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確定申告書の提出方法とは?3つの方法の違いと注意点を解説

確定申告書の提出方法とは?3つの方法の違いと注意点を解説

読了目安時間:約 7分

個人事業主として開業した人や会社員で副業をもっている人などは、確定申告が必要になる可能性があります。確定申告は、確定申告書を作成するだけでなく、完成した確定申告書を提出しなければなりません。しかし、初めて確定申告をする人などは、提出方法が分からないケースもあるでしょう。

確定申告書の提出方法には3つのパターンがあります。今回は、確定申告書の提出方法と提出時の注意点などについて解説します。

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確定申告書の提出方法は3つ

確定申告書の提出方法には、以下の3つの方法があります。

・郵送で提出する

・税務署に持参して提出する

・e-Taxで提出する

現在、税務署では業務の効率化や納税者の利便性の向上などを目的に、デジタル化や内部事務のセンター化などを進めています。そのため、確定申告書の提出にあたっても従来とは手続等が異なっている部分があるため、提出方法ごとの注意点も確認しながら、期日に遅れることのないよう、適切な手順で確定申告書を提出しましょう。

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確定申告書を郵送で提出する方法と注意点

確定申告書を手書きで作成した場合やパソコンなどで作成した確定申告書をプリントアウトした場合などは、郵送で提出が可能です。

確定申告書を郵送する際の宛先

確定申告書の提出を郵送で行う場合は、まず、送付先に注意をしなければなりません。令和3年7月から、一部の税務署では、複数の税務署の事務を業務センターに集約して処理をする内部事務のセンター化を推進しています。

かつては、確定申告書の提出方法として郵送を選ぶ場合、書類の送付先は納税地を管轄する税務署でした。しかし、内部事務のセンター化にともない、地域によっては管轄の税務署ではなく、業務センター宛てに提出しなければならないケースがあります。

最近では、令和8年7月10日に業務センターが再整備されており、例えば、東京の渋谷税務署はこれまでの東京国税局業務センター渋谷分室から東京国税局大手町業務センターに統合されています。

国税庁のホームページには、郵便番号や住所地、地図などから管轄の税務署を調べるページが用意されています。必要事項を入力または必要箇所を選択すると、管轄の税務署名が表示され、さらに税務署名を選択すると所在地のほか「申告書等の郵送先」を確認できます。

郵送で確定申告書を提出する際には、正しい宛先に送付できるよう事前に送付先の名称や住所を確認しておくようにしましょう。

国税庁「国税局・税務署を調べる」

参照元:国税庁「税務署の内部事務のセンター化について」

確定申告書の郵送での提出方法

確定申告書は「信書」に該当する書類です。郵便局では、信書を「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定義しています。具体的には、書状や請求書、招待状、許可証、証明書、ダイレクトメールなどが信書にあたります。

信書は、第一種郵便物または信書便物として送付しなければなりません。ゆうパックやゆうメール、ゆうパケット、クリックポストといった郵便局が提供するサービスを使って送付することはできない点に注意が必要です。また、第一種郵便物や信書便物に当たらないメール便や宅配便のサービスを利用して確定申告書を提出することもできません。

参照元:郵便局「信書の送付について」

確定申告書を郵送で提出する際に同封する書類

所得税法等により、確定申告書にはマイナンバーの記載が義務付けられています。したがって、確定申告書を郵送で提出する場合、確定申告書のほかに、本人確認ができる次の書類の添付が必要です。

・マイナンバーカードのコピー

・マイナンバー通知カードのコピー+身元確認書類のコピー

・マイナンバー記載の住民票の写し+身元確認書類のコピー
なお、マイナンバー通知カードは氏名・住所などの記載事項が住民票と一致している場合、または正しく変更手続が取られている場合に限り、番号確認書類として利用できます。身元確認書類としては運転免許証や公的医療保険の資格確認書、パスポート、身体障碍者手帳、在留カードなどを利用できます。
参照元:国税庁「【所得税及び復興特別所得税の申告等】Q10 過去に提出した確定申告書にマイナンバーを記載し、本人確認書類の写しを添付しましたが、今回提出する確定申告書にもマイナンバーの記載及び本人確認書類の添付が必要ですか。」

