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配偶者特別控除とは?2025年からの変更点と2026年の最新制度を解説

配偶者特別控除

読了目安時間:約 8分

「103万円の壁」と呼ばれてきた基準が見直され、配偶者控除・配偶者特別控除の対象となる収入の目安も変わっています。2025年分の所得税では配偶者の所得要件が変更され、2026年分からもさらに見直しが行われます。

一方で、「年収がいくらまでなら控除を受けられるのか」「130万円を超えると損をするのか」など、税金と社会保険の違いが分かりにくいと感じる方も少なくありません。本記事では、配偶者特別控除の基本的な仕組みから、2025年・2026年の改正内容、年収ごとの控除の考え方まで詳しく解説します。

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配偶者特別控除とは?

配偶者特別控除とは

配偶者特別控除とは、配偶者の所得が一定額を超えたことで配偶者控除の対象から外れた場合でも、一定の要件を満たせば、納税者本人の所得から一定額を控除できる制度です。配偶者の所得が増えるにつれて控除額は段階的に少なくなり、一定額を超えると控除を受けられなくなります。ただし、配偶者の働き方や収入を考える際は、配偶者特別控除を受けられるかだけでなく、所得税や社会保険の仕組みもあわせて確認することが大切です。

配偶者控除との違い

配偶者控除と配偶者特別控除は、いずれも配偶者がいる納税者の所得税負担を軽減するための制度ですが、主な違いは対象となる配偶者の所得金額にあります。配偶者の合計所得金額が一定額以下であれば配偶者控除の対象となり、その基準を超えた場合でも、一定の範囲内であれば配偶者特別控除を受けられます。

つまり、配偶者の所得が少し増えただけで控除が突然なくなるのではなく、配偶者特別控除によって控除額が段階的に減少する仕組みです。なお、配偶者控除と配偶者特別控除を同時に受けることはできず、配偶者の所得金額に応じていずれかの控除が適用されます。

配偶者特別控除を受けられる条件

配偶者特別控除を受けるには、納税者本人と配偶者の所得などについて一定の要件を満たす必要があります。主な条件は以下のとおりです。

  • 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
  • 配偶者の合計所得金額が一定の範囲内であること
  • 納税者本人と配偶者が生計を一にしていること

また、配偶者が青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けている場合や、白色申告者の事業専従者である場合などは、配偶者特別控除の対象とはなりません。控除を受けられるかは単純に「配偶者の年収」だけで決まるわけではないため、給与以外の所得がある場合などは注意が必要です。

参考:No.1195 配偶者特別控除|国税庁

配偶者特別控除はいくら受けられる?

配偶者特別控除の控除額は一律ではありません。納税者本人の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じて決まり、配偶者の所得が増えるほど控除額は段階的に減少します。例えば納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合、配偶者の所得が一定の範囲内であれば最大38万円の控除を受けられます。一方、納税者本人の所得が900万円を超えると控除額は少なくなり、1,000万円を超える場合は配偶者特別控除の対象外となります。

また、配偶者の所得が控除の対象となる上限を超えた場合も、配偶者特別控除は受けられません。そのため、配偶者の収入を確認するときは、単純な年収だけではなく、給与所得控除などを差し引いた「合計所得金額」で判定する必要があります。

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2025年の税制改正で配偶者特別控除はどう変わった?

2025年税制改正

2025年分(令和7年)の所得税では、基礎控除と給与所得控除の見直しにより、配偶者控除・配偶者特別控除の判定に用いられる所得要件も変更されました。

【2025年分(令和7年)の配偶者特別控除額】

配偶者の合計所得金額

納税者本人の合計所得金額900万円以下

900万円超950万円以下

950万円超1,000万円以下

58万円超95万円以下

38万円

26万円

13万円

95万円超100万円以下

36万円

24万円

12万円

100万円超105万円以下

31万円

21万円

11万円

105万円超110万円以下

26万円

18万円

9万円

110万円超115万円以下

21万円

14万円

7万円

115万円超120万円以下

16万円

11万円

6万円

120万円超125万円以下

11万円

8万円

4万円

125万円超130万円以下

6万円

4万円

2万円

130万円超133万円以下

3万円

2万円

1万円

ここでは、2025年(令和7年)の税制改正で配偶者特別控除がどのように変わったのかを説明します。

2025年から配偶者特別控除の所得要件が変更

2025年分から、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額は、従来の「48万円超133万円以下」から「58万円超133万円以下」に変更されました。つまり、配偶者の所得が58万円を超えた場合でも、133万円以下であれば、一定の要件を満たすことで配偶者特別控除の対象となります。

給与収入だけの場合、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられたため、配偶者特別控除の対象となる給与収入の目安も変わります。2025年分では、給与収入が123万円超201万5,999円以下の場合、合計所得金額が58万円超133万円以下となり、配偶者特別控除の対象となる範囲に入ります。このため、配偶者の給与収入が123万円を超えても、201万5,999円以下であれば配偶者特別控除の対象となる可能性があります。

