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【相場と判断軸】税理士の確定申告費用はいくら?個人事業主の選び方

読了目安時間:約 8分

確定申告期が近づくと、「税理士に依頼すると費用はいくらかかるのか」「自分でやるのと比べて何が違うのか」と気になる方は少なくありません。実際の費用は申告形態や売上規模、記帳の準備度合いによって5万円〜25万円程度まで幅があり、依頼方法によっても大きく変わります。

本記事では、個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場、丸投げ/部分依頼/顧問契約の違い、自分でやる場合との判断軸、費用を抑える工夫を解説します。

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税理士に確定申告を依頼する費用の全体像

個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合、費用は申告形態と売上規模で大きく変動します。まずは依頼形態の違いと、見積額を左右する要素を押さえることが、相場感をつかむポイントです。

  • 依頼形態の違い|丸投げ・部分依頼・顧問契約
  • 費用を左右する6つの要素
  • 業界相場の根拠|日本税理士会連合会の調査

依頼形態の違い|丸投げ・部分依頼・顧問契約

税理士への依頼は、関わる業務範囲によって大きく3つのパターンに分かれます。それぞれで費用感もサポート内容も変わるため、自分の事業規模や手間のかけ方に合わせて選ぶとよいでしょう。

  • 申告のみ単発依頼(部分依頼):確定申告書の作成と提出のみを依頼。費用は5万円〜15万円程度が中心
  • 記帳代行を含めた丸投げ:日々の仕訳から確定申告まで一括依頼。費用は申告料+月額3万円〜10万円程度
  • 顧問契約:月次の試算表作成や随時相談を含む継続契約。月額1万円〜3万円+確定申告料5万円〜10万円

個人事業主の場合、はじめての確定申告では申告のみ単発依頼から入るのが一般的であり、年商が伸びて月次の経営判断や節税相談の必要性が出てきた段階で、記帳代行込みや顧問契約を検討する流れが一般的です。

参考:第7回税理士実態調査報告書の公表について|日本税理士会連合会

費用を左右する6つの要素

同じ「確定申告依頼」という言葉でも、税理士事務所が見積もりを出すときには複数の要素を確認したうえで金額が決まります。

  • 売上規模(年商の段階で費用レンジが変わる)
  • 申告形態(白色/青色10万円控除/青色55万円控除/青色65万円控除)
  • 仕訳件数・取引数(月100件以下と1,000件超では大きく差が出る)
  • 業種(不動産業、複数収入源、現金商売は手間が増える)
  • 依頼時期(1〜3月の繁忙期は割増、または受注停止の事務所もある)
  • 記帳の準備度合い(クラウド会計で整理済みかレシートの山かで倍違うこともある)

相見積もりを取る際は、上記の要素を伝えたうえで複数事務所の見積額を比較すると、自分のケースの相場感が掴みやすくなるでしょう。

参考:確定申告書等の様式・手引き等|国税庁

業界相場の根拠|日本税理士会連合会の調査

税理士の報酬体系を業界全体の数字で押さえる場合、日本税理士会連合会が10年に1度実施している実態調査が参考になります。最新版は2024年4月実施の第7回調査です。

  • 調査名:第7回税理士実態調査(2024年4月実施)
  • 対象:税理士・税理士法人会員
  • 回答数:38,607件(回答率44.8%)
  • 収録内容:個人税理士・税理士法人別の報酬データ、業務内容別の単価傾向

報告書本体は会員限定で公開されており、一般の方が確認できる相場感は個別の税理士事務所の料金表を複数見比べて把握するのが実務的な進め方です。

参考:第7回税理士実態調査報告書の公表について|日本税理士会連合会

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個人事業主の確定申告依頼費用|売上規模別の相場

個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場を、申告形態と売上規模別に整理します。自分のケースに当てはめやすいよう、白色/青色/記帳代行込みの3区分で見ていきます。

  • 白色申告の費用相場
  • 青色申告の費用相場
  • 記帳代行を含めた丸投げの費用

白色申告の費用相場

白色申告は青色申告より簡易な記帳で済むため、税理士費用も比較的低めの水準です。年商が小さく、開業初年度などで青色申告承認申請が間に合わなかった方が中心の選択肢となります。