また、令和7年1月から、デジタル化による手続きの見直しによって、これまで申告書等の控えになされていた収受日付印の押捺が廃止されました。そのため確定申告書は提出用のみを送付し、必要に応じて納税者自身が申告書の控えの作成や保管を行うルールに変更されています。

参照元:国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」

確定申告書を郵送で提出する際の提出期限

確定申告書には提出期限があります。郵送で提出する場合は、発送するタイミングと税務署や業務センターに到着するタイミングにずれが生じるため、通信日付印(消印)に示された日を提出日としてみなすルールです。

この通信日付印の日付が申告期限後となる場合は、提出期限に遅れたとみなされます。提出期限ギリギリに郵便局の窓口ではなく、ポストに投函する場合は郵便物の回収時間を確認し、申告期限内の通信日付印が押印されるタイミングで発送するように気を付けなければなりません。

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確定申告書を税務署への持参で提出する方法と注意点

確定申告書は、管轄の税務署に持参して提出することもできます。

確定申告書を持参する際の提出先

手書きで作成した確定申告書やパソコンなどで作成してプリントアウトした確定申告書を持参して提出する場合の提出先は、納税地を管轄する税務署です。郵送の場合は、送付先が税務署ではなく、業務センターになるケースもありますが、持参する場合は業務センターには提出できません。

税務署の開庁時間は、祝日を除く月曜~金曜の午前8時30分~午後5時までです。この時間に税務署を訪問し、窓口に確定申告書を提出します。また、開庁時間内に税務署に持参することが難しい場合は、税務署に設置されている時間外収受箱に投函することも可能です。

確定申告書を税務署へ持参して提出する際に必要な書類

税務署の窓口に持参し、確定申告書を提出する場合は、マイナンバーカード、またはマイナンバー通知カードと身分証明書の提示が必要になります。また、時間外収受箱への投函によって提出する場合は、郵送で提出する際と同じく、これらのコピーの同封が必要です。

郵送の場合と同様、窓口への提出や収受箱への投函の場合も、令和7年1月から、デジタル化による手続きの見直しによって、申告書等の控えに収受日付印の押捺が行われないようになりました。そのため、税務署の窓口に持参する場合も時間外収受箱に投函する場合も、提出が必要になるのは、提出用の分のみです。控えの提出は不要となります。

参照元:国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」

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確定申告書をe-Taxで提出する方法と注意点

パソコンやスマートフォンから確定申告書等作成コーナーを利用し、確定申告書を作成した場合には、e-Taxを利用し、オンラインで申告書を提出できます。

e-Taxで確定申告書を提出する際に準備が必要な物

e-Taxで確定申告書を提出する場合は、マイナンバーカードとマイナンバーカードを読み取れるスマートフォンやICカードリーダーが必要です。ID・パスワード方式を利用する場合は、マイナンバーカードや読み取り機器は必要ありません。ただし、ID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するための暫定的な対応であったため、令和8年現在、新たなID・パスワードの発行は停止されています。さらに、ID・パスワード方式は令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定です。

参照元:e-Tax「ID・パスワード方式について」

e-Taxで確定申告書を提出する人は増加中

税務署ではデジタル化を推進するため、e-Taxでの確定申告書の提出を推奨しています。E-Taxの利用件数は年々増加しており、所得税の確定申告の場合、平成29年度は10,430,168件であったのに対し、令和7年度には21,114,413件にまで増加しています。

参照元:e-Tax「利用件数(平成15年度~令和7年度分)」

e-Taxで確定申告書を提出するメリット

e-Taxで確定申告書を提出すると、さまざまなメリットを得られます。まず、e-Taxはメンテナンス時間を除き、土日祝日であっても24時間利用できます。税務署や郵便局まで足を運ぶ必要がなく、自宅などから手続きを完了させることが可能です。確定申告期間は税務署の窓口が混みあう場合もあるため混雑を避けて手続きできる点もメリットだといえるでしょう。

そのほか、e-Taxの提出時には生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書などの添付が免除されます。ただし、税務署から書類の提出や提示が求められる可能性があるため、法定申告期限等から5年間は保管しておかなければなりません。

