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税務調査 2024.01.17

税務調査の流れを解説!知っておきたい基本的な知識から対応方法まで

この記事の監修

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏
(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。
多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

法人であっても、個人事業主であっても、納税の義務がある人であれば、誰でも税務調査の対象になる可能性があります。税務調査をまだ受けたことがない場合、税務調査に対して漠然としたイメージは抱いていても、どのような流れで調査が行われるのかについては把握していないケースもあるでしょう。
今回は、いつ税務調査の対象になっても困ることがないように、税務調査の流れなど、税務調査について知っておきたい基本的な知識をご説明します。



税務調査とは

まず、税務調査とは、納税者が申告書類を正しく作成し、正しく納税をしているかを確認する税務署などによる調査です。日本では、法人税や所得税は、納税者自身が課税所得額を申告し、納税を行う申告納税制度が採用されています。全ての納税者が正しく所得を申告し、正しく税金を納めていれば問題はありませんが、中には所得額を少なく申告するなどの不正を行い、税金の負担を免れようとする人もいるのです。税務調査は、適正で公平な課税を実現することを目的とした調査であり、税務調査によって申告内容の誤りや不正が発覚した場合には正しい申告のやり直しが求められます。

税務調査の種類

税務調査は大きく分けると「任意調査」と「強制調査」の2つに分けることができます。

任意調査とは

一般的に税務調査と呼ばれる調査は、税務署の調査官によって行われる任意調査です。任意調査とは言いますが、税務調査官には税務調査を行う質問検査権があり、納税者には調査を受ける受忍義務があります。そのため、任意調査であっても原則として、調査を拒否したり、調査に必要な関係帳簿の提出を拒んだりすることはできません。もし、正当な理由なく税務調査を拒否したり、帳簿を見せなかったりした場合には、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
任意調査では、事前通知がなされたうえで、指定の日時に調査が行われます。ただし、業種によっては無予告調査と呼ばれ、事前通知なしに税務調査を行うケースもあります。

強制調査とは

強制調査は、「マルサ」と呼ばれる国税局査察部によって行われる税務調査です。脱税などの不正の証拠を押さえて立件することを目的としており、裁判所の令状を持ち、強制的に調査が行われます。強制調査の対象となるのは、悪質で巨額な脱税疑惑がある場合であり、強制調査の対象になったときには、調査を拒否することはできません。
また、強制調査は証拠隠蔽の恐れなどがあるため、事前連絡などはなく、突然、調査が行われます。強制調査によって脱税していたと特定されれば、検察庁に告発され、刑事事件として処理されることとなります。

税務調査の流れ

税務調査は大きく分けると任意調査と調整調査の2つに分けられることをご説明しました。強制調査は、事前の通知なしで開始される調査であるため、ここでは、一般的な税務調査である任意調査の流れについてご説明します。

1.税務署から事前通知が行われる

まず、管轄の税務署から税務調査を行う旨の連絡が入ります。事前通知は電話で行われ、以下の事項についての通知が行われます。
・税務調査を開始する日時
・税務調査を実施する場所
・調査の目的
・調査の対象となる税目
・調査の対象となる期間
・調査の対象となる帳簿書類その他の物件
・その他、調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項
また、合理的な理由があり、指定の調査日時での対応が難しい場合は、日時変更の協議を求めることができる旨も口頭で説明されます。
事前通知は事業者に対して行われますが、税務代理人が税務署に提出する税務代理権限証書に納税者の事前通知に関する同意を記載している場合は、税務代理人である税理士にのみ事前通知が行われます。

2.調査日時の調整

税務署から通知された調査実施日にはすでに重要なアポイントメントが入っていたり、業務が忙しい日であったり、対応が難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、税務署に事情を話すことで日程の調整が可能です。また、税理士に立ち会いを依頼したい場合などは税理士の立ち会い可能な日時を確認してから、調査日時を調整することもできます。