売上規模 費用相場(単発・申告のみ)
〜300万円 3万円〜5万円
300万円〜500万円 5万円〜8万円
500万円〜1,000万円 8万円〜12万円

参考:確定申告書等の様式・手引き等|国税庁

白色申告は控除メリットが小さく、年商が伸びてくると青色申告への移行を検討する局面が来ます。翌年から青色申告に切り替える場合は、3月15日までに青色申告承認申請書を提出しておく流れが基本です。

青色申告の費用相場

青色申告は控除メリット(最大65万円)が大きい一方、複式簿記での記帳と貸借対照表の作成が必要になります。税理士費用も白色より上がりますが、節税効果でペイできるケースも多いです。

売上規模 費用相場(単発・申告のみ) 特記事項
〜500万円 7万円〜10万円 フリーランス層が中心
500万円〜1,000万円 10万円〜15万円 青色65万円控除推奨帯
1,000万円〜3,000万円 15万円〜25万円 消費税課税事業者・申告料追加
3,000万円超 25万円〜40万円 顧問契約への移行検討

参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁

青色申告で65万円控除を取るためには、複式簿記での記帳に加えてe-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿保存が要件となるため、税理士に依頼する場合はこの要件を満たした申告書を作成してもらう前提となります。

関連記事:経費で落とすとどれくらい得になる?よくある誤解や注意点を解説

記帳代行を含めた丸投げの費用

領収書や請求書をまとめて税理士に渡し、記帳から確定申告まで一括で任せる「丸投げ」の場合、申告料に加えて記帳代行料が発生します。仕訳件数で月額相場が決まる料金体系が一般的です。

月間仕訳件数 記帳代行の月額相場 年間の追加費用
〜100件 1万円〜3万円 12万円〜36万円
100〜500件 3万円〜5万円 36万円〜60万円
500件超 5万円〜 60万円〜

参考:第7回税理士実態調査報告書の公表について|日本税理士会連合会

年商1,000万円超のケースでは年間50万円〜80万円規模の費用感を見込んでおくのが現実的と言えるでしょう。

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自分でやるか税理士に依頼するかの判断軸

費用相場が見えてきたら、次は「自分でやるか/税理士に依頼するか」の判断です。金額の比較だけでなく、自分の時間コストや節税効果まで含めて考えると判断がしやすくなります。

  • 時給換算で考える「自分でやる」の本当のコスト
  • 青色65万円控除+経費計上の節税効果でペイする計算例
  • 税務調査リスクと依頼の判断

時給換算で考える「自分でやる」の本当のコスト

「自分で確定申告をすれば税理士費用は浮く」と考えがちですが、申告作業に取られる時間を時給換算すると、見えにくいコストが浮かび上がります。本業の時間単価で計算すると比較しやすくなります。

  • 個人事業主の確定申告にかかる時間目安:30〜80時間(記帳・領収書整理・申告書作成・e-Tax提出を含む)
  • 本業の時給目安:年商600万円÷年間労働時間1,500時間 = 4,000円
  • コスト:4,000円 × 50時間 = 20万円相当
  • 税理士費用との比較:10万円の税理士費用に対し、コスト20万円なら依頼が割に合うと言える

本業の繁忙期と確定申告期が重なる場合、税理士に依頼したほうが本業に集中できる時間が増え、結果的に売上ベースで税理士費用以上のリターンが得られるケースが多いです。※上記はあくまで目安であり、実際の状況により異なります。

参考:確定申告書等の様式・手引き等|国税庁

青色65万円控除+経費計上の節税効果でペイする計算例

税理士に依頼することで、青色申告特別控除(65万円)を適切に取れる、必要経費の取り扱いを最適化できる、といった節税メリットが得られます。これだけで税理士費用が実質ペイするケースもあります。

