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税務調査で追徴税額を指摘された後に個人が自己破産しても、税金の支払責任は原則として残ります。借入金の返済も重なる中、破産すれば税金も支払わずに済むのか、不安に感じる方もいるでしょう。
免責とは、破産手続で定められた債務について、支払う責任を免れることです。ただし、破産法253条1項1号は「租税等の請求権」を例外としており、免責許可決定が確定しても、税金は原則として免責されません。
追徴される本税だけでなく、無申告加算税などの加算税や延滞税も、破産すれば当然に消えるわけではありません。破産手続で税金に充てられるお金があるかどうかと、残額の支払責任が免責されるかどうかは別の問題です。
この記事では、主に個人の自己破産を扱い、破産手続での税金の扱いや、支払えないときの納税相談などを解説します。追徴額や借入金の状況を確認したうえで、税理士に相談することを検討しましょう。
目次
税務調査で追徴された税金は、破産手続で優先して支払われる場合があります。順位は税金の種類や納期限などによって異なり、すべての税金が同じ扱いになるわけではありません。
破産手続の開始前の原因に基づいて生じた租税等は、開始時点の納期限に応じて財団債権となる場合があります。財団債権は、原則として借入金などの破産債権に先立ち、破産手続によらず随時弁済されます。
破産法148条1項3号では、2026年時点で、開始時に納期限が未到来のものや、納期限から1年を経過していないものなどを財団債権と定めています。
例えば、数年分の追徴税額がある場合でも、各税額の納期限を確認しなければ順位は判断できません。財団債権に当たる場合も、支払える額は破産手続で扱う財産の状況によります。
加算税や延滞税についても、破産手続での順位と免責されるかどうかは別の問題です。納期限から1年を超えた税金が免責されるわけではありません。
国税不服審判所の公表裁決例では、加算税は劣後的破産債権とされ、延滞税は本税の納期限や計算対象期間によって順位が分かれると説明されています。税目ごとに納期限や対象期間を確認する必要があります。
個人の破産では、租税等の請求権は原則として免責の対象外です。税務調査で示された本税・加算税・延滞税の内訳や納期限が分かる資料を用意し、個別の扱いを税理士に相談してください。
税務調査で指摘された税額を払えない見込みなら、納付期限を待たずに納付先へ相談しましょう。自己破産を考えている場合も、税金は原則として免責されないため、納付方法や猶予を検討する必要があります。
国税は税務署、地方税は自治体の担当窓口に、一括で払えない事情を伝え、納付方法や猶予を相談します。借入金の返済も重なっている場合は、その状況を含め、毎月の支払可能額を説明できるようにしておきましょう。
相談前には、次の内容を確認しておくと、収支や財産の状況を伝えやすくなります。
国税には、要件を満たす場合に利用できる納税の猶予や換価の猶予があります。認められるかどうかは事情や申請内容によるため、税務署に確認してください。
2026年時点では、本来の期限から1年以上経過した後に修正申告などで税額が確定し、一時に納付できない場合も、納税の猶予の対象となることがあります。この場合は原則として納期限までの申請が必要で、修正申告では提出日が納期限となるため、提出前に相談しましょう。詳しくは国税庁の案内をご確認ください。
税額の内訳や通知内容を確認し、疑問点を税理士などに相談しましょう。売上や経費の認定に納得できない場合は、帳簿や領収書と照らし合わせて確認します。
不服申立てを検討する場合は、対象となる手続や期限を早めに確認してください。納付に関する相談と並行して、税額の妥当性を税理士に確認するとよいでしょう。
税務調査で指摘された追徴税額や申告内容は税理士に、借入金を含む債務全体や破産手続は弁護士に相談しましょう。必要に応じて両者に連携してもらい、納税と債務整理を並行して検討します。
数年分の追徴を指摘され、借入金の返済も重なっている場合は、税額だけでなく、手元の資産や今後の返済負担も確認する必要があります。個人の税金は、自己破産して免責を受けても原則として支払いが残るため、破産だけで解決すると考えずに相談することが大切です。
税理士には、税務調査で何を指摘されたかを伝え、修正申告の内容や追徴税額の内訳を確認してもらいましょう。本税と加算税・延滞税を分けて把握し、申告内容の検討に必要な資料も確認します。
相談時には、税務署から受け取った書面や過去の申告書、帳簿などを持参すると、指摘事項と申告内容を照らし合わせやすくなります。修正申告の提出を求められている場合は、提出前に相談しましょう。
弁護士には、税金以外の借入金や保証債務も含めて伝え、破産手続を含む債務整理について相談します。資産や返済状況も共有し、債務全体を踏まえて手続を検討してもらいましょう。
