メニュー
読了目安時間:約 5分
「どれくらいの売上があると税務調査の対象になるの?」
「売上が増えてきたけど、税務調査が来るかもしれなくて不安」
このように考えている方は多くいます。税務調査に入られる基準が気になるのは誰もが同じ。できるなら知っておきたいポイントです。
結論からいえば、税務調査には売上が大きく関係しています。ただし、それ以外の要素も複雑に絡んでいるため、油断は禁物です。
この記事では「税務調査が入りやすい売上」について解説します。「税務調査に入られない個人事業主の特徴」や「税務調査の対策」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
税務調査に入るか入らないかの基準として、売上は大きく関係しています。まずは1,000万円を基準にして考えると良いでしょう。
なぜそうなのか詳しく解説します。
一般的に税務調査が入りやすい基準の1つとして、売上金額が1,000万円をわずかに下回っていると税務調査を受けやすくなるといわれています。
1,000万円が消費税課税事業者の分岐点になるためです。
税務調査は納税者が適正に税務申告をしているかを確認するための手続きなので、非常にわかりやすい基準といえるでしょう。
課税対象にならないよう意図的に売上を調整していると疑われるためです。
正当な売上として申告している場合は全く問題ありませんが、中には実際の売上を低く見積もったり、一部の売上を計上していなかったりといったケースがあります。
そのような状況を想定して、800万円~900万円の売上が続いていると、税務調査の対象になります。
結論として、税務調査に入る基準として売上は関係ありません。対象になりやすい傾向はあるものの、重視されるのは売上よりも申告内容の正確さです。税務調査が売上の規模よりも、申告内容に矛盾や不正がある点に焦点を当てている点から見ても、重要なポイントがわかります。
そのため、売上の一部を申告していなかったり、経費の計上が不自然であったりした場合は、売上が低くとも税務署の目に留まりやすくなります。実際の売上が1,200万円なのにもかかわらず800万円と申告するような状態をイメージするとわかりやすいでしょう。
税務調査に入られないためには、売上だけでなく正確な申告を心がけることも最も大切です。
売上を正しく申告していないと、税務調査によって追徴課税を受ける可能性があります。特に近年は選定にAIが活用されているため、調査の効率性が向上しています。結果、令和5年度は過去最高の追徴税額になっています。
では、どの程度の課税になるのか、以下にわけて詳しくみていきましょう。
所得税の追徴課税は毎年異なります。国税庁の「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によると、以下のような金額となりました。
売上を正確に申告していないと、上記のように所得税の追徴課税が発生する可能性があります。
追徴課税とは、過去の申告額に誤りや不足があった場合に、差額を補填するために徴収される税金のことです。場合によっては不足税額以外に延滞税や、加算税などの附帯税が課され、非常に大きな納税額になるケースもあります。
追徴課税を受けないためにも正確な申告を行い、ミスのない申告を心がけましょう。
消費税の申告漏れも、追徴課税の対象です。国税庁の「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によると、以下の金額が公表されています。
実地調査・簡易な接触ともに追徴課税額が過去最高を記録しています。少しのミスでも調査対象になる可能性があるため、売上管理を徹底し、適切な消費税を申告していくようにしましょう。
税務調査に入られやすい個人事業主には特徴があります。まず自身が以下に当てはまっていないかを確認しましょう。
売上に大きな変動がある場合、税務調査の対象となる可能性があります。収入が不安定だと記帳ミスや意図的な調整を疑われやすいためです。
例えば、前年と比べて売上が急増または急減していると、不自然と捉えられて調査の対象になります。他にも、取引先が提出した支払調書をきっかけに税務調査が実施されるケースもあります。
申告内容と実際の売上に差異が生じていると税務調査の対象になりやすいため、提出前に必ず確認しましょう。
1,000万円以上の売上がある場合、税務調査に入られやすい傾向にあります。課税事業者として消費税を納めなければならないためです。
