与を受けている可能性がある
・不動産を売却し、売却益を得ているのに譲渡所得税を納税していない
・相続税の申告書に添付すべき書類が不足している

 

税務調査と封筒によるお尋ねの違い

お尋ねも税務調査も、確定申告の内容など、納税に関して行われる問い合わせや調査です。そのため、両者を混同してしまうケースもあります。しかし、お尋ねと税務調査には次のような違いがあります。

 

税務調査とは

税務調査とは、個人や法人を問わず、納税の義務がある者に対して、正しく申告を行い、正しく納税をしているかを確認する調査です。
税務調査には、いわゆる「マルサ」と呼ばれる国税局査察部が行う強制調査と管轄税務署の調査官などによって実施される任意調査の2つがあります。
強制調査は、裁判所の令状を得て強制的に行われる調査であり、悪質な脱税が疑われる場合に行われるものです。一般的な税務調査のほとんどは、任意調査となりますが、任意と名がつくものの、任意調査も調査を拒否することはできません。日程の都合が合わない場合などには日時の調整をすることができますが、税務調査自体を断ることはできないため、税務調査の事前通知を受けたら必ず税務調査を受ける必要があります。
税務調査では、調査当日に調査官がオフィスや店舗などを訪れ、帳簿などの資料を確認し、質問や指摘を行いながら調査をし、後日、調査結果が報告されることになります。

 

お尋ねとは

お尋ねは、申告内容や税金などについて確認をしたい点があり、それに対する質問が記載された文書が封筒で届くというものです。したがって、税務調査のように税務署の調査官が事務所や自宅などに訪問することもなければ、帳簿等の関連書類をチェックされることもありません。
後述しますが、税務署からのお尋ねを受け取ってもお尋ねに対して回答をしない場合などは、税務調査に発展する恐れがあります。そのため、お尋ねが入った封筒が届いたときには、適切な対応を取るようにしましょう。

税務署からのお尋ねが届いたときに取るべき対応

税務署から封筒でお尋ねが届いたときには、内容を確認したうえで、問われる内容に回答することをおすすめします。

 

お尋ねが届いたら、期限までに回答する

税務署からお尋ねが届いた場合でも、回答の提出義務があるわけではありません。しかし、お尋ねが届くということは何らかの点において税務署側が疑いを持った状態です。そのため、回答しなければ不審な点があるのではと、ますます税務署の疑いを強めてしまうことになります。文書内に記載されている回答期限までには、必ず回答をするようにしましょう。
たとえば税務署が相続についての情報を把握しており、相続税の申告が必要ではないかと考えている場合、相続税についてのお尋ねが送付されるケースがあります。相続発生から数か月が経過しているタイミングでお尋ねが届いたときには、税務署でも確実に相続税が発生すると把握しているわけではありません。相続税の計算をし、相続税が発生しない場合には、お尋ねに対し、相続税がかからない旨の回答をすれば問題ありません。しかし、相続税の計算後、相続税の申告が必要になる場合は申告書を作成して提出する必要があります。
また、相続発生から数年後にお尋ねが届いた場合には、相続税の納税が必要なのではと疑われている可能性が高くなります。その際には、相続内容を確認したうえで、適切な対応をしましょう。

 

税理士に相談し、サポートを依頼する

不動産投資などで不動産所得があったにもかかわらず確定申告を行ってこなかった場合や贈与を受けて不動産を購入したにもかかわらず、贈与税の申告をしていなかった場合などもお尋ねの対象となります。
確定申告を忘れていた場合や確定申告の必要性について知らなかった場合などは、税務署からの問いにその旨を正直に回答し、速やかに確定申告を行いましょう。ただし、税務署から送られてくるお尋ねには回答期限が記載されています。そのため、これまでに確定申告の経験がないような方は、期限までに確定申告書を作成し、提出することが難しい可能性もあるでしょう。
その場合は税理士に相談し、サポートを依頼することをおすすめします。税理士であれば、正しい申告書の作成方法を熟知しているため、申告内容にミスが生じ、再び税務署から指摘を受ける心配もありません。

 

お尋ねに対応しなかった場合は税務調査や追徴課税の恐れ

もし、お尋ねが届いても、期日までに回答しなかった場合は、どのようなことが起きるのでしょうか。お尋ねを無視した場合のリスクについてご説明します。

 

文書や電話による督促が行われ、税務調査に発展する可能性も

期日までに回答しなかった場合、税務署から回答を迫る文書が再度送られてきます。さらに、再度のお尋ねにも応じない場合には、電話がかかってくることがあります。
そもそも、税務署からのお尋ねは、申告内容などについて気になる点があるために行われるものです。そのため、文書や電話で回答を促しても適切な返事を得られなかったときには、税務署側が直接、真偽を確認しようと考えても不思議ではありません。したがって、お尋ねに適切に回答しなければ、税務調査に発展する恐れがあるのです。

 

追徴課税のリスクも

お尋ねが届いてからでも、自主的に確定申告を行ったり、申告内容の修正を行ったりすれば、過少申告加算税などの支払いを求められることはありません。
しかし、税務署からの封筒を無視し、お尋ねに回答しなかったために税務調査が実施された場合、税務調査で不備についての指摘を受けた後に確定申告を行ったり、修正申告を行ったりするとペナルティとして追徴課税が行われます。確定申告を行っていなかったケースでは無申告加算税、申告額が少なかった場合は過少申告加算税が加算され、本来の納税額よりも多い額を納税しなければならなくなるのです。

 

まとめ

税務署から封筒が届いた場合、必ず開封して中身を確認するようにしましょう。今回ご説明したように税務署から封筒が届く場合、確定申告の内容に疑問がある場合や確定申告が漏れているのではと疑いをもたれている可能性が高くなります。
万が一、封筒を無視し、税務署に期限までに回答をしなかった場合、税務調査に発展し、追徴課税が行われるリスクもあります。税務署からお尋ねの封筒が届いた場合には、必ず中身を確認したうえで、期限までに回答するようにしましょう。
確定申告をしていなかった場合や申告内容にミスがあった場合など、対応に不安がある場合には早めに税理士に相談することをおすすめします。

 

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