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確定申告で受け取った還付金が多すぎるときはどうすべき?対処法を解説

読了目安時間:約 6分

確定申告には、税額を申告して納付をする手続きと、払いすぎた税金の還付を求める手続きがあります。確定申告の義務がない会社員などでも、還付申告をすると本来よりも多く支払っていた税金が還付金という形で返還されます。

しかし、納税をする場合の確定申告と同様に、還付金を受け取る場合も納税者が自ら確定申告書を作成して還付申告をするため、ときには受け取った還付金が本来よりも多すぎるといった事態が発生するケースも出てきます。確定申告で受け取った還付金が多すぎた場合は、多すぎる分を返還する必要はないのでしょうか。

今回は、確定申告で受け取った還付金が多すぎる場合の対処法や適切な還付申告の手順などについて解説します。

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確定申告の還付金とは

確定申告の還付金とは、どのようなお金になるのでしょうか。まずは確定申告の手続きから確認していきましょう。

税金を納付する確定申告とは

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得額と納付すべき税額を計算して、翌年の2月16日から3月15日の期間に税務署に申告と納税をする手続きです。確定申告が必要な人は、個人事業主として事業を営んでいる人が中心となります。会社員の場合は、会社から支給される給与から所得税が源泉徴収されており、会社で年末調整を行っているため、原則として確定申告をする必要はありません。

しかしながら、会社員でも確定申告が必要な場合があります。対象となるのは、2ヶ所以上から給与を得ている人や副業で年間20万円を超える所得を得ている人などです。なぜなら、所得税は、1年間の総所得に対して課される税金であり、総所得が把握できない状態では正確な税額を算出できないからです。

2ヶ所目の給与が少ない場合や副業で赤字が出ている人などは、確定申告をすることで還付金を受け取れる可能性があります。

還付金を請求する確定申告とは

確定申告には、税金を納付する手続きのほかに納めすぎた税金の還付金を請求する手続きも含まれます。前述のように2ヶ所以上から給与を得ている人や副業をしている人の場合は、所得の額や源泉徴収の状況によっては、確定申告をすることで還付金を受け取れる場合があります。

また、年収が2,000万円を超える会社員は年末調整の対象外となるため、確定申告をすると還付金を受け取れるケースが多くなっています。そのほか、次のようなケースも、確定申告によって還付金を受け取れる可能性があります。

・医療費が年間10万円を超えている

・住宅を取得し、初めて住宅ローン控除の適用を受ける

・ふるさと納税でワンストップ特例を利用していない

・ふるさと納税で6ヶ所を超える自治体に寄附をした

・対象の団体に寄附をし、寄附金控除の適用を受ける

・年の途中で退職し、年末までに再就職をしていないために年末調整を受けていない

・年末調整時に扶養控除や生命保険料控除などの申告を間違えた

・副業が赤字で給与所得と損益通算をする

・災害や盗難で損失があった

・予定納税をしたが払いすぎている

確定申告で還付金を請求する手続きを「還付申告」といいます。しかし、還付金を請求する手続きは還付申告だけではありません。「更正の請求」手続きによっても還付金を受け取ることが可能です。

還付金を請求する更正の請求とは

更正の請求とは、確定申告の手続きで還付金を請求するのではなく、確定申告を済ませた後に、納めすぎた税金の返金を求める手続きです。

還付申告は、還付を目的に行う確定申告手続きであるのに対し、更正の請求は確定申告によって納税を済ませた人が後から還付を求める手続きとなります。更正の請求の場合は、請求内容についての審査が行われるため、請求したからといって必ずしも還付金を受け取れるわけではありません。

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確定申告の還付金が多すぎる原因は何?