また、上記の点から売上が1,000万円にギリギリ届かないような形で調整している方も注意した方が良いでしょう。実際と売上に差異があるのではないかと疑われ、税務調査の対象になる可能性があります。
1,000万円はひとつの大きな区切りなので、その付近の売上にある方は税務調査の対象になる心積もりをしておきましょう。
売上に対して、経費の割合が不自然に多い場合も税務調査の対象になります。不正経費計上を疑われるためです。経費は事業に関係するものでしか計上できません。理由をつけて経費計上をしすぎていると、収益と収支のバランスが合わなくなります。結果、事業の実態を反映していないと判断され、税務調査を受けることになるのです。
極端な例でいうと、売上に対して経費が9割を超える場合、税務調査に入られる可能性が極めて高くなります。そうならないためにも計上できる分だけに止め、難しい場合は税理士に相談するようにしましょう。
現金取引が多い事業者は、税務調査を受ける可能性が高くなります。預金や電子取引と異なり、現金は追跡が難しく、不正が行われやすいためです。所得隠しの疑いを持たれてしまいます。
特に、現金取引が多い飲食店や小売業のような職業は注意しましょう。税務調査の際に詳細な記録が求められるため、普段から管理しやすい体制を整えておくことが大切です。
税理士を利用していない事業者も、税務調査を受ける可能性が高くなります。専門的な知識が足りず、記帳ミスや申告ミスが起こりやすいためです。特に自分で確定申告を行う場合、経費計上のルールを間違えて申告してしまうケースがあります。
ですが税理士に相談していると、そうした間違いはまず起こりません。正確に計上してくれるため、税務調査を受ける可能性を大きく下げられるでしょう。
売上は税務調査を受ける可能性がある要因の1つです。受けないためには、以下の対策をしてみましょう。
会計ソフトで売上や経費を正確に記録するようにしましょう。中にはAIが自動で適切に集計してくれるものもあるので入力ミスを軽減できるばかりか、税務調査のリスクも大きく減らせます。
特に近年はスマホとも連動できるクラウド型の会計ソフトが人気です。レシートの写真を撮影するだけで読み込んでくれるので、入力の手間も省けます。
データの整合性を保ち、ミスのない申告をするためにも会計ソフトはなるべく導入した方が良いでしょう。
税理士のサポートを受ける方法もオススメです。最新の税法や申告ルールに則った適切な税務申告ができます。
特に経費の計上や売上の処理方法に不安がある場合、税理士に相談することで問題を未然に防げます。もし税務調査を受けたとしても税理士が立ち会ってくれるため安心です。
コストはかかりますが、メリットが非常に大きい対策方法といえます。
無申告や過少申告をしないのも重要な対策です。申告内容に少しでもおかしな部分があると税務署が不正を疑い、調査を行う可能性が高まります。納税は義務なので、正確に申告するよう心がけてください。
例えば、売上を一部隠したり過剰な経費を計上したりした場合、追徴課税やペナルティを受けます。もし故意に虚偽の申告をして脱税をすると、刑事罰の対象になります。
税務調査は申告内容が正しいかどうかを確認する作業です。正直に売上を申告し、適切な経費を計上していれば何も問題はありません。意図的な無申告や過少申告をしないようにしましょう。
税務調査を受ける可能性が高くなるのは、売上額が1,000万円を超える場合です。ただし、売上額よりも申告内容が重視されるため、1,000万円に届いていないからといって必ずしも税務調査の対象にならないわけではありません。どのような売上額でも正確な申告を心がけましょう。
税務調査は申告内容が正しいかどうかを確認する調査です。調査の連絡が来たからといって慌てる必要はありません。落ち着いて対応しましょう。
もし不安な場合は税理士に相談してください。税務調査のサポートをしてくれるため、安心して当日を迎えられます。
‐免責事項‐
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
税理士法人松本の強み
30秒で完了かんたん税務調査リスク診断
←前の記事
無申告の解消は税理士に相談した方が良い理由。ばれるとどうなる?ペナルティは?
次の記事→
税務調査は誰が来る?役職別の特徴と対応のポイントをわかりやすく解説
あわせて読みたい記事
税務調査
税務調査は対応次第で結果が大きく変わります!
専門家があなたの税務調査に関する不安を一つ一つ丁寧に解決。初回有料相談は返金保証付きで、どんな小さなご相談も全国から承ります。