3.税務調査に備えた準備を進める

事前通知の際には、当日までに準備すべき書類の案内が行われるケースがほとんどです。その場合は、税務署の指示に従って必要な書類を揃えましょう。
また、必要書類についての指示がなかった場合は、一般的に必要となる次のような書類を準備しておきます。

・帳簿類(総勘定元帳、仕訳帳、売掛帳、買掛帳、現金出納帳、固定資産台帳、当座預金出納帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳など)
・会社の組織に関する資料(会社案内、組織図など)
・売上に関する書類(請求書、見積書、契約書、納品書、領収書など)
・仕入、経費に関する書類(領収書、請求書、納品書、発注書など)
・雇用に関する書類(源泉徴収簿、扶養控除申告書、出勤簿など)

4.税務調査当日

調査当日、税務調査官が会社や店舗などを訪れ、実地調査が行われます。調査官から事業の内容や取引状況などについて質問がなされ、帳簿の確認がなされます。
調査は、数日にわたって行われるケースが一般的です。

5.税務署での分析と質問、指摘事項への対応

調査官が現場を訪問して行う実地調査が終わったら、実地調査の内容や収集した資料を踏まえて分析が行われます。分析の結果、指摘や質問がなされるほか、場合によっては追加の資料の提出を求められるケースもあります。
税理士に対応を依頼している場合には事業者に代わって税理士が対応をしますが、税理士がいない場合は事業者自身が調査官の質問や要求に対応する必要があります。
調査結果が終わるまでは、1か月程度の時間がかかることが一般的です。

6.調査結果の報告

調査が終わると、調査結果が報告されます。調査結果は、問題がなかった場合の「是認」、調査官の指摘事項を受け入れて申告内容を修正する「修正申告」、指摘事項に納得がいかない場合には修正申告を行わない「更正」の3つのパターンです。
是認の場合は、そのまま調査は終了となります。修正申告の場合は修正をし直し、不足分の税額や加算税を支払います。更正の場合は、国税不服士審判所の審査を経て、裁判で争うことになります。



税務調査で指摘を受けた場合に必要な対応

税務調査で指摘を受けた場合には修正申告を行うか、更正処分を受けることになります。

修正申告書を作成し、修正申告をする

税務署の指摘を受け入れ、修正申告を行う場合は、指摘事項に沿って修正申告書を作成し、提出します。しかし、税務署から指摘を受けた事項であっても、解釈の違いによっては誤りとは言い切れないケースもあります。税理士に税務調査の対応を依頼する場合には、納税者側の主張を伝えることで、税務署側の主張をそのまま受け入れるのではなく、互いが納得できる結論を導く交渉を行うことができます。税務調査で指摘された事項があったときには、すぐに修正申告をするのではなく、税理士に相談し、納税者も税務署側も指摘事項に納得できる内容で修正申告をした方がよいでしょう。
修正申告後は、不足分の税額に加え、過少申告加算税、延滞税などの納付が必要です。

納得できない場合は更正処分を受ける

税務署からの指摘事項に納得できない場合は、税務署から更正処分を受けることとなります。更正をされても、修正申告を行った場合に比べて支払う追徴税額が高くなるわけではありませんが、更正された場合は、国税不服審判所に不服の申し立てができ、訴訟を起こすことができます。しかし、訴訟に発展すれば、手続きに手間と費用がかかる点を踏まえ、修正申告か更正のどちらを選択するか判断するようにしましょう。

税務調査をスムーズに終わらせるために必要な対策

税務調査の対象となると、2日にわたって現場で調査が行われ、実地調査終了後も、申告内容について度々確認が行われることがあります。また、指摘事項が多ければ、その分、追加で書類を提出しなければならなかったり、事情を説明しなければならなかったりと、納税者の負担は大きくなります。通常業務がある中で税務調査が行われるため、税務調査はできるだけスムーズに終わらせたいと考える方がほとんどでしょう。では、税務調査をスムーズに終わらせるためにはどのような対策が必要なのでしょうか。