確定申告をした結果、還付金を受け取ることができたものの、還付金が多すぎる場合もあります。では、どのような場合に確定申告の還付金が多すぎるという事態が発生するのでしょうか。

確定申告の還付金が多すぎるときには、次のような原因が考えられます。

  • 適用される控除が多かった
  • 源泉徴収税額が多すぎた
  • 医療費控除の額を誤って多く申告しすぎた
  • 生命保険料控除の額を誤って多く申告しすぎた
  • 数字の入力ミスがあった

適用される控除が多かった

確定申告時に適用できる所得控除や税額控除には次のようなものがあります。これらの控除が適切に反映された場合、納税額は低く抑えられるため、思った額よりも還付額が大きくなり、還付金が多すぎると思うケースがあるようです。

・社会保険料控除

健康保険や国民年金、厚生年金などの保険料は、所得から差し引くことができます。

・生命保険料控除

1年間に支払った生命保険、個人年金保険、介護医療保険の保険料のうち、一定額を所得から差し引くことができます。

・地震保険料控除

1年間に支払った地震保険の保険料のうち、一定額を所得から差し引くことができます。

・医療費控除

自分や家族のために支払った医療費の合計が年間10万円を超えた場合、一定額を所得から差し引くことができます。

・扶養控除

所得の少ない配偶者以外の16歳の親族を養っている場合、人数に応じて一定額を所得から差し引くことができます。

・配偶者控除

年間所得が一定額以下の配偶者を扶養する場合、所得から一定額を差し引くことができます。ただし、納税者本人の所得は1,000万円以下でなければなりません。

・配偶者特別控除

配偶者の年間所得が配偶者控除の適用範囲を超えている場合でも、一定の金額までは配偶者の所得に応じて一定額を所得から差し引くことができます。

・小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済やiDeCo、企業型確定拠出年金、心身障害者扶養共済制度などに加入している場合、掛金を所得から差し引くことができます。

・ひとり親控除

合計所得金額が500万円以下で、生計を一にする子を育てる単身者が所得税と住民税の控除を受けられる制度です。

・寡婦控除

夫と離婚または死別し、再婚していない年間所得が500万円以下の女性が所得税と住民税の控除を受けられる制度です。

・雑損控除

災害や盗難、横領によって、日常生活に必要な住宅や家財などの資産に損害を受けた場合、損害額から保険金で補填された金額などを差し引いた額を所得から控除できる制度です。

・寄附金控除

国や地方自治体、特定公益増進法人などに対して寄附をした場合に、所得控除または税額控除を受けられる制度です。

・住宅ローン控除

要件を満たすマイホームを取得した場合に、年末のローン残高の0.7%を最長で13年間、所得税と住民税から差し引くことができる制度です。

所得控除や税額控除には多くの種類があります。そのため、これまで適用されていなかった控除が適用された場合などは、思ったより還付金が多くなり、還付金が多すぎると感じてしまうかもしれません。しかし、正しく確定申告をした結果、還付金が多くなっているのであれば、還付金が多すぎると感じても何も問題はありません。

源泉徴収税額が多すぎた

個人事業主の場合でも、一部の業務については報酬を受け取る際に、報酬を支払う側が所得税の源泉徴収を行うルールとなっています。この際に適用される所得税率は10.21%です。本来の所得税の額は1年間の総所得額で決定します。源泉徴収時は仮の税率で計算されているため、売上が少ないケースや経費が多いケースなどでは、源泉徴収によって報酬から差し引かれていた所得税の額が、確定申告で算出された所得税の納付額を上回る場合があります。

源泉徴収税額が、正しい所得税の額よりも多すぎたことで、確定申告で戻ってきた還付金が多すぎると感じる可能性があります。この場合も、正しく確定申告を行った結果、還付金が想定を上回ったということになるため、特に問題はありません。

医療費控除の額を誤って多く申告しすぎた

医療費控除の対象には、病院での治療費のほか、通院のための交通費、ドラッグストアで購入した医薬品の費用、松葉づえの費用、寝たきりの場合のおむつ代なども含まれます。これらの計算を誤り、本来よりも多い額を医療費として申請してしまった場合、還付金が多すぎるという結果を招くケースがあります。

