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確定申告期が近づくと、「税理士に依頼すると費用はいくらかかるのか」「自分でやるのと比べて何が違うのか」と気になる方は少なくありません。実際の費用は申告形態や売上規模、記帳の準備度合いによって5万円〜25万円程度まで幅があり、依頼方法によっても大きく変わります。
本記事では、個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場、丸投げ/部分依頼/顧問契約の違い、自分でやる場合との判断軸、費用を抑える工夫を解説します。
目次
個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合、費用は申告形態と売上規模で大きく変動します。まずは依頼形態の違いと、見積額を左右する要素を押さえることが、相場感をつかむポイントです。
税理士への依頼は、関わる業務範囲によって大きく3つのパターンに分かれます。それぞれで費用感もサポート内容も変わるため、自分の事業規模や手間のかけ方に合わせて選ぶとよいでしょう。
個人事業主の場合、はじめての確定申告では申告のみ単発依頼から入るのが一般的であり、年商が伸びて月次の経営判断や節税相談の必要性が出てきた段階で、記帳代行込みや顧問契約を検討する流れが一般的です。
参考:第7回税理士実態調査報告書の公表について|日本税理士会連合会
同じ「確定申告依頼」という言葉でも、税理士事務所が見積もりを出すときには複数の要素を確認したうえで金額が決まります。
相見積もりを取る際は、上記の要素を伝えたうえで複数事務所の見積額を比較すると、自分のケースの相場感が掴みやすくなるでしょう。
参考:確定申告書等の様式・手引き等|国税庁
税理士の報酬体系を業界全体の数字で押さえる場合、日本税理士会連合会が10年に1度実施している実態調査が参考になります。最新版は2024年4月実施の第7回調査です。
報告書本体は会員限定で公開されており、一般の方が確認できる相場感は個別の税理士事務所の料金表を複数見比べて把握するのが実務的な進め方です。
個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場を、申告形態と売上規模別に整理します。自分のケースに当てはめやすいよう、白色/青色/記帳代行込みの3区分で見ていきます。
白色申告は青色申告より簡易な記帳で済むため、税理士費用も比較的低めの水準です。年商が小さく、開業初年度などで青色申告承認申請が間に合わなかった方が中心の選択肢となります。
白色申告は控除メリットが小さく、年商が伸びてくると青色申告への移行を検討する局面が来ます。翌年から青色申告に切り替える場合は、3月15日までに青色申告承認申請書を提出しておく流れが基本です。
青色申告は控除メリット(最大65万円)が大きい一方、複式簿記での記帳と貸借対照表の作成が必要になります。税理士費用も白色より上がりますが、節税効果でペイできるケースも多いです。
参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁
青色申告で65万円控除を取るためには、複式簿記での記帳に加えてe-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿保存が要件となるため、税理士に依頼する場合はこの要件を満たした申告書を作成してもらう前提となります。
関連記事:経費で落とすとどれくらい得になる?よくある誤解や注意点を解説
領収書や請求書をまとめて税理士に渡し、記帳から確定申告まで一括で任せる「丸投げ」の場合、申告料に加えて記帳代行料が発生します。仕訳件数で月額相場が決まる料金体系が一般的です。
年商1,000万円超のケースでは年間50万円〜80万円規模の費用感を見込んでおくのが現実的と言えるでしょう。
費用相場が見えてきたら、次は「自分でやるか/税理士に依頼するか」の判断です。金額の比較だけでなく、自分の時間コストや節税効果まで含めて考えると判断がしやすくなります。
「自分で確定申告をすれば税理士費用は浮く」と考えがちですが、申告作業に取られる時間を時給換算すると、見えにくいコストが浮かび上がります。本業の時間単価で計算すると比較しやすくなります。
本業の繁忙期と確定申告期が重なる場合、税理士に依頼したほうが本業に集中できる時間が増え、結果的に売上ベースで税理士費用以上のリターンが得られるケースが多いです。※上記はあくまで目安であり、実際の状況により異なります。