参考:令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A |国税庁

基礎控除・給与所得控除の引き上げが配偶者の年収に影響

2025年の税制改正では、配偶者特別控除だけではなく基礎控除と給与所得控除も見直され、それに伴って配偶者の所得要件も変更されました。基礎控除は合計所得金額に応じて控除額が引き上げられ、給与所得控除も最低保障額が55万円から65万円へ引き上げられています。

給与収入だけで働く配偶者の場合、2024年分までは給与収入103万円から給与所得控除55万円を差し引くと、所得は48万円となります。この金額が配偶者控除の所得要件の上限となっていました。2025年分では給与所得控除の最低保障額が65万円となり、配偶者控除の所得要件も58万円以下に引き上げられました。そのため、給与収入123万円から給与所得控除65万円を差し引いた58万円が、配偶者控除の対象となる所得の上限となります。

関連記事:【控除一覧】所得控除と税額控除の違いとは?控除を受ける方法も紹介

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【2026年最新】配偶者特別控除はどう変わる?

2026年税制改正

2026年分(令和8年)の所得税では、基礎控除や給与所得控除の見直しに伴い、配偶者控除・配偶者特別控除の判定に関係する所得要件も変更されます。

【2026年分以降(令和8年)の配偶者特別控除額】

配偶者の合計所得金額

納税者本人の合計所得金額900万円以下

900万円超950万円以下

950万円超1,000万円以下

62万円超95万円以下

38万円

26万円

13万円

95万円超100万円以下

36万円

24万円

12万円

100万円超105万円以下

31万円

21万円

11万円

105万円超110万円以下

26万円

18万円

9万円

110万円超115万円以下

21万円

14万円

7万円

115万円超120万円以下

16万円

11万円

6万円

120万円超125万円以下

11万円

8万円

4万円

125万円超130万円以下

6万円

4万円

2万円

130万円超133万円以下

3万円

2万円

1万円

ここでは、2026年(令和8年)の税制改正で配偶者特別控除がどのように変わるのかを説明します。

2026年分から配偶者の所得要件が見直される

2026年分から、配偶者控除の対象となる配偶者の合計所得金額は、2025年分の58万円以下から62万円以下へ引き上げられます。給与収入だけでほかに所得がない場合は、給与所得控除を差し引いた後の所得金額で判定するため、給与収入ベースでは配偶者控除の対象となる年収の目安は2025年分の123万円以下から、2026年分では136万円以下へ変わります。

この変更により、「103万円の壁」と呼ばれていた基準は、2025年に123万円へ、2026年分ではさらに136万円へと引き上げられることになります。ただし、この金額はあくまで配偶者控除の対象となる給与収入の目安であるという点に注意が必要です。136万円を超えた場合でも、配偶者の所得が一定範囲内であれば、配偶者特別控除を受けられる可能性があります。

配偶者特別控除の対象となる年収はいくら?

配偶者特別控除は、配偶者の所得が配偶者控除の対象となる基準を超えた場合でも、一定範囲内であれば所得控除を受けられる制度です。2026年分では、配偶者の合計所得金額が62万円を超え133万円以下の場合、納税者本人の合計所得金額などの条件を満たせば、配偶者特別控除の対象となります。給与収入だけの場合、目安となる範囲は以下のとおりです。

  • 136万円以下:配偶者控除の対象となる可能性がある
  • 136万円超~169万円以下:配偶者特別控除で最大38万円の控除対象となる範囲
  • 169万円超~207万円以下:所得に応じて控除額が段階的に減少
  • 207万円を超える:配偶者特別控除の対象外となる目安

つまり、2026年分(令和8年)の配偶者特別控除は、配偶者の給与収入が207万円(合計所得金額133万円)まで受けられます。給与収入だけの場合、2026年分の配偶者控除・配偶者特別控除の関係は以下のようになります。

配偶者の給与収入の目安 適用される可能性がある制度 ポイント
136万円以下 配偶者控除 配偶者の所得が62万円以下の場合に対象
136万円超~169万円以下 配偶者特別控除 最大38万円の控除を受けられる範囲
169万円超~207万円以下 配偶者特別控除 所得に応じて控除額が減少
207万円超 対象外 配偶者特別控除を受けられない範囲

※給与収入のみで、ほかに所得がない場合の目安です。実際の判定は給与所得控除後の「合計所得金額」で行われ、納税者本人の所得によっても控除額は変わります。また、2028年分以後は給与所得控除の改正により収入目安が変わる可能性があります。

参考:源泉所得税の改正のあらまし|国税庁

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130万円の壁と配偶者特別控除はどう違う?