生命保険料控除の額を誤って多く申告しすぎた

生命保険料控除の申請をする際に、誤って自身は保険料を支払っていない家族分の保険料を含めて確定申告をしてしまった場合などは、還付金が多すぎるという事態を招きます。

家族の生命保険であっても、生命保険料を自分が負担している場合は、生命保険料の控除対象となります。しかし、自分が支払っていない保険料については生命保険料控除に含めることはできません。

数字の入力ミス・記載ミスがあった

単純に、数字を間違えて入力または記載してしまった場合、還付金の額は違う金額となってしまいます。還付金が多すぎると感じ、提出した確定申告書を見直したときに、申告した数字が間違っている場合もあるかもしれません。

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確定申告の還付金が多すぎるとどうなる?

確定申告の還付金が多すぎる場合でも、多すぎると感じるだけであって、申告内容が正しければ特に問題になることはありません。では、ミスによって還付金の額が本来よりも多すぎる場合は、どのようなことになるのでしょうか。

ミスによって還付金が多すぎる場合は過少申告の状態

申告ミスによって還付金が本来よりも多すぎる場合は、納付すべき税額が不足している過少申告の状態となります。過少申告は、正しく申告と納税をしていない状況であり、税務調査の対象となれば、不足分の税金に加え、過少申告加算税や延滞税の納付が求められます。

過少申告加算税とは

過少申告加算税は、期限内に申告した税額が不足していた場合に課されるペナルティです。過少申告加算税の税率は、不足分の税額が期限内に申告した額または50万円よりも少ない部分については10%、期限内に申告した額または50万円を超える部分については15%となります。

ただし、税務調査の事前通知を受けてから税務調査が実施されるまでの間に、自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税の税率は軽減されます。不足分の税額が期限内に申告した額または50万円よりも少ない部分については5%、期限内に申告した額または50万円を超える部分については10%になるのです。

さらに、税務調査の事前通知を受けたわけではなく、納税者が自ら還付金が多すぎることに気が付き、修正申告を行った場合は、過少申告加算税は免除されます。

参照:財務省「加算税制度の概要」

延滞税とは

過少申告加算税は、納税額が不足していることに対して課されるペナルティであるのに対し、延滞税は納税が遅れたことに対して課されるペナルティです。

延滞税は、不足分の税額×延滞税の税率×延滞日数÷365で計算されます。つまり、延滞税は納付が完了する日まで、1日単位で計算されることになるのです。

また、延滞税の税率は納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降で変動します。税率は毎年変わるものの、2026年1月1日~2026年12月31日分については、納期限の翌日から2ヶ月までが2.8%、それ以降が9.1%となっています。

延滞税は納付が完了するまで日割りで計算されること、納期限の翌日から2ヶ月を経過すると税率が急激に高くなることを考えると、納付が遅れれば遅れるほど負担が大きくなることが分かります。

参照:国税庁「延滞税の割合」

ミスによって還付金が多すぎる場合は早めに修正申告を

ミスによって確定申告の還付金が多すぎる場合は、過少申告加算税や延滞税の納付が求められる可能性があります。しかし、税務調査の事前通知を受ける前に自主的に修正申告をした場合、過少申告加算税は免除されます。

正しく申告をした結果、思ったよりも還付金が多すぎる場合は問題ありませんが、ミスによって還付金が本来よりも多すぎる場合は、早めに修正申告を行うことが大切です。

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まとめ

確定申告で受け取った還付金が多すぎる場合でも、申告内容が正しかったのか、申告内容に誤りがあったのかによって必要となる対応が変わってきます。

ミスによって還付金が多すぎる場合は、放置しておくと税務調査の対象となり、過少申告加算税や延滞税の納付が求められます。還付金を受け取り、還付金の額が想定よりも多すぎると感じたときは、確定申告の内容をもう一度見直し、誤った処理が見られた場合には早急に修正申告を行うようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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