  • 前提:課税所得600万円の個人事業主、所得税率20%+住民税10% = 30%適用
  • 青色65万円控除と10万円控除の差:55万円
  • 節税効果:55万円 × 30% = 16万5千円
  • 税理士費用10万円との比較:差額6万5千円が実質的なメリット

青色65万円控除を確実に取るためには複式簿記とe-Taxが要件となり、これらを税理士に整備してもらう価値は、節税額の観点だけでも十分にあると言えます。経費計上の最適化を加えれば、節税効果はさらに上乗せされる構造です。

参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁

関連記事:確定申告では領収書の提出が必要?紛失時の対応や保管ルールも解説

税務調査リスクと依頼の判断

税理士に依頼しておくと、税務調査の事前準備や立会いがスムーズになります。

  • 個人事業主への税務調査の頻度:数年に1回程度の確率(業種・売上規模によって異なる)
  • 調査時の追徴税額目安:申告漏れが認定されると、本税+過少申告加算税10〜15%+延滞税が加算
  • 税理士関与のメリット:事前通知の段階から書類整理・論点整理を依頼でき、調査当日は税理士が立会い対応
  • 過少申告・無申告の場合:過少申告なら35%、無申告なら40%が課されるリスク

売上1,000万円を超えて消費税課税事業者となった段階は、税務署からの申告内容の精度確認が厳しくなる節目であり、税理士関与による申告精度の担保が望まれる時期にあたります。

参考:令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について|国税庁

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費用を抑える4つの工夫

夜職の副業と本業を両立させるポイント

税理士に依頼する場合でも、いくつかの工夫で費用を抑えることが可能です。準備の整え方、依頼時期、ツール活用の3つの観点から押さえておきたいポイントを整理します。

  • 記帳・領収書の事前準備で費用は半減することも
  • 繁忙期回避とオンライン対応の活用
  • クラウド会計と税理士の連携で実質コストを下げる

記帳・領収書の事前準備で費用は半減することも

税理士に渡す資料の整い方で見積額が大きく変わります。同じ年商でも、準備の度合いで費用が倍近く違うケースもあるため、事前準備が費用節約のポイントです。

  • レシートの山をそのまま渡す場合:年商500万円で15万円程度の見積もりになることも
  • クラウド会計で月次仕訳まで完了している場合:同じ年商で7万円〜8万円に抑えられる
  • 事前準備で整えておきたい資料:通帳のコピー(事業用口座)、領収書(月別ファイリング)、売上請求書、源泉徴収票(あれば)、各種控除証明書
  • 記帳代行を税理士に委託すると月額3万円〜の追加費用が発生

12月までに帳簿を仕上げておくと、確定申告期の税理士との交渉がスムーズになり、見積額も繁忙期割増を回避できる可能性があります。年明け以降に駆け込みで依頼すると、料金面・受注可否の両面で不利になる可能性もあります。

参考:確定申告書等の様式・手引き等|国税庁

繁忙期回避とオンライン対応の活用

税理士業界の繁忙期は1〜3月の確定申告期に集中します。この時期に新規依頼するのは料金面・受注可否の両面で不利になるため、相談タイミングと面談形式の選び方で費用を抑えられる可能性があります。

  • 相談開始の目安:10〜12月(オフシーズン)
  • 契約のタイミング:1月初旬までに完了させると、繁忙期割増を回避しやすい
  • オンライン面談対応の事務所:対面型に比べて1〜3割安くなる事例が多い
  • オンライン対応の特徴:若手税理士・副業税理士・地方在住の税理士などが選択肢に入り、シンプルな個人事業主案件と相性が良い

確定申告期に新規依頼を検討する場合、複数の事務所に並行で相談を始め、受注可否と料金感の確認を早期に進めるのが現実的な対応です。1月後半以降は受注停止の事務所も増えるため、早めに動くことが重要となります。

参考:第7回税理士実態調査報告書の公表について|日本税理士会連合会

クラウド会計と税理士の連携で実質コストを下げる

freee・マネーフォワードクラウド・弥生会計オンラインなどのクラウド会計ソフトを使って日々の記帳を済ませておくと、記帳代行料が不要になり、税理士費用は申告料のみで済みます。