参照元:国税庁「所得税などの申告は、e-Taxをご利用ください」

青色申告特別控除とe-Tax

税務署に青色申告承認申請書を提出し、確定申告期限内に確定申告書を提出し、後述する要件を満たした人は、青色申告特別控除を受けられます。青色申告特別控除は、所得額から10万円、55万円、65万円のいずれかを控除できる制度です。

55万円の青色申告特別控除を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

・不動産所得または事業所得がある

・これらの取引を正規の簿記の原則で記帳している

・記帳に基づいた貸借対照表、損益計算書、所得の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添付し、青色申告特別控除の適用を受ける金額を記載してその年の確定申告期限までに申告書を提出する

さらに、55万円の青色申告特別控除の要件に加え、次のいずれかの要件を満たすと最大額である65万円の青色申告特別控除を受けられます。

・対象年分の仕訳帳及び総勘定元帳について電子帳簿保存を行っている

・対象年分の所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書の提出を、提出期限までにe-Taxを使用して行っている

つまり、確定申告書をe-Taxを利用して提出することが、65万円の青色申告特別控除を受けるための要件の一つとなっているのです。

なお、10万円の控除を受けられるのは、「55万円の青色申告特別控除」および「65万円の青色申告特別控除」の要件に該当しない青色申告者です。

参照元:国税庁「No.2072 青色申告特別控除」

令和9年分以降は青色申告特別控除の額は最大75万円に

令和9年分以降は、青色申告特別控除の最大額が75万円に拡大します。75万円の青色申告特別控除を受けられるのは、先ほどご紹介した55万円の青色申告特別控除の要件に加え、優良な電子帳簿またはデジタルシームレス保存のいずれかの要件を満たしたうえで、e-Taxを使って申告を行った人です。

優良な電子帳簿とは、次の要件を満たすものです。

・訂正・削除・追加の事実及び内容を確認することができるシステムの利用

・帳簿間での記録事項の相互関連性の確保

・検索機能の確保

優良な電子帳簿を選択し、75万円の青色申告特別控除を受けるためには、課税期間の初日から優良な電子帳簿として備付け・保存を行っていることが求められます。

デジタルシームレス保存は、デジタルインボイスや金融機関等の預貯金口座における決済データなどの「特定電磁的記録」を、所定のシステムを利用して保存する制度です。

・改ざん防止の確保

・記帳の適正性確保

・電子帳簿との相互関連性確保

なお、75万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、適用を受けようとする所得税にかかる法定申告期限までに税務署に届出書を提出しなければなりません。ただし、優良な電子帳簿による65万円控除の適用を既に受けている人については提出は不要です。

参照元:国税庁「D1-79、H4-4電子取引の取引情報に係る電磁的記録に係る重加算税の加重措置の不適用の特例及び75万円の青色申告特別控除(個人事業者)の適用を受ける旨の届出書」

令和9年分以降の書面提出では青色申告特別控除の額は10万円に

令和9年分以降、従来の55万円の青色申告特別控除の要件を満たし、提出期限までにe-Taxを利用して申告書を提出した場合は、控除額が65万円に引き上げられます。反対に、令和8年分まではe-Taxを利用せず、書面で確定申告書を提出する人でも要件を満たしていれば55万円の青色申告特別控除を受けられていましたが、令和9年分からは55万円の青色申告特別控除の要件を満たしている人でも書面提出の場合、青色申告特別控除の額は10万円になってしまいます。

したがって、青色申告特別控除の適用を希望する場合は書面ではなく、e-Taxでの提出を選択した方がより大きな節税効果を得られるようになるでしょう。

参照元:財務省「令和8年度税制改正の大綱(1/9)」

青色申告と白色申告の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご一読ください。

<関連記事>青色申告と白色申告の違いとは。自分に合った申告方法の選び方を解説

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まとめ

確定申告書の提出方法は、郵送で提出する方法、税務署に持参する方法、e-Taxを利用する方法の3パターンがあります。現在、税務署では業務の効率化を目指し、さまざまな取り組みを推進しています。そのため以前とは提出方法が変わっている部分もあり、郵送をする際などは、提出先を事前に確認しておかなければなりません。

また、e-Taxを利用した場合、書面で提出する場合に比べ青色申告特別控除を適用できる額が大きくなります。現在、書面で提出しているものの今後も青色申告をする予定がある場合などは、e-Taxの利用も検討した方がよいでしょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者30万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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