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期限後申告 無申告 税務調査 2023.10.11

税務署の税務調査はインボイス導入後やりやすくなる?!

この記事の監修

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏
(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。
多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

インボイス制度が開始された2023年10月1日以後は、一定の事項を記載した帳簿と請求書等の保存が仕入税額控除の要件となりました。インボイスには、請求書、納品書、領収書、レシート等、書類の名称は問われませんが、インボイスの記載事項を満たしている必要があります。
また、インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置として、納税額を売上税額の2割に軽減する2割特例も導入されました。
インボイス導入後の税務調査では、取引先がインボイス登録事業者なのか、経理処理は誤っていないかなど、新たに設定された各種制度の適用が誤っていないかを確認される可能性があります。インボイス導入により税務調査がどのように変化していくのか解説していますので、今後の参考にしてください。

国税庁が今後も税務調査は大口で悪質な事例に限定と発言

国税庁の住沢整長官は2023年10月に始まるインボイス制度の税務調査について、従来と変わらず大口で悪質な事例に限定して実施する意向であるとし、「軽微な記載のミスを確認するための調査はこれまでしてきていない。記載事項(の不備)をあげつらうような調査はしない」と発言しました。
また、住沢整長官は税務調査に関して「制度の定着を図ることが当面重要な課題だ。柔軟かつ丁寧な対応をしていきたい」と述べました。
住沢整長官は仕入先から受け取ったインボイスに記載事項の不備があった場合でも、納品書や契約書など他の書類で必要事項を確認できれば、仕入にかかった消費税額の差し引きを認める考えを明らかにしています。記載の漏れがあったときに、別の方法できちんと確認できれば申告漏れだと指摘することはないことを強調されていました。

インボイスの記載不備は税務調査でどのような対応となるのか

住沢整長官は税務調査でインボイスの記載不備があったとしても、インボイス以外の書類等を確認するなど柔軟に対応していくと考えていると発言しました。
国税庁は令和5年8月25日に、インボイス制度の周知広報の取組方針等についての資料を公表しており、この資料のなかで、インボイス制度後の税務調査の運用について以下記載があります。

●これまでも、保存書類の軽微な記載不備を目的とした調査は実施していない。
・従来から、大口・悪質な不正計算が想定されるなど、調査必要度の高い納税者を対象に重点的に実施。
●仮に、調査等の過程で、インボイスの記載事項の不足等の軽微なミスを把握しても、
・インボイスに必要な記載事項を他の書類等(※)で確認する、
※相互に関連が明確な複数の書類を合わせて一つのインボイスとすることが可能。
・修正インボイスを交付することにより事業者間でその不足等を改める、といった対応を行う。
●まずは制度の定着を図ることが重要であり、柔軟に対応していく。
参照:国税庁https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tekikaku_seikyusyo/dai3/siryou.pdf

こうした考えの下で税務調査が行われるようです。
直近2~3年の税務調査では、インボイスの帳簿や書類不備は指摘程度になるのではないかと予想されます。
しかし、インボイス制度が定着した後はどうなるか誰にもわからないといったところです。

インボイス導入により課税事業者か判別可能

インボイスが導入されたことで、今後は課税事業者か免税事業者か判別が可能となりました。
税務署からすると調査でお店を訪れ、会計時に領収書を受領することで、領収書にインボイス登録番号の記載があれば、このお店は課税事業者だと言うことがわかり、番号がなければ、免税事業者ということになります。

課税事業者だけど、きちんと申告されているか

税務署は、調査のために訪れたお店の領収書に記載されたインボイス番号を調べることで、そのお店がきちんと申告が行われているか確認することができます。皆さんすでにお気づきかもしれませんが、インボイス登録番号を管理しているのは国税庁になります。
もし、登録番号を確認して申告がされていない場合は、売上があるのに無申告状態ということになります。無申告先へ税務調査に入ることで、無申告加算税や重加算税を課しやすく、調査官も税務調査ノルマも達成しやすくなるのではないでしょうか。

免税事業者ではなく、無申告事業者ではないか

調査時にインボイス登録番号の記載がない領収書を受領した場合、免税事業者の可能性と無申告事業者である2つの可能性があります。
もし、それなりの規模でやっているお店の場合は、規模感から調査官も売上の予測をつけることができ、免税事業者ではなく無申告事業者ではないかと疑いを持つことでしょう。
そこから、外観調査や内観調査が複数回行われ、税務調査へと発展する可能性があります。

無申告者へのペナルティが強化

2023年税制改正が行われ、税務署や国税局が、今後は無申告者への取り締まりをより一層強化していく方針を打ち出しています。
改正の内容の1つは、「高額な無申告に対する無申告加算税の加重措置」です。増差税額が300万円超の部分に対し、無申告加算税の割合を30%へ引き上げています。
2つ目は、「一定期間繰り返し行われる無申告者に対して、ペナルティを強化」していく方針です。前年及び前々年に無申告であるにもかかわらず、さらに無申告を重ねる場合、課されるペナルティが10%加重されます。ペナルティは無申告加算税と重加算税です。
重加算税に関しては、現行の40%から50%となりますので、インパクトはより大きいことが伺えます。
1つ目と2つ目の適用時期は、2024年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税からとなります。
現在、無申告が続いている方は税務調査が入る前に申告を終えるようにしましょう。



また、2023年1月からはすでに、税務申告で計上しなかった経費の存在を税務調査後に提出する経費、いわゆる「後出し経費」は認められなくなっています。 

帳簿や領収書等の支払先を明らかにする書類を保存していない、税務署が行う反面調査などでも取引が認められない場合は「後出し経費」は損金不算入となり、経費にならない措置です。

まとめ

インボイスが導入され、国税庁長官が話すように直近2~3年は、インボイスによる保存書類の軽微な記載不備を目的とした調査は行われないのではないかと予測されます。
しかし、今後の税務調査は、税制改正が行われたこともあり、大口・悪質な調査必要度の高い無申告者を対象に重点的に実施されるのではないでしょうか。
無申告でいることのリスクがより高まっていますね。現在も数年間無申告でいる方は早め早めの申告をするようにしましょう。
税理士法人松本では、過去数年分の申告から現在の申告までまとめて対応することが可能です。メールまたはお電話でお気軽にご相談ください。



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