日ごろから帳簿付けなどを正確に行う

税務調査は、正しく申告しているかを調べる調査です。そのため、申告内容に何の問題もなければ、税務調査では指摘されることも少なく、スムーズに終了します。日ごろから適正なルールに基づき、しっかりと帳簿付けをするなど、経理処理を的確に行っていれば申告内容も正しいはずであり、税務調査の対象になっても慌てることはありません。

税務調査の担当者を決める

法人の場合、誰が税務調査当日に立ち会いをするのかを決めておきましょう。会社概要や事業内容などの経営に関連する事項については社長が対応し、具体的な経理上の処理についての対応は経理担当者、従業員の雇用状態については人事担当者など、役割分担を決めておくことも大切です。

必要書類や関連資料を準備しておく

税務調査では、帳簿や書類が細かくチェックされます。調査に必要な書類を準備できていなかった場合、調査官の質問や要求に対応できないため、調査が長引く可能性があります。また、事前に準備を求められていた書類以外にも関連する資料の提出を求められるケースもあります。資料を提出できない場合は、調査官が注目する事項の証明ができないため、誤りがあると指摘されてしまう可能性もあるでしょう。
申告に必要な帳簿や申告に関連する資料などをしっかり揃え、求めに応じて素早く対応できるように準備しておくことが大切です。

帳簿や書類の書き込み等をチェックしておく

必要な書類を準備する際には、内容も確認しておくことが大切です、もし、鉛筆などで加筆されている箇所があったり付箋が貼られていたりすると、何か不都合なことがあるのではと疑われてしまう可能性もあります。帳簿や書類に不正を疑われるような書き込みや付箋の貼付などがないか、事前に確認するようにしましょう。

税務調査の不安を解消するためには税理士に相談を

税務調査は、納税義務のある人であれば誰でも調査の対象となり得るものです。しかしながら、税務調査に入ると連絡があれば、それだけで緊張してしまう人も少なくありません。日ごろから正しく経理処理を行い、適正に申告を行っていれば税務調査の事前通知を受けても恐れる必要はありません。しかし、正しく経理処理や申告ができているか不安なケースもあるでしょう。そのような場合は税理士に相談することをおすすめします。

指摘事項にも適切な主張ができる

税理士は、税務調査の立ち会いが認められています。そのため、税務調査時に調査官から質問が行われ、緊張からうまく回答できない場合でも税理士は適切にフォローすることができます。
また、税法は解釈の仕方によってとらえ方が変わる場合があります。税務調査官からの指摘を受けても、税法についての専門的な知識がなければ、税務調査官の主張に対して反論できないこともあるでしょう。
しかし、税法に詳しい税理士であれば、納税者側の考えを税法に則ったかたちで主張することができ、適切な主張を行うことで修正申告を免れたり、追徴課税額を減額できたりする可能性があります。

万全な準備態勢で税務調査に臨める

税務調査の対応を税理士に依頼すれば、税務調査に必要な書類もしっかり準備することができます。また、事前に確認されることが多いポイントや指摘されやすそうなポイントについてのアドバイスを受けることができるため、想定される質問に対してどのように回答すべきかの準備も可能です。そのため、安心して税務調査に臨むことができるでしょう。

まとめ

税務調査の流れについてご紹介しました。税務調査では、事前通知が行われ、実地調査の日時調整が行われるケースが一般的です。顧問税理士がいない場合には、事前通知が入った段階で税務調査に強い税理士に相談することをおすすめします。
税理士法人松本は、数多くの税務調査の対応実績を持つ税理士法人です。そのため、税務調査をスムーズに終えるためのノウハウを豊富に保有しており、事前準備から当日の立ち会い、税務署との折衝まで一貫してサポートいたします。
初回相談は無料で承っておりますので、税務調査の事前通知があり、お困りの場合にはどうぞお早めにご相談ください。



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