  • クラウド会計の月額費用:1,200〜1,500円程度(年間1.5万円〜1.8万円)
  • 記帳代行を省略した場合の年間削減額:30万円〜60万円相当
  • クラウド会計対応の認定税理士を選ぶメリット:データ連携で二重作業が起きにくく、年度末の引き継ぎがスムーズ
  • 初期設定のサポートを受ける場合:単発5万円〜10万円で初期セットアップを依頼可能

クラウド会計を整えてから税理士に依頼するのが、個人事業主にとって最も費用対効果の高い進め方であり、freee認定アドバイザー・マネーフォワード公認メンバーといった連携実績のある税理士を選ぶと、移行・運用の手間も少なくできるでしょう。

関連記事:個人事業主は車にかかる費用を経費にできる?仕訳や減価償却を解説

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税理士費用の経費計上と税理士選びのポイント

個人事業主 税務調査

税理士に依頼した後の経費処理と、依頼前の税理士選びの観点を押さえます。費用相場が分かっても、選び方を間違えると得られる価値が変わってくるため、ここも判断材料として整理しておきます。

  • 税理士費用の経費計上|勘定科目と源泉徴収の取り扱い
  • 税理士選びの5ポイント

税理士費用の経費計上|勘定科目と源泉徴収の取り扱い

支払った税理士費用は、事業の必要経費として帳簿に計上します。勘定科目と源泉徴収の取り扱いを押さえておけば、仕訳はシンプルに済ませられます。

  • 勘定科目の選択肢:支払手数料/支払報酬料/顧問料/業務委託費(事務所での運用に揃える)
  • 個人事業主は原則として源泉徴収義務なし(従業員を雇っていない場合)
  • 仕訳例(個人事業主・源泉徴収なし):(借)支払手数料 100,000円 /(貸)普通預金 100,000円
  • 従業員を雇って給与を支払っている事業者・法人は源泉徴収義務あり:支払額×10.21%(100万円超部分は20.42%)を預り金で計上

個人事業主の多くは源泉徴収義務がないため、税理士費用は満額を支払手数料で計上するシンプルな処理で完結します。継続して同じ勘定科目を使うことが帳簿の継続性を保つ観点で望まれる運用です。

参考:No.2502 源泉徴収義務者とは|国税庁

税理士選びの5ポイント

同じ費用感でも、選ぶ税理士によって得られる価値は大きく変わります。料金だけで決めず、以下の5ポイントを軸に複数事務所を比較するのが望ましい進め方です。

  • 業種への理解度(自分の事業形態を扱った実績があるか)
  • 料金体系の透明性(追加料金の発生条件、解約条項が明示されているか)
  • レスポンスの速さ(問い合わせから初回返信までの時間)
  • 節税アドバイスの積極性(聞かないと教えてくれないか、先回りで提案してくれるか)
  • クラウド会計対応(freee・マネーフォワード・弥生いずれかの認定実績)

初回面談で人柄や事務所の雰囲気との相性を確認しておくと、長期で付き合える税理士に出会える確率が高まるでしょう。料金体系・レスポンス・相性の3点が揃った事務所が、結果的に費用以上の価値を提供してくれることが多い傾向にあります。

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まとめ

税理士の確定申告費用は、申告形態・売上規模・記帳の準備度合いによって幅が出るため、まず自分の事業のステージで相場感をつかむのが出発点となります。費用の絶対額だけでなく、自分の時間コストや節税効果まで含めて比較すると、依頼が割に合うかどうかの判断がしやすくなります。繁忙期の前に複数の税理士事務所と相談を始めておくと、料金面・相性面ともに納得感のある選択につながります。

税理士法人松本では、確定申告の実務支援から税務調査対応まで、個人事業主・法人のお客さまをきめ細かくサポートしています。申告の進め方だけでなく、将来のリスクを減らす帳簿づくりや、税務署とのやり取りの考え方までご案内可能です。「申告が不安」「過去の処理が正しかったか心配」という段階でもお声掛けください。

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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