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「税務調査が2年連続で? そんなことあるの?」
「また税務調査が来るんだけど、対策って何かある?」
税務調査を連続で受ける際、このように感じる人は多くいます。実際、2年連続で調査が入るケースは非常に稀です。なかなかありません。
その中から2年連続で調査対象になるのには理由があります。
この記事では「税務調査に2年連続で実施されやすい業種」について解説しています。「2年連続で受ける個人事業主の特徴」や、「2回目以降の税務調査で気を付けたいポイント」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
税務調査に2年連続で入られるケースは、非常に稀です。ほとんどありません。何故なのか、まずは以下にわけて詳しく見ていきましょう。
個人事業主が税務調査の対象になる確率は、1%程度です。以下の表を見てみましょう。
参考:国税庁「令和5事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」「申告所得税標本調査(令和5年度)」
上記の数値から考えても、個人事業主やフリーランスに税務調査が入る確率は非常に低いといえます。ただし、申告書を提出した個人を対象にしたものなので、無申告者を入れると数値は高くなると考えられます。
一般的に、個人事業主より法人の方が税務調査の対象になる確率が高い傾向にあります。以下の表を見てみましょう。
参考:国税庁「令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要」「令和5事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」
約1.8%と、個人事業主と比べて倍近い数値です。法人は取引規模が大きく、税務署が確認すべきポイントが多くあります。正確な財務管理と透明性のある申告を意識し、調査に入られないよう気を付けましょう。
税務調査が2年連続で入る確率は非常に低いといえます。以下を見てみましょう。
確率でいえば、個人事業主は1万人に1人の割合です。法人で見ても、1万社のうち3社のみと非常に少ない数になります。
そのため、2年連続で税務調査を受けるのは稀です。余程の理由がない限り、まずないと認識して良いでしょう。
税務調査が何年ごとに行われるかは決まっていません。業種や事業規模、申告内容の正確性によって異なるためです。
ただし、大枠として3年に1度というのが目安にはなっています。税務調査では過去3年分のデータを調査対象とするので、スパンとしては妥当と考えられます。
一方で、税務調査が頻繁に実施される業種もあります。その場合は、過去に何らかの事情があり、税務署にマークされていると認識した方が良いでしょう。
不正が発覚しやすい業種は、税務調査の対象になりやすい特徴があります。国税庁が公表している「令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要」では、以下の業種が挙げられています。
バーやクラブ、飲食のように現金取引が多い業種ほど、税務調査で不正が発覚しています。現金取引が多いと記録に乗りにくいため、不正がしやすいといった背景があります。
そうした経緯から税務署も注視しているので、上記の業種に関係のある方は税務調査が入っても問題がないよう正確な申告を心がけましょう。
不正1件あたりの不正所得金額が大きい業種も、税務調査の対象になりやすくなっています。国税庁が公表している「令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要」を見てみましょう。
不正所得金額が大きい業種は、税務署の注目を集めやすくなります。不正を発見する割合が低くとも、1件あたりの不正所得金額が大きいと税務調査が入る可能性が高くなるため、該当する業種の方は注意した方が良いでしょう。
税務調査を2年連続で受ける個人事業主には特徴があります。以下に自分が当てはまっていないか、振り返ってみましょう。
確定申告をしていない個人事業主は、無申告者として税務調査の対象になります。この場合、意識的なのか知らないのかにわかれます。例えば、これまで会社員としてずっと働いてきた方だと、確定申告をしなければいけないこと自体を知らなかった、といったケースです。
無申告は自分が確定申告をしていなかったとしても、取引先からの情報で必ず税務署にバレます。1度無申告として判断されると、念のため次年度も税務調査の対象になる可能性があるため、正確な申告を心がけて税務調査の対象にならないようにしましょう。
売上が順調に伸びている個人事業主も、税務調査の対象になる可能性があります。売上が伸びた結果、作成する会計帳簿や取引関係書類が増加することによる作成ミスの確率が上がるためです。
また、急成長している事業は、経費の計上や所得の申告に問題がないかを慎重にチェックされる傾向があります。特に前年より売上が大幅に増加している場合、不自然な点がないか確認のため、税務調査が実施されます。
売上が順調に伸びているのは歓迎すべきポイントですが、税務調査の対象になる可能性が高くなる点にも注意しておきましょう。
申告漏れが多い業種に従事していると、税務調査の可能性が高まります。特に国税庁が発表している不正発覚の割合が高い業種の方は、注意が必要です。
中でも現金取引が多い業種は、売上の過少申告や経費の不正計上が疑われやすい特徴があります。日々の取引を適切に管理し、正しい申告をするよう心がけましょう。
税務調査が2回以上入った場合、気を付けたいポイントがあります。特に以下の2点は重要です。
2回目以降の税務調査では、前回の調査の話を持ち出さないようにしてください。過去の調査内容に言及すると、新たな疑念を生む可能性があります。やぶ蛇にならないようにしましょう。
例えば、前回の調査結果に対する言い訳や補足説明をしようとすると、前回の税務調査分の資料まで調べられる可能性があります。不正がなければ問題ありませんが、痛くもない腹を探られるのはもちろん、もしミスが見つかったら追徴課税や延滞税が発生します。
デメリットしかないので、今回の調査の話のみをするようにしましょう。
過去の税務調査で指摘を受けた点は、確実に改善しておくのも重要です。同じ問題が再び発覚すると、悪質と判断される恐れがあります。税務調査官からの印象も悪くなります。
例えば経費の計上方法に関する指摘があった場合、適切な帳簿管理を徹底し、正確な記録を残すようにしましょう。改善を証明できる資料を用意して適切に対応できる状態にしておくと、スムーズに調査も進みます。指摘を受けた場所をそのままにしないことが重要です。
税務調査が2年連続で実施されるのは、非常に低い確率です。決して一般的ではありません。しかし不正が発覚しやすい業種や売上が急増している事業者などは、税務署から重点的にチェックされる可能性があります。
日頃から正確な申告をし、税務調査があっても誠実に対応するように心がけましょう。冷静な対応が大切です。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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