相談前には、分かる範囲で次の情報をまとめておくと、税理士と弁護士に状況を伝えやすくなります。
資料がそろっていなくても、税務署からの連絡を放置せず、手元にある情報から相談を始めましょう。税額の確認と債務整理の判断は、それぞれ専門家に依頼し、情報共有の方法も相談してください。
まずは、税額が確定しているか、借入金の返済や破産手続がどの段階にあるかを確認しましょう。状況に応じて資料をそろえ、税務署や専門家に早めに相談することが出発点です。
通知書で税額・納期限・納付先を確認し、国税は税務署、地方税は自治体に相談しましょう。収入と支出が分かる資料を用意すると、納付できる金額を説明しやすくなります。
修正申告で税額が確定する場合、国税の納税の猶予は申請期限に注意が必要です。国税庁の案内を確認し、申告書を提出する前に税務署へ相談してください。
税務署からの指摘内容と、その根拠になった資料を整理し、税理士に確認を依頼しましょう。売上げや経費の計上について見解が異なる箇所は、帳簿や領収書と合わせて伝えます。
処分を受けた場合は、不服申立ての手続や期限も確認してください。調査中の指摘と、処分を受けた後では取るべき対応が異なるため、受け取った書面をそのまま持参しましょう。
債権者ごとの借入残高と返済予定を一覧にし、財産や収支の資料とともに弁護士へ相談しましょう。税金の通知書も渡し、借金と納税の両方を踏まえて今後の見通しを確認します。
個人が自己破産を選んでも、税金は原則として残ります。 破産法253条では、租税等の請求権は免責の例外とされています。
追徴の通知や滞納状況を、破産管財人や代理人に速やかに伝えましょう。税目、納期限、未納額が分かる書面を渡し、手続上の税金の順位と今後の対応を確認してください。
競売や公売、破産手続で財産を手放した場合も、資産の譲渡に当たるため、譲渡所得に所得税がかかるか確認が必要です。ただし、債務の返済が著しく困難になるなど、要件を満たせば非課税となる場合があります。
資力を喪失し、債務の弁済が著しく困難な場合に、強制換価手続で資産を譲渡したことによる所得は、所得税の課税されない譲渡所得に該当します。強制換価手続には、滞納処分、競売、破産手続などが含まれます。
例えば、税務調査後の追徴税額と借入金の返済が重なり、財産が公売される場合も、非課税の要件を満たすか確認します。資産を手放したという事実だけで、自動的に非課税となるわけではありません。
また、強制換価が避けられない場合の譲渡にも、譲渡代金の全部を債務の弁済に充てるなどの要件があります。詳しくは国税庁「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」をご確認ください。
手続の種類と、財産を譲渡したときの資力や債務の状況を確認します。税理士に相談する際は、次の事項が分かる資料を用意するとよいでしょう。
非課税に該当するかは個別の事情によって異なります。 資料を確認したうえで、譲渡所得の申告が必要かも含め、税理士に相談してください。
自己破産後に税務調査で追徴された税金も、原則として免責されず、支払いが必要です。破産法253条では、租税等の請求権は免責の対象外とされています。通知された税額や対象期間を確認し、税理士に相談してください。
会社の税金と代表者個人の債務は分けて確認する必要があります。代表者個人への課税や保証の有無によって事情が異なるため、税務調査の通知や関連資料を持って専門家に相談してください。
一括での納付が難しい場合は、納付先に収支状況を伝え、納付方法を相談できます。国税には納税の猶予などの制度がありますが、利用できるかどうかは個別の事情によるため、税務署や税理士に確認してください。
税務調査による追徴税額は、個人が自己破産して免責を受けても、原則として支払い義務が残ります。破産手続での税金の順位と、免責されるかどうかは別の問題です(破産法)。
支払いが難しい場合は放置せず、税務署などの納付先に相談し、猶予制度の対象になるか確認しましょう。借入金を含めた債務の整理については弁護士にも早めに相談してください。
税務調査は初動によって結果が変わる場合があります。不安があるときは、修正申告の前に税務調査に強い税理士へ相談しましょう。
税務署から調査の連絡が届いている方は、日程が決まる前のご相談をおすすめしています。
受付時間外やお電話が難しい場合は、LINE・メール相談もご利用いただけます。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者30万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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