税理士に依頼することで、青色申告特別控除(65万円)を適切に取れる、必要経費の取り扱いを最適化できる、といった節税メリットが得られます。これだけで税理士費用が実質ペイするケースもあります。
青色65万円控除を確実に取るためには複式簿記とe-Taxが要件となり、これらを税理士に整備してもらう価値は、節税額の観点だけでも十分にあると言えます。経費計上の最適化を加えれば、節税効果はさらに上乗せされる構造です。
関連記事:確定申告では領収書の提出が必要?紛失時の対応や保管ルールも解説
税理士に依頼しておくと、税務調査の事前準備や立会いがスムーズになります。
売上1,000万円を超えて消費税課税事業者となった段階は、税務署からの申告内容の精度確認が厳しくなる節目であり、税理士関与による申告精度の担保が望まれる時期にあたります。
参考:令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について|国税庁
税理士に依頼する場合でも、いくつかの工夫で費用を抑えることが可能です。準備の整え方、依頼時期、ツール活用の3つの観点から押さえておきたいポイントを整理します。
税理士に渡す資料の整い方で見積額が大きく変わります。同じ年商でも、準備の度合いで費用が倍近く違うケースもあるため、事前準備が費用節約のポイントです。
12月までに帳簿を仕上げておくと、確定申告期の税理士との交渉がスムーズになり、見積額も繁忙期割増を回避できる可能性があります。年明け以降に駆け込みで依頼すると、料金面・受注可否の両面で不利になる可能性もあります。
税理士業界の繁忙期は1〜3月の確定申告期に集中します。この時期に新規依頼するのは料金面・受注可否の両面で不利になるため、相談タイミングと面談形式の選び方で費用を抑えられる可能性があります。
確定申告期に新規依頼を検討する場合、複数の事務所に並行で相談を始め、受注可否と料金感の確認を早期に進めるのが現実的な対応です。1月後半以降は受注停止の事務所も増えるため、早めに動くことが重要となります。
freee・マネーフォワードクラウド・弥生会計オンラインなどのクラウド会計ソフトを使って日々の記帳を済ませておくと、記帳代行料が不要になり、税理士費用は申告料のみで済みます。
クラウド会計を整えてから税理士に依頼するのが、個人事業主にとって最も費用対効果の高い進め方であり、freee認定アドバイザー・マネーフォワード公認メンバーといった連携実績のある税理士を選ぶと、移行・運用の手間も少なくできるでしょう。
関連記事:個人事業主は車にかかる費用を経費にできる?仕訳や減価償却を解説
税理士に依頼した後の経費処理と、依頼前の税理士選びの観点を押さえます。費用相場が分かっても、選び方を間違えると得られる価値が変わってくるため、ここも判断材料として整理しておきます。
支払った税理士費用は、事業の必要経費として帳簿に計上します。勘定科目と源泉徴収の取り扱いを押さえておけば、仕訳はシンプルに済ませられます。
個人事業主の多くは源泉徴収義務がないため、税理士費用は満額を支払手数料で計上するシンプルな処理で完結します。継続して同じ勘定科目を使うことが帳簿の継続性を保つ観点で望まれる運用です。
参考:No.2502 源泉徴収義務者とは|国税庁
同じ費用感でも、選ぶ税理士によって得られる価値は大きく変わります。料金だけで決めず、以下の5ポイントを軸に複数事務所を比較するのが望ましい進め方です。
初回面談で人柄や事務所の雰囲気との相性を確認しておくと、長期で付き合える税理士に出会える確率が高まるでしょう。料金体系・レスポンス・相性の3点が揃った事務所が、結果的に費用以上の価値を提供してくれることが多い傾向にあります。
税理士の確定申告費用は、申告形態・売上規模・記帳の準備度合いによって幅が出るため、まず自分の事業のステージで相場感をつかむのが出発点となります。費用の絶対額だけでなく、自分の時間コストや節税効果まで含めて比較すると、依頼が割に合うかどうかの判断がしやすくなります。繁忙期の前に複数の税理士事務所と相談を始めておくと、料金面・相性面ともに納得感のある選択につながります。
税理士法人松本では、確定申告の実務支援から税務調査対応まで、個人事業主・法人のお客さまをきめ細かくサポートしています。申告の進め方だけでなく、将来のリスクを減らす帳簿づくりや、税務署とのやり取りの考え方までご案内可能です。「申告が不安」「過去の処理が正しかったか心配」という段階でもお声掛けください。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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