130万円の壁

配偶者の働き方を考える際、「130万円の壁」と「配偶者特別控除」は混同されやすい制度です。しかし、両者は対象となる制度が異なるため、それぞれ別の基準で判断する必要があります。ここでは、それぞれの違いを説明します。

130万円の壁は社会保険の基準

130万円の壁とは、配偶者が会社員などの社会保険の扶養に入っている場合に、その扶養から外れる可能性がある年収の目安です。社会保険の扶養に入れるかどうかは、加入している健康保険組合などによって細かな判断基準がありますが、一般的には年間収入が130万円未満であることが一つの基準となります。

そして、配偶者特別控除は所得税に関する制度です。配偶者の合計所得金額が一定範囲内であれば、配偶者の収入が増えても納税者本人が所得控除を受けられます。つまり、以下のような違いがあります。

  • 130万円の壁:社会保険の扶養に関する基準
  • 配偶者特別控除:所得税の控除に関する基準

「税金」と「社会保険」の年収の壁を比較

配偶者の働き方を考える際は、税金に関する壁と社会保険に関する壁を分けて考えることが大切です。

年収の目安 関係する制度 主な内容
106万円 社会保険 一定条件を満たすパート・アルバイトは勤務先の社会保険加入対象になる可能性がある
130万円 社会保険 配偶者の社会保険の扶養から外れる可能性がある基準
136万円 所得税 2026年分の配偶者控除の給与収入目安
169万円 所得税 配偶者特別控除で最大38万円控除を受けられる給与収入の目安
約207万円 所得税 配偶者特別控除の対象外となる給与収入の目安

※給与収入のみの場合の目安です。実際の判定は所得金額や勤務先の条件、加入している健康保険などによって異なります。

このように、「年収の壁」と呼ばれる基準には、所得税に関するものと社会保険に関するものがあります。配偶者の収入を増やすかどうかを判断する際は、単純に年収だけを見るのではなく、税金と社会保険それぞれの影響を確認することが大切です。

参考:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|厚生労働省

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特定親族特別控除とは?配偶者特別控除との違い

アルバイトをする女性

2025年の税制改正では配偶者特別控除だけでなく、「特定親族特別控除」という新しい制度も創設されました。特定親族特別控除とは、納税者本人に19歳以上23歳未満の親族(特定親族)がいる場合、その親族の所得に応じて一定額の所得控除を受けられる制度で、2025年分の所得税から適用されています。

これまで、大学生年代の子どもはアルバイト収入が増えると扶養控除の対象から外れるケースがありました。特定親族特別控除は、このようなケースの働き控えを防ぐため、親族の収入増加に対応する目的で設けられた制度です。一方、配偶者特別控除は、配偶者の収入増加に対応するための制度です。

【配偶者特別控除と特定親族特別控除の違い】

  配偶者特別控除 特定親族特別控除
対象者 配偶者 19歳以上23歳未満の親族
制度の目的 配偶者の収入増加への対応 学生年代の親族の収入増加への対応
適用開始 既存制度 2025年分から新設
控除額 最大38万円 最大63万円

配偶者特別控除と特定親族特別控除は、どちらも「家族の収入が増えた場合に控除を調整する制度」ですが、対象者や条件は異なります。そのため、家族の働き方やアルバイト収入を考える際は、誰の収入に対する制度なのかを確認することが重要です。

参考:No.1177 特定親族特別控除|国税庁

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配偶者特別控除を受けるには?年末調整・確定申告の手続き

確定申告書の書き方

配偶者特別控除は、条件を満たしていても自動的に適用されるものではなく、年末調整または確定申告において適用を受ける必要があります。会社員やパートなどの給与所得者の場合は、基礎控除申告書等と一体となった『給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼給与所得者の特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書』を勤務先へ提出することで、配偶者特別控除を受けられます。

申告時には、納税者本人の所得見込み額や配偶者の氏名・所得金額などを記載します。一方、個人事業主などで確定申告を行う場合は、確定申告書に配偶者特別控除の金額を記載して申告します。配偶者の所得状況や納税者本人の所得によって控除額が変わるため、正確な情報をもとに計算することが重要です。

配偶者特別控除の判定では「年収」ではなく、給与所得控除などを差し引いた後の「合計所得金額」を確認する必要があります。配偶者に給与以外の所得がある場合は、それらも含めて判定されるため注意が必要です。所得を誤って申告すると、後から控除額の修正や追加納税が必要になる可能性があります。配偶者の収入状況を正しく把握し、適切な方法で申告することが大切です。

参考:No.2672 年末調整で配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けるとき|国税庁

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配偶者特別控除は2025年・2026年の変更点を確認して正しく判断しよう

変更点を確認して正しく判断しよう

2025年分からの税制改正により、配偶者控除・配偶者特別控除の判定基準は見直され、2026年分からもさらに変更が行われます。そして、「年収〇万円を超えたら控除がなくなる」と単純に考えることはできません。配偶者特別控除は所得に応じて段階的に適用され、130万円の壁は社会保険の基準であり、税金の制度とは異なります。配偶者の働き方を考える際は、年収だけではなく、所得税と社会保険それぞれの影響を確認するようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

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なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

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