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修正申告とは、確定申告をした後に税額を少なく申告していた場合や、還付金を多く受け取っていた場合に、正しい税額へ訂正して追加納付する手続きです。副業収入の申告漏れなどに気付いたときは、誤りの内容と正しい税額を確認したうえで、早めに対応する必要があります。
対象となるのは、経費の二重計上、私的支出を経費に含めたケース、扶養控除や医療費控除を多く計上したケースなどです。申告内容の誤りに気付くと不安になりますが、税額が増えるのか、減るのかによって選ぶ手続きが異なります。
本来より税金を多く納めた場合や還付額が少なかった場合は、原則として更正の請求により納め過ぎた税金の還付を求めます。更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内に行います。国税庁の案内も確認してください。
なお、確定申告の期限内に誤りに気付いた場合は、修正申告書ではなく、正しい内容の申告書を再提出します。原則として最後に提出した申告書が有効です。この記事では、提出時期、e-Taxでの手順、追加負担や申告後の影響を順に確認できます。
目次
確定申告を済ませた後に、納める税額が本来より少なかった、または還付を多く受けていたと分かった場合は、修正申告が必要になります。収入の申告漏れだけでなく、控除や必要経費を多く計上していた誤りも対象です。
誤りに気付いたら、当初の申告書と証拠書類を照合し、税額が不足しているかを確認してください。期限内であれば、修正申告ではなく正しい内容の申告書を再提出します。
副業や事業などの収入・所得を申告し忘れ、その結果として税額が少なくなっていた場合は、修正申告を検討する必要があります。源泉徴収されている収入であっても、確定申告書への入力漏れがあれば確認が必要です。
たとえば、複数の勤務先から給与を受け取り、源泉徴収票を1枚入力し忘れた場合も該当し得ます。売上の計上漏れと考えられる入金があるときは、帳簿、請求書、通帳などを突き合わせて事実を確認しましょう。
所得控除を本来より多く適用し、税額を少なく申告していた場合も修正申告の対象です。控除証明書や家族の所得状況を改めて確認すると、申告時の入力誤りに気付くことがあります。
具体例としては、扶養控除・配偶者控除の要件を満たしていなかったケース、社会保険料控除を二重に計上したケースが挙げられます。医療費控除に対象外の費用を含めた場合や、寄附金控除の入力額を誤った場合も、税額への影響を確認してください。
個人事業主やフリーランスは、必要経費の入力ミスによって所得を少なく申告してしまうことがあります。帳簿だけで判断せず、領収書、カード明細、請求書などと照合して、事業に必要な支出かを確認することが大切です。
家賃や通信費などを家事按分している場合は、事業で使った割合を超えて経費にしていないか見直します。売上の計上時期の誤りも所得額に影響するため、帳簿と請求・入金の記録を確認する必要があります。
住所や連絡先の変更など、税額や還付額に影響しない事項だけを直す場合は、原則として修正申告は必要ありません。一方で、誤りによって税金を多く納めていた、または還付が少なかった場合は、修正申告ではなく更正の請求を行う扱いです。
国税庁も、税額を少なく申告した場合や還付を多く受けた場合には修正申告を案内しています。国税庁の案内を確認しても判断が難しいときは、税務署または税理士に資料を示して相談するとよいでしょう。
確定申告の内容が本来より少ない税額になっていた場合、修正申告は税務署から更正を受ける前であれば提出できます。ただし、提出を遅らせるほど延滞税が増えるため、誤りに気付いた時点で内容を確認し、早めに申告・納付することが大切です。
修正申告に「申告から何年以内」という一律の提出期限はありませんが、税務署が更正処分を行う前に限られます。税務署から更正を受けた後は、自分で同じ内容の修正申告を提出して処理することはできません。
もっとも、提出できるからといって待ってよいわけではありません。追加で納める所得税には、法定納期限の翌日から納付日まで延滞税がかかります。国税庁も、誤りに気付いた場合は速やかな修正申告と納付を案内しています。
確定申告の期限内に誤りに気付いた場合は、修正申告ではなく、正しい内容の確定申告書を改めて提出します。e-Taxでも書面でも、原則として最後に提出した正しい申告書が有効です。
再提出前には、源泉徴収票、帳簿、領収書、控除証明書などを確認し、入力漏れや二重計上がないかを見直してください。提出期限を過ぎてから税額を増やす訂正が必要になった場合に、修正申告を行います。
修正申告が遅れるほど、延滞税と追加負担、資金繰りへの影響が大きくなるおそれがあります。2026年中の延滞税は、納期限の翌日から2か月までは年2.8%、2か月経過後は年9.1%です。税率は年ごとに変わるため、納付時には国税庁の情報で確認してください。
当事務所に寄せられるご相談の傾向として、税務署からのお尋ねやお知らせを放置し、事態が動いてから相談される方もいます。書面が届いた段階で資料を確認すれば選択肢を検討しやすいため、所得や控除の誤りが疑われる場合は、申告書と根拠資料をそろえて税理士に相談することをおすすめします。
e-Taxを使った修正申告は、誤りを確認して正しい金額を入力し、送信後に追加税額を納付する流れです。差額だけを入力するのではなく、修正後の申告内容全体を正しく作り直す必要があります。
作成を始める前に、どの所得・控除・経費が誤っていたのかを確認してください。不足していた所得と、過大に計上していた控除・経費を分けて整理すると、入力時の見落としを防ぎやすくなります。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを開き、「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」を選択します。作成済みの申告データがある場合はそのデータを利用でき、保存データがない場合も画面の案内に沿って作成を進められます。
入力するのは増減した差額ではなく、修正後に正しい申告内容となる金額です。所得や控除を一部だけ直すのではなく、資料と照合しながら申告書全体の金額を確認してください。
所得税の修正申告では、令和4年分以後は主に申告書第一表・第二表を使用します。分離課税がある場合は第三表も使用し、第五表は原則として不要です。国税庁の作成要領も確認しながら入力しましょう。
修正理由には、何をどのように訂正したのかが分かる内容を簡潔に記載します。「誤りがあったため」だけではなく、所得や控除の種類まで示すと確認しやすくなります。
申告書を作成した後は、e-Taxで送信するほか、印刷して所轄税務署へ郵送または持参する方法があります。e-Taxで送信した場合は、送信結果と受付通知を保存してください。
申告内容を送信しただけでは、追加で生じた税額の納付は完了しません。送信前に入力内容と修正理由を見直し、送信後は納付手続きへ進みます。
修正申告で追加納付する本税は、原則として修正申告書を提出する日に納付します。法定納期限の翌日から納付日までの延滞税が発生する場合もあるため、申告書の提出と納付を分けて考えないことが必要です。国税庁の案内でも、修正申告に伴う税額は提出日までに納付する扱いとされています。
納付方法には、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付、コンビニ納付、金融機関や税務署窓口での納付があります。納付額や利用できる方法を確認し、納付後の記録も保管しましょう。判断に迷う誤りや複数年分の訂正がある場合は、提出前に税理士へ相談することをおすすめします。
申告漏れに気付いて修正申告をする場合、追加の本税に加え、延滞税や状況に応じた加算税がかかることがあります。ただし、税務調査の事前通知前に自主的に申告を直せば、原則として過少申告加算税はかかりません。
誤りを把握したら、修正申告書の提出と追加税額の納付を早めることが、負担を抑える方法です。
税務署から税務調査の事前通知を受ける前に自主的に修正申告をした場合、原則として過少申告加算税はかかりません。一方で、本来の納期限の翌日から実際に納付する日まで、延滞税が生じる可能性があります。
延滞税は納付が遅れるほど増えるため、申告内容を確認できた段階で追加税額を納めることが大切です。2026年時点の延滞税は、納期限の翌日から2か月までは年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%です。税率は年ごとに変わるため、納付前に国税庁の案内を確認してください。
税務調査の事前通知を受けた後に修正申告をすると、原則として新たに納める税額の5%の過少申告加算税がかかります。追加税額のうち、当初申告税額または50万円のいずれか多い額を超える部分には、2026年時点で10%が加算されます。
調査後に申告漏れを指摘されて修正する場合は、原則10%、一定額を超える部分は15%です。さらに、事実を隠したり仮装したりしたと判断される場合は、原則35%の重加算税の対象となる可能性があります。加算税の詳細は、国税庁の修正申告に関する案内でも確認できます。
修正申告での納付額は、申告漏れ分の本税を基本に、延滞税と、状況により過少申告加算税または重加算税を加えて考えます。修正申告による本税の納期限は、原則として修正申告書を提出する日です。
放置すると延滞税が増え、調査の進行状況によっては加算税も生じます。所得や控除の計算に不安がある場合は、帳簿、源泉徴収票、控除証明書などを確認し、税務署または税理士に具体的な税額を相談するとよいでしょう。
修正申告を提出した後は、追加の所得税を納めるほか、すでに受け取った還付金の返納が必要になる場合があります。また、修正後の所得は住民税や国民健康保険料にも影響する可能性があります。
副業がある会社員は、住民税の徴収方法によって勤務先に影響が及ぶこともあります。提出後に届く税務署や自治体からの通知は、金額や内容を確認してください。
当初の申告で還付金を受け取り、修正後に還付額が減る場合は、受け取り過ぎた還付金を返納する必要があります。修正申告で増えた所得税とあわせて、納付すべき金額を確認しましょう。
修正申告による本税の納期限は、原則として申告書を提出する日です。法定納期限の翌日から納付日まで延滞税が生じるため、金額を確認したら速やかに納付することが重要です。詳しくは国税庁の修正申告に関する案内も確認してください。
所得税の申告内容を修正すると、住民税や国民健康保険料などの算定額が変わる可能性があります。所得税の修正内容は、原則として税務署から自治体へ連携されます。
その後、自治体から住民税額や保険料に関する通知が届くことがあります。通知を受け取った際は、修正した所得や控除の内容と金額が一致しているかを確認してください。
副業所得を修正した会社員は、住民税の徴収方法によって勤務先に影響が及ぶ場合があります。副業分を含む住民税が給与から特別徴収されると、会社に通知される住民税額が変わるためです。
勤務先への影響が気になる場合は、住民税の納付方法と自治体の取扱いを確認してください。自治体によって対応が異なるため、副業分を普通徴収にできるかどうかも含め、個別に確認する必要があります。
当事務所に寄せられるご相談の傾向として、「自分の規模では調査は来ない」と考えていた個人事業主・副業の方からのご相談が目立ちます。申告内容の誤りに気付いた場合は放置せず、納付額や周辺税目への影響を確認し、判断に迷うときは税理士へ相談してください。
税務署から更正を受ける前であれば、修正申告を提出できます。延滞税などの負担を抑えるため、誤りに気付いた時点で早めに手続きを進めてください。
追加で税額を納める誤りを見つけた場合は、再度修正申告を行います。反対に納め過ぎとなる誤りは、更正の請求の対象となる可能性があります。
修正申告をしたことだけで、直ちに税務調査の対象になるとは限りません。ただし、修正した内容やこれまでの申告状況によっては、税務署から確認を受ける可能性があります。
申告内容を説明できるよう、帳簿、領収書、控除証明書など、修正の根拠となる資料は保存しておくことが大切です。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、自分で修正申告書を作成し、e-Taxで送信または書面で提出できます。所得の種類が多い場合、複数年に誤りがある場合、税務調査の連絡を受けている場合は、税理士への相談を検討するとよいでしょう。
修正申告をしても、控除そのものが使えなくなるわけではありません。修正後の所得金額や扶養状況などが控除の要件を満たすか、改めて確認が必要です。
修正申告は、確定申告をした後に、本来より税額を少なく申告していた、または還付金を多く受け取っていたと分かった場合に、正しい税額へ訂正する手続きです。所得の計上漏れや控除・経費の過大計上などに気付いたときは、当初の申告内容と根拠書類を見直してください。
まだ申告期限内であれば、修正申告書ではなく、正しい内容の確定申告書を再提出します。原則として、期限内に最後に提出した申告書が有効となります。
申告期限後に税額の不足へ気付いた場合は、できるだけ早く修正申告を行い、増えた税額を納付することが大切です。自主的な申告であっても延滞税はかかりますが、税務調査の事前通知前に修正申告をすれば、原則として過少申告加算税はかかりません。
オンラインで手続きする場合は、国税庁の確定申告書等作成コーナーにある「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」を利用します。誤りの内容、修正後の所得・控除・税額を確認したうえで作成し、提出日までに追加の本税と延滞税を納付します。
誤りの内容や必要な手続きの判断に迷う場合は、自己判断で進めず確認することが重要です。税務署から税務調査の連絡を受けた場合や、所得・経費の判定が難しい場合は、税務署または税理士へ相談してください。
税務調査への対応は初動で結果が変わることがあります。不安があるときは、税務調査に強い税理士への相談を検討しましょう。
申告期限を過ぎてしまった場合も、早く動くほど負担を抑えやすくなります。
受付時間外やお電話が難しい場合は、LINE・メール相談もご利用いただけます。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者30万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在15名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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