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税務調査による追徴を払えない場合でも、直ちに差し押さえが行われるとは限りません。ただし、税金の滞納を放置すると延滞税が日割りで増え、税務署から督促を受けた後に差し押さえへ進むことがあります。
滞納とは、国税を納期限までに納付していない状態のことです。追徴税額をすぐに用意できず不安な方は、まず問題の規模と現在の徴収状況を客観的に確認しましょう。
2026年9月6日時点の最新資料である国税庁「令和7年度 租税滞納状況の概要」によると、令和7年度の新規発生滞納額は9,935億円です。令和6年度から10億円、0.1%増えましたが、ピークだった平成4年度の約5割に当たります。
一方、令和7年度中の整理済額は9,802億円で、令和6年度比315億円、3.3%増でした。その結果、令和7年度末の滞納残高は9,847億円となり、前年度から133億円、1.4%増えています。
金額は地方消費税を除きます。所得税と消費税の合計は7,841億円で、滞納残高全体の約8割を占めています。
国税庁は、滞納者の状況に応じた対応を行うため、AIを含むデータ分析を活用しています。これは公表されている徴収事務上の取り組みであり、AIによって直ちに差し押さえられるという意味ではありません。
追徴を払えないときは、滞納したまま放置せず、早い段階で税務署への相談を検討することが重要です。この記事では、納期限後に加算される税金、差し押さえまでの流れ、一括納付が難しい場合の相談方法や猶予制度について確認できます。適切な対応は個別事情で異なるため、税理士にも相談して判断しましょう。
目次
税務調査による追徴を払えないまま納期限を過ぎると、原則として本税に延滞税が加わります。滞納を放置すれば税務署による差し押さえにつながる可能性もあるため、まず追徴税額の内訳と納期限を確認しましょう。
追徴税額は、主に本税・加算税・延滞税で構成されます。加算税の種類や税率は、過少申告か無申告か、仮装・隠蔽があったかなどによって異なり、一律ではありません。
加算税には、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税などがあります。なお、延滞税は本税を対象として計算され、加算税そのものにはかかりません。
税務調査後に修正申告書を提出した場合、追加税額の納期限は原則として提出日です。税務署が更正・決定をした場合は、原則として通知書を発した日の1か月後が納期限となります。
ただし、税目や手続きによって確認すべき内容が異なります。納税通知書などに記載された実際の金額と納期限を必ず確認してください。
延滞税は、原則として対象となる納期限の翌日から完納日まで、日割りで計算されます。税務署へ相談しているだけで、延滞税が必ず止まるわけではありません。
国税庁の案内によると、2026年中の延滞税率は原則として納期限の翌日から2か月までは年2.8%、2か月経過後は年9.1%です。対象期間や事情により計算結果が変わるため、国税庁の案内を確認し、判断が難しい場合は税理士へ相談しましょう。
追徴税額を払えない場合、納期限後すぐ一律に差し押さえられるわけではありません。ただし、滞納を放置すると、延滞税の発生、督促・催告、財産調査、差し押さえへ進む可能性があります。
一括納付が難しいと分かった時点で、納期限前でも税務署へ相談することが重要です。実際の進行時期や対応は、滞納額や財産状況、相談・納付の状況などによって異なります。
最初に、修正申告をするのか、税務署による更正・決定を受けるのかを確認します。そのうえで、申告書や通知書など資料ごとに本税、加算税、延滞税、納期限を整理し、必要な総額を把握してください。
次に、預貯金、売掛金の入金予定、借入可能額を確認します。納税資金だけでなく、仕入代金や給与、家賃、生活費など、事業・生活の継続に必要な資金は分けて考えましょう。
一括納付が難しければ、収支、財産、今後の入金予定と納付見込みを説明できるよう準備し、早めに税務署へ連絡します。要件を満たす場合は、納税の猶予や換価の猶予により、分割納付などが認められる可能性があります。
納期限を過ぎると、延滞税は納期限の翌日から日割りで計算されます。その後、督促状が送付され、電話・文書・納税コールセンターなどによる催告が行われる場合があります。
督促状を無視すると、税務署が預貯金、売掛金、不動産などを調査し、差し押さえに進む可能性があります。「督促後、何日で必ず差し押さえ」とは断定できないため、届いた書類に記載された担当部署へ速やかに連絡してください。
追徴を払えない事情があっても、無連絡のまま滞納を続けることは避けるべきです。猶予制度の要件や提出資料は個別事情で異なるため、税理士にも確認しながら対応してください。
税金を滞納すると、銀行口座の預貯金、給与、売掛金・報酬、不動産、自動車、有価証券などが差し押さえの対象になる可能性があります。ただし、すべての滞納者について、同じ財産が同じ順序で差し押さえられるわけではありません。
個人事業主や法人は、預金だけでなく売掛金や報酬にも注意が必要です。売掛金が差し押さえられると、取引先が事業者ではなく税務署へ直接支払う可能性があります。
入金予定の代金を運転資金に充てられなくなるため、仕入れ代金や給与の支払いに影響しかねません。また、取引先が滞納の事実を認識することになり、取引関係への影響も考えられます。
追徴を払えないと分かった段階で放置せず、督促の前後を問わず早めに税務署へ事情を伝えることが重要です。相談時には、預金残高、毎月の収支、売掛金の入金予定などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。
差し押さえは、納期限を過ぎて督促状が送付された後に進むことがあります。ただし、実施時期や対象となる財産は、滞納額や保有財産などの個別事情によって異なります。
税務署へ相談中、または猶予を申請中であっても、差し押さえが必ず停止するとは限りません。税務署からの書類や連絡を放置せず、現在の手続状況を確認したうえで、必要に応じて税理士へ相談してください。
追徴を一括で払えないと分かった時点で、所轄の税務署へ相談してください。納期限後や督促状が届いた後であっても、放置せず、納付できる金額と時期を具体的に伝えることが重要です。
最も望ましいタイミングは、納期限を待たず、一括納付が難しいと判明した時点です。「払う意思はあるが、現在の預金残高や月次収支では全額を用意できない」と、数字に基づいて説明します。
すでに滞納している場合は、納期限の翌日から延滞税が発生している可能性があります。税務署へ早急に連絡し、利用できる制度や必要書類を確認しましょう。
税務署は、財産や収支、今後の納付見通しを確認します。次の資料を整理すると、一括納付できない理由と現実的な納付案を説明しやすくなります。
連絡先や伝える内容は、納期限や税務署から届いた書面の有無によって異なります。次の表を目安に、できるだけ早く行動してください。
特に口座や売掛金の差し押さえが事業継続に影響するおそれがある場合は、専門家への相談も検討してください。追徴内容そのものに疑問があるときは、納付相談と処分内容への対応を混同せず、税理士に確認したうえで進めることが大切です。
追徴税額を一括で払えない場合でも、一定の要件を満たせば、納税の猶予や換価の猶予により分割納付が認められることがあります。ただし、税務署へ頼めば必ず分割払いにできるわけではありません。
納税の猶予は、災害や病気、事業の休廃止などの事情により、一時に納付することが困難な場合に検討される制度です。換価の猶予は、一括納付により事業継続や生活維持が困難になるなど、一定の要件を満たす場合に検討されます。
換価の猶予が認められると、差し押さえた財産の換価が猶予される場合があります。各制度には申請期限や必要書類が関係するため、詳しくは国税庁の猶予制度に関する案内を確認し、早めに対応することが重要です。
希望する月額を伝えるだけでは足りず、財産、収支、今後の納付能力などを確認される可能性があります。無理な計画ではなく、継続して納付できる金額を資料に基づいて示すことが大切です。
猶予の可否や期間、担保の要否、延滞税の扱いは個別事情によって異なります。追徴を払えないまま滞納を放置すると、税務署による差し押さえへ進む可能性もあるため、連絡を無視しないでください。
追徴額が大きく事業継続に影響する場合や、手続きに不安がある場合は、早めに税理士へ相談することが望ましいです。特に次の状況では、税額の内容と納付計画をあわせて確認する必要があります。
税理士法人松本の見解では、税務署からの電話や書面を「様子を見よう」と置いてしまう方が少なくありませんが、連絡への応答が早いほど、その後の進め方に選択肢が残ります。適用できる制度や提出資料は個別に異なるため、最終的には税理士へ確認してください。
追徴税額を納期限までに払えない場合でも、直ちに差し押さえられると一律にはいえません。ただし、督促状を発した日から10日を経過する日までに完納されていない場合は差し押さえが可能となり、その時期は財産や納付状況などの個別事情によって異なります。
督促状を無視すると、催告や財産調査を経て、預金・売掛金・給与・不動産などの差し押さえに進む可能性があります。滞納を放置せず、督促状に記載された担当部署へ早めに連絡してください。
税務署へ相談しても、分割納付が必ず認められるわけではありません。収支や保有財産、納付能力などを踏まえて個別に判断され、要件を満たす場合には納税の猶予や換価の猶予により分割納付等が認められることがあります。
追徴を一括で払えないと分かった段階で、納期限前または滞納後できるだけ早く相談することが重要です。相談時に伝える内容や猶予制度の適用可能性に不安がある場合は、税理士にも確認するとよいでしょう。
自主的に一部を納付していても、それだけで差し押さえを必ず回避できるとは限りません。税務署との相談がないまま少額納付を続けても、残額は滞納した状態であり、納期限の翌日から本税に対する延滞税も日割りで計算されます。
一部納付を始める前に税務署と正式に相談し、収支や財産の状況を説明したうえで、今後の納付方針を確認することが大切です。追徴税額や資金繰りが複雑な個人・法人は、税理士へ相談して対応を検討してください。
税務署から調査の連絡が届いている方は、日程が決まる前のご相談をおすすめしています。
受付時間外やお電話が難しい場合は、LINE・メール相談もご利用いただけます